ブランデーってどんなお酒?初心者のためのブランデーの基礎知識

ブランデー

ヘネシー X.O 700ml

ブランデーというと、高級なバーやクラブで出したり、特別な機会の贈答品といった「高級なお酒」というイメージがありますね。

ブランデーはウイスキーとよく似ていますが、高級ウイスキーの一種なのでしょうか、それとも別のお酒なのでしょうか?

ブランデーはどのようなお酒なのか?

どんな種類があってどんな楽しみ方ができるのか?

...など、初心者のためのブランデーの情報をいろいろ集めてみました。



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ブランデーの原料は白ブドウその他の果物

ブランデーは、白ブドウその他の果実を発酵、蒸留させたアルコール度数が40度ほどのお酒です。

ほとんどのブランデーの原料は白ブドウで、その中で有名なのは「コニャック」と「アルマニャック」です。

フランスのコニャック地方で作られたブランデーだけが「コニャック」という名前になり、フランスのアルマニャック地方で作られたブランデーのみが「アルマニャック」という名前のブランデーになります。

ワインの搾りかすが原料のフランス産の「マール」、同じ原料でイタリア産の「グラッパ」などもあります。

白ブドウ以外の原料のブランデーでは、フランスのノルマンディー産のリンゴで作られた「カルヴァドス」が有名です。

サクランボを原料としたドイツ産の「キルシュヴァッサー」、ラズベリーを原料としたフランス産の「フランボワーズ」、プラムを原料とした中欧・東欧の「スリヴォヴィッツ」などもブランデーの一種です。



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ブランデーの歴史と産出国

ピスコ タベルネロ ケブランタ 500ml

7世紀頃のスペインでワインを蒸留していたと言われていますが、本格的な生産が始まるのは17世紀頃のフランスです。

コニャック地方やアルマニャック地方で生産されるようになり、その品質の良さが評判になり、ブランデーは王族など身分の高い人々に愛されるようになりました。

そしてこの2つの地方は今に至るまでブランデーに名前を残すようになったのです。

ほとんどのブランデーはブドウを原料とするので、ワインが生産される土地ではブランデーも作られます。

ヨーロッパ各国のほか、南米、中米、南アフリカ、オーストラリア、そして日本でも作られています。

ヨーロッパ以外では、南米のペルー原産のブドウで作った「ピスコ」というブランデーが知られています。

ブランデーの作り方から見るワインとの関係

普通のブランデーは、白ブドウを原料としているので、白ワインと近いものです。

実際、ブランデーの製造過程は途中までワインと同じです。

まず収穫したブドウを絞って発酵させるのですが、赤ワインは皮ごと絞って使うのに対して、白ワインは皮や種を除いた果汁のみを使います。

ブランデーを作るのにブドウの皮や種は必要とせず、またブランデー作りに向いた品種が白ブドウなので、白ブドウを使って白ワインと同じように絞って発酵させます。

次に十分に発酵したブドウのしぼり汁を「蒸留」すると、ブランデーになるのです。

このようにブランデーは、ワインを蒸留したお酒ということになります。

白ブドウ以外の原料を使ったブランデーも作り方は大体同じです。

ブランデーの作り方から見るウイスキーとの関係

「蒸留」というのは、液体の混合物に熱を加えて気化させて、それをまた冷却して液体にする作業です。

ブランデー作りのために発酵させたブドウの汁(白ワイン)は水とアルコールを含んでいますが、ブランデー用の白ブドウは糖度が低いため、この時点でアルコール濃度は低く8%くらいです。

(普通のワインは14%くらい)これに熱を加えると、沸点が低いアルコールは水より先に気化します。

このときの蒸気には多くのアルコールと少量の水が含まれています。

この蒸気を冷却すると、よりアルコール濃度が高い液体が得られてブランデーとなります。

こうした「蒸留」という行程を経て作られる酒を「蒸留酒」または「スピリッツ」と言い、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ジン、テキーラ、ラム酒なども蒸留酒です。

ウイスキーとブランデーはともに蒸留酒で良く似ていますが、違いは原材料です。

ウイスキーは大麦、小麦、トウモロコシなどを原料にして、発酵・蒸留させたものです。

ブランデーの熟成とブレンド

蒸留したてのブランデーは無色透明で「ヌーベル」と言われます。

これをオーク材の樽に入れて、何年もかけて熟成します。

熟成期間は最低2年、長くてなんと100年です。

熟成させることによりブランデーは、次第に琥珀色になり、アルコール度数を増し、深くまろやかな味を出し、オーク材のほのかな香りを得るようになります。

ただしブドウ以外の果実で作ったブランデーは、その果実の香りをそのまま生かすために樽に入れないものもあります。

樽の中で熟成されたブランデーは瓶詰めされて製品になりますが、一つ樽の中のブランデーだけ使わず、様々な熟成年数の樽のブランデーを調合(ブレンド)して、そのメーカーの独特の味と香りを作り出します。

ブレンドされた中の一番若いものの熟成年数により、ブランデーのランクが決まります。

ブランデーのランク

コニャック ナポレオン 700ml

ブランデーに「V.S.O.P.」や「O.X.」と表示されているものがありますが、これらはブランデーのランクです。

「ナポレオン」もランクの名前で銘柄ではありません。

コニャックやアルマニャックは、熟成年数や品質によってどの表示が認められるか細かい規則があり、それぞれのサイトに表示してあります。

(時々変更有り)ブランデーに記されているランクには以下のようなものがあり、下へ行くほど熟成期間が長く高級とされています。

1 Star, 2 Star, 3 Star:熟成期間が短いものV.S. (Very Special)、V.O. (Very Old)V.S.O. (Very Superior Old)V.S.O.P. (Very Superior Old Pale):Paleは「透き通った(琥珀色)」です。

X.O. (Extra Old):「ナポレオン」はほぼ同等。

オールダージュ: 特別熟年数が長いもので「エクストラ」と表示するメーカーもあります。

コニャックとアルマニャック以外はメーカーごとに等級をつけているので、どの等級の熟成期間が何年とは言えず、品質にもばらつきがあります。

大体の熟成期間は3 starで2年以上、X.O.やナポレオンだと5-10年、それ以上のものは10年、20年などです。

ブランデーの代表的な銘柄

レミーマルタン VSOP 700ml [正規品]

日本でよく知られているブランデーの3大銘柄は「カミュ」「ヘネシー」「レミーマルタン」で、すべてコニャックです。

どれも高級ブランデーとして世界的に知られています。

アルマニャックは日本ではコニャックほど知られていませんが「ジェラス」「シャポー」などの銘柄があります。

リンゴを原料としたカルヴァドスでは、リンゴが丸ごと瓶に入っている「クール・ド・リヨン・ポム・プリゾニエール」が有名です。

日本ではサントリーやニッカウヰスキーが、国産ブランデーを作っています。

ブランデーのおすすめの飲み方

ブランデーは何といってもまずストレートです。

少量をグラスに注いで、ゆっくりと30分くらいかけて、香りを楽しみながら味わいます。

ただブランデーはアルコール度が強いので、ストレートが苦手な人は、オンザロックや水割りやソーダ割りにしてみましょう。

昔は手で温めて飲んだブランデーですが、今のブランデーは氷を入れても十分に香りが楽しめます。

水割りやソーダ割の場合は、1対1くらいの割合で薄めるのがおすすめです。

ただブランデーを薄めて飲むのは、あくまでもカジュアルなやり方なので、正式な場で飲むときや、他の人から高級なブランデーをご馳走になるときにはやらない方が良いでしょう。

角砂糖にブランデーを注ぎ、火をつけて炎と香りを楽しんだらコーヒーに入れる「カフェロワイヤル」もロマンチックな雰囲気を味わえます。

まとめ

ブランデーは白ワインと原料が同じで、ワインが進化したようなお酒です。

ウイスキーとよく似ていますが、材料が違います。

良く知られている銘柄はすべてフランス産で、様々な等級に分かれていて、等級が高いものは何十年も熟成されています。

高級なブランデーはかなり高価ですが、かかった手間や年月を考えると納得です。

もしご興味を持たれたら、さっそくブランデーを試してみませんか?

ブランデー