国産ブランデーの歴史と種類

ブランデー

ブランデーグラス

ブランデーといえばヨーロッパですが、19世紀末あたりからここ日本においても国産ワインやブランデー作りが定着していき、本場とは違う気候風土のなか生産者はみな知恵をしぼって汗をかきながら独自のおいしさを追求してきました。

そんな国産ブランデー作りにおける歴史や現在販売されている国産ブランデーについて、ご紹介していきます。



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意外と古かった、日本とブランデーの関係

日本にブランデーが初めて”上陸”したのは1652年、なんと江戸時代に長崎県の出島にてオランダ人が当時の長崎奉行にブランデーを一本届けたことが記録されています。

それは、ブランデーの故郷ヨーロッパで一般の人々がブランデーを飲み始め、広く受け入れられたのと同時期に日本にもやってきていたということです。

しかし、オランダ人たちは故郷で流行っているものをおすすめしただけなのか、日本で製造方法などが知られるようになるのはもう少し後になってからでした。



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明治時代からブランデー作りが始まっていた

1867年にオランダより帰国した留学生によってブランデーの製造方法が日本にも伝えられ、国内で生産された初めてのブランデーは甲斐産商店が1892年(明治25年)に製造・販売を開始した「大黒天印ブランデー」というブランデーでしたが、それほど普及するまでには至らず、1935年に大手のサントリーがブランデー作りを開始し、戦争を終えて本格的なブランデー作りがおこなわれだしたのは1960年代を過ぎてからでした。

湿度の高い気候風土のため、ブランデーに適したブドウ作りは難航しましたが、品種を研究し国内生産が可能なブドウを使用したり、原酒の輸入や海外に拠点を作ってそこで生産する会社もあるなど様々な工夫がされています。

こだわりのワイナリーによるブランデー作り

国産のワインもじょじょに増え、甲州ワインや神戸ワインなどブランドワインも出来てきました。

大正時代より100年以上もの間ワインの醸造をおこなってきた五一わいんは国際ワインコンクールで金賞を受賞した経験もあり、そんなワインからももちろんブランデーが作られています。

北海道の十勝で醸造をおこなっている十勝ワインでも、冷涼な気候を活かしたこだわりの辛口ワインからブランデーを蒸留しています。

1964年にブランデー作りを開始し、X.OやV.S.O.Pのほか原酒やアップルブランデーも販売しています。

新潟のカーブドッチでは気候風土に合ったブドウ作りからこだわり、生食用や外国産ブドウ果汁を使わない純国産のワインを醸造し、ブランデーも作っています。

樽熟成をおこなわないため無色タイプで、ブドウの香りがスッキリとした味わいを楽しめます。

アップルブランデーのニッカ

ブランデーはワインをはじめとする「果実酒」を蒸留したものなので、ブドウ以外の果実でも生産が可能です。

たとえばリンゴや洋ナシを原料として蒸留されたものを「カルヴァドス」と呼びますが、それらを大手酒造メーカーでも取り扱っていて、日本で始めて果汁100%リンゴジュースを製造・販売したとされるニッカウヰスキーは他にもリンゴ関連商品を多数生産していて、国産アップルワインや国産アップルブランデーがX.OやV.S.O.Pらと並んで販売されています。

グラッパ、マールも国産

イタリア発祥の、ワインを作るときに出来た「搾りかす」を再発酵させて蒸留した「グラッパ(フランスではマールと呼びます)」というお酒もブランデーの仲間です。

イタリアの農家の人たちはワインを作っても自分たちが飲むことは経済的に難しく、手元に残った搾りかすで自分たちが飲める美味しいお酒が出来ないかということで作られたのがグラッパです。

このグラッパも現在国内で数社が製造・販売していて、山梨県の白百合酒造では「内田葡萄焼酒(内田グラッパ)」と呼ばれるグラッパを製造・販売しています。

通常とは異なる「減圧蒸留方式」を採用した低温沸騰による蒸留で雑味のないソフトでマイルドな味わいを実現しています。

まとめ

いかがでしたか。

ブランデーが江戸時代にはすでに日本に伝わっていたり、明治時代から製造が始まっていたとは驚きですね。

本場ヨーロッパの高級ブランデーにはない、日本らしいブドウの味わいにこだわったブランデーや世界一美味しいとされる日本のリンゴを使ったアップルブランデーなど、よその真似をして改良するのが得意な日本人ですから、きっとこれからもますます美味しい国産ブランデーが誕生していくことでしょう。

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