サツマイモの品種で選ぶいも焼酎

焼酎

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その香りとほのかな甘みで多くの酒好きを虜にしてきたいも焼酎ですが、いも焼酎の原料にはいろいろな種類のサツマイモが使われています。

その数は40種類以上にわたり、それぞれ味や香りが違うため作り手側は研究に研究を重ねながら最高のいも焼酎を作っています。

今回はそんないも焼酎の原料となるサツマイモの中から、いくつか気になった品種を紹介します。



黄金千貫

コガネセンガンと読みます。

サツマイモですがその名前の通り皮の色が黄金色で、じゃがいものような見た目をしています。

見た目とは裏腹に甘みがあり、食用としても販売されています。

香りもよいため、万能なサツマイモとして多くのいも焼酎が黄金千貫を原料に作られています。

霧島酒造の「白霧島」や「黒霧島」をはじめ、プレミアム焼酎とされる「佐藤」や「伊佐美」もこの黄金千貫から作られています。

一番ベーシックな品種なので、いも焼酎初心者の方はまず黄金千貫で作られた焼酎を飲んでみることをおすすめします。



ジョイホワイト

見た目が白くてつるつるしているサツマイモです。

切ると中も真っ白で一見するとサツマイモには見えないかもしれません。

ジョイホワイトはいも焼酎作りのために品種改良されたサツマイモで、でんぷんが多く含まれています。

焼いても甘くならないので食用とされることはほとんどありません。

ジョイホワイトで作られたいも焼酎はフルーティーな香りのすっきりとしたものが多いようです。

吉永酒造の「利八(ジョイホワイト)」や大海酒造の「海王」などがあります。

紅さつま

「さつまいもの王様」と呼ばれている品種が紅さつまです。

皮は紫色でいわゆるサツマイモな見た目をしています。

品種改良により虫が付きにくく、保存がしやすい品種で、味も甘みが強く美味しいので昔から焼き芋や天ぷらなど食用として親しまれてきました。

いも焼酎の原料としても使用され、正統派のサツマイモらしいしっかりとした甘みと香りが特徴です。

紅さつまから作られるいも焼酎は神酒造の「千鶴 紅さつま 白麹仕込み」や、さつま無双株式会社の焼きいも焼酎「火焔山 紅」などがあります。

栗黄金

クリコガネと読みます。

栽培が難しく一般にはあまり出回らないため「幻の芋」と呼ばれています。

見た目は白くごつごつしていて中は黄色く、黄金千貫に似た印象を受けますが、ルーツは紅あずまという品種にあるといいます。

味も美味しく天ぷらなどで食されることもあるそうです。

上品な香りが特徴で、栗黄金を原料としたいも焼酎には相良酒造の「醇良 相良六兵 栗黄金」や吹上焼酎株式会社の「昭和武蔵」などがあります。

安納芋

アンノウイモと読みます。

主に種子島で栽培されているサツマイモです。

皮は紫色でしっとりとした食感が特徴です。

とにかく糖度が高く、焼くだけで中から蜜があふれ出すほどです。

その甘さからブランド芋として全国で大人気となりました。

スイートポテトなどのスイーツにも多く使用されています。

その甘みはいも焼酎にも存分に生かされていて、安納芋を原料としたいも焼酎には種子島酒造の「夢尽蔵 安納」や、同じく種子島酒造の焼きいも焼酎「25度 炭火焼安納芋」などがあります。

ムラサキマサリ

皮は紫色で見た目は普通のサツマイモのようですが、切ってみると中身はもっと紫色です。

紫色の秘密はポリフェノールの一種アントシアニンの天然色素によるものです。

偶然発見された紫芋から品種改良された比較的新しい品種で、いも焼酎の原料としてはすっきりとした甘さとワインのような優雅な香りが特徴です。

生産量が少なく収穫量が限られているため、ムラサキマサリから作られる霧島酒造のいも焼酎「赤霧島」は、春と秋だけ数量限定で販売される希少な一品となっています。

まとめ

いも焼酎は種類がたくさんあるので酒屋さんなどで選ぶときにいつも迷ってしまいます。

試飲が出来ればいいのですが、なかなかそうもいきません。

そんなときは自分の好みのいも焼酎に使われているサツマイモの品種を覚えておいて、サツマイモの品種から焼酎を選んでみるのも面白いと思います。

未だ見ぬ新しい焼酎との出会いが待っているかもしれません。

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