ウイスキー、そのルーツ

ウイスキー

シングルモルト ウイスキー グレンフィディック12年 700ml

ウイスキーの世界は魅惑に満ちています、銘柄は数百もあって、味はそれぞれに異なります。

それぞれのウイスキーは原料と生産設備と、そして作り手のちがいも映しだしています。

さらに時の経過がこれらの要素を大小の変化で揺さぶります。

新しい銘柄が生まれ、古い銘柄が消えていくと思えば生き返る銘柄もあったりします。

世界中に広まったウイスキーのルーツはどこにあるのでしょうか。



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製造

ウイスキーを製造するには二つの工程が必要になります。

それが発酵と蒸留です。

ごく簡単に言えば発酵とは砂糖と酵母と水からアルコールをつくることです。

ビールは穀物から、ワインはブドウの発酵によって造られます。

ビールの場合は大麦を発芽させ、発芽酵素によって糖質を作ってから発酵させる必要があります。

ウイスキーも大麦を原料とするので同じ工程が必要になります。

つまり、ビールを蒸留したものがウイスキーなので、ウイスキーの製造方法もほとんどがビールと変わりません。

ですが、工程が多い分、味を決める要因が沢山あります。

使われる水の特徴、大麦麦芽の質や品種、使われるピートの質と量、醸造時働く酵母の系統や、温度、蒸留で利用される蒸留器の形や大きさ、蒸溜の回数などです。

種類としては51パーセントのトウモロコシを原料として蒸留され、内側を焦がしたオーク材の新樽で熟成させるバーボンウイスキー、80パーセント以上のトウモロコシを原料として蒸留させるコーンウイスキー、51パーセントのライ麦を利用して蒸留され、オーク材の新樽で熟成させたライウイスキー、テネシー州で蒸溜され、サトウカエデの木炭で濾過し、内側を焦がしたオーク材の新樽で熟成させたテネシーウイスキー、中性スピリットと少なくとも3年熟成させたブレンドウイスキーであるカナディアンウイスキー、1つの蒸留所で処理された大麦麦芽のみを使用し、1つの蒸留所で蒸溜されたシングルモルトウイスキーなどです。



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つづり

ウイスキーではwhiskyとwhiskeyの二通りのつづりが使われています。

whiskeyはアメリカで造られるウイスキーを指すつづりであると主張する人がいますが、そんなことはなくアメリカンウイスキーのオールドフォレスター、ケンタッキー、ストレート、バーボンなどwhiskyと書いてあるものは多いです。

ただし多少の例外はあるものの、カナディアンウイスキーとスコッチウイスキー、さらにイングランドではwhiskyのつづりが好まれ、アイルランドとアメリカではwhiskeyのつづりが好まれる事は事実です。

ウイスキーの定義

ウイスキーは発酵させた穀粒を蒸溜し、木製の樽で熟成させたアルコール飲料、というのが大まかな定義です。

穀粒とは、種子のある草で、人類が食べるために栽培する大麦、トウモロコシ、オート麦、ライ麦、小麦などを指します。

そして何より、樽で熟成させることはウイスキーの定義にかかせない要素です、なぜならそれがウイスキー特有の麦わら色や焦げ茶色の色を付けてくれる事と、バニラやチョコレート、あるいはカラメルのような風味を与えてくれるからです。

この二つが合わさることによって、他の蒸留酒である、ワインを蒸留してできたブランデーやウイスキーに近く穀物や、サトウキビなどから蒸留され樽での熟成を行わないのがウォッカです。

ほとんどのウイスキーは40から43パーセントのアルコール度数で瓶詰めされます。

ただしすべてではなく、例えばジョージTスタッグ、ケンタッキー、ストレート、バーボンウイスキーなどはアルコール度数が45~50度になることもあります。

初心者はやはり前者のような通常のアルコール度数のものがおすすめです。

ウイスキーの起源

ウイスキーはいつ発明されたのかはっきりした答えはありません。

ですが世間一般で語られる多くの説が、少なくとも2000年前に古代ギリシアか近東の錬金術師が蒸溜の方法を発見したこととウイスキーの誕生を関連づけています。

この知識はなんらかの形でイギリス諸島にたどり着き、おそらくアイルランドの守護聖人やキリスト教の宣教師などがこの知識を伝えたのだろうと考えられています。

もしくはヨーロッパに様々な知識をもたらしたイスラム教徒のムーア人だったのかもしれません。

後者の仮説を支持する人々はアルコールという言葉がアラビア語のアル・コホルという言葉から来ていることを指摘しています。

はじめて蒸溜が行われていたのはおよそ1万年前にさかのぼるという説や、紀元前8000年代にエジプトと近東で行われたなど、紀元前6000年代にヨーロッパで穀物が栽培され、貯蔵されていたという考古学的証拠もあるそうで、古代エジプト人が穀物をビールに醸造し、それを元に様々なレシピを試していたことを示す証拠があります。

古代ヘブライ人もまた、同じようなことをしていました。

歴史的証拠

3世紀の錬金術師の文献には彼らの液体と薬物の巧みな操作を記述しています。

加熱、粉砕、混合、濾過。

それらの表現によれば、彼らは蒸溜に必要とされる技術を持っていました。

球根状の液体容器は液体を沸かすためのもので、ランビキと呼ばれるだんだんと細くなって曲がっている首が付いていて、これで蒸気を凝縮させて液体にし、それらがレシービングフラスコにしたたるようになっていました。

エジプト人はガラスの容器を紀元前1500年には型に入れて作りはじめており、紀元1世紀にはガラス容器を吹いて作っていました。

知識の伝搬

その後にアラブ人が成分の分離と精製の技術としての蒸溜に着目し、その技術を利用して商売を行うようになりました。

エッセンシャルオイルや香水を蒸溜するための技術の記述もあるそうです。

そして次の千年紀に、蒸溜の知識と初期錬金術師の操作方法はゆっくりと北東および北西方向へ移動していきました。

その過程で技術は改良され、薬草を使った薬の製造などにも応用されるようになりました。

おそらくは商人が、この知識をアレキサンドリアから北アフリカ、さらにはスペインへ、またはダマスカスからイスタンブールへ、そして東ヨーロッパと中央ヨーロッパへ運んだと考えられます。

酒の蒸溜

前もって発酵させておいた酒を蒸溜することが最初に試みられたのがいつなのかはわかっていませんが、5世紀にはタタール人が馬乳酒を作っていた話と、フン族の村人が大麦からカムースと呼ばれるウイスキーに似た蒸溜酒を作っていたという話があります。

しかしながら、蒸留酒製造の確かな証拠は15世紀まで現れず、哲学者で聖職者でもあったアルベルトゥス・マグヌスの論文にはブランデーの作り方が登場します。

確実な証拠

ウイスキー製造の最も早い疑いの余地もない証拠は1494年のものです。

この年のスコットランド財務府記録には8ボルのモルトを修道士のジョン・コーに、それでアクアヴィテを作らせるという記録があります。

8ボルとは大量のモルトで、約500キロにもなり、190リットルのウイスキーを作れる量です。

この記録以降蒸留酒製造に利用される穀粒の財務府記録に頻繁に現れるようになりました。

まとめ

このように歴史が長い酒ですが、ウイスキーはアルコール度数が高い酒なので、古代から上手にたしなむ事が出来ない人達も多く、飲み方が悪かったり、飲み過ぎたりして喧嘩をしたり家庭を崩壊させたり死んでしまったりする人もいました。

現代もアルコール度数が高いウイスキーが造られているので、上手にたしなむ事が出来るように心がけることが出来たら楽しむことが出来ると思います。

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