グラボのファンが回らないそんな時のトラブル解決方法

グラフィックボード(グラボ)

玄人志向 グラフィックボード nVIDIA GeForce 8400GS 512MB PCI-E LowProfile対応 RGB DVI HDMI 補助電源なし 空冷ファン 1Slot GF8400GS-LE512H/D3

新しいグラボに交換したあとの動作確認、何気なしにPC内を見た時、やけにPCが静かだなという時などに、グラボを確認したら「ファンが回っていない!」という事が稀にあります。

普通は回転しているというイメージがあるため、実際に目で見て確認したときに動いていないと結構焦るかと思います。

今回はそうした「グラボのファンが回らない時」の解決方法についてまとめました。



おすすめグラフィックボード製品ランキングはこちら





グラボの乗せ換え後にファンが回らない場合

グラボを新しいものに乗せ換えた後からファンが回らなくなった場合は、次のような事が原因として考えられます。

  1. 初期不良
  2. グラボがセミファンレス仕様

グラボが新品の場合には上記2点が原因であることが多いです。

グラボのファンの故障チェックの方法の1つとして「PC起動時の挙動」が分かりやすいためおすすめです。

PCは起動直後はOSではなくBIOSの制御によって動作する関係でファンコントロールなどが動作しないため、BIOS環境下では実際の設定に関係なく回り続けます。

この点を利用して、グラボのファンの故障をチェックする方法です。

物理的な初期不良が原因でファンが動かない場合、BIOS起動時にファンが回りません。

対して、セミファンレスなどグラボの仕様によって回転が止まっている場合には、BIOS環境下ではGPUの温度などに関係なく回転します。

また、グラボ関連で多いトラブルとして電源容量との関係がありますが、グラボ自体の動作は正常でファン「だけ」が回らない場合には原因である可能性は低いです(電源が足りない場合にはそもそも起動しない、高負荷時に落ちることが多い)。



おすすめグラフィックボード製品ランキングはこちら





トラブルを防ぐために買う前に仕様をよく読む

先にも書いた通り「ファンが回らないから故障を疑ったらそもそもセミファンレス仕様だった」という事がたまにあります。

こういった勘違いを防ぐためにも、グラボに限らずPCパーツを購入する時は事前にそのモデルの仕様についてよく把握しておくようにしましょう。

特にグラボの場合には各メーカーが出しているオリジナルモデルで同じセミファンレス仕様でも回転を始める温度、回転数などが微妙に異なります。

そのため、セミファンレスからセミファンレスに乗せ換えた場合でも「前と違って回転しない」という事があるため、グラボを交換したときには付属のファンコントロールソフトなどを使ってファンの設定についてよく確認しておくのがおすすめです。

メンテナンス後にファンが回らない場合

PC内のメンテナンスを行った後に、グラボのファンが回らなくなることがあります。

この場合に考えられる原因は、次のようなものがあります。

  1. 補助電源の差し忘れ
  2. ファンへの電源供給用のケーブルの断線、接続し忘れ

この2種類が原因になり易いです。

特に補助電源の差し忘れは、掃除やメンテナンスでグラボを取り外した後再度取り付けるときに、うっかりして忘れてしまいやすいミスです。

もう1つは、グラボの基盤上にあるピンを経由してファンを回すためのモーターへ電源を供給しているケーブルが断線、もしくは繋がっていない事が原因になっているパターンです。

どちらの場合でも繋がっていないだけなので、正しいケーブルの繋ぎ方をする事で解決します。

PCを掃除する際には、分解などを行う前に元の状態がどうなっていたかよく把握しておき、再度組み立てた時に元通りになっているかよく確認するようにするのがおすすめです。

一部モデルではGPUクーラーを外す時に注意

一部のグラボは、クーラーの表面を覆っている樹脂や金属で出来たカウル部分にファンが固定されているものがあります。

こういったモデルのヒートシンクを掃除するためにカウル部分を取り外す必要がある場合、勢いよく外すとファンに電源を供給しているケーブルが千切れる可能性があります。

このケーブルが断線してしまうとファンの回転が出来なくなるため、クーラー周辺を分解する際には気を付けましょう。

ケーブルはグラボの基板上にあるピンに刺さっているため、カウルを外せる段階になったら、一旦机等において先にケーブルをピンから抜く事で負荷がかかって断線する事を防げます。

また、組み付ける際にはこのケーブルを繋げるのを忘れないようにしましょう。

ケースを閉める前に各種ケーブルの位置を確認する

メンテナンス後などに気を付けたいポイントとしてはもう1つ、グラボのファンにケーブルなどがぶつからないように注意しておくのが大切です。

ケーブルがぶつかった状態のまま電源を入れると、ファンの回転にケーブルが巻き込まれてファンの羽根が欠けたり、場合によっては回転そのものが邪魔されてしまったりする可能性があるからです。

本来は動作できる状態であるのに、何らかの物理的な原因で回転出来ない状態が長く続くとモーターに大きな負荷がかかるため、本格的な故障が起きやすくなります。

クーラーの寿命を短くしないためにも、ケーブル類は出来る限りまとめて、裏側配線を行うなどの対策をしておくようにしましょう。

>

ある日突然ファンが回らなくなった場合

何の拍子もなくいきなりファンが回らなくなった場合、考えられる原因は大きく分けて2つ「寿命による故障」と「埃をはじめとする異物による障害」のいずれかが考えられます。

特に数年単位で使っているグラボに関しては、クーラー部分が寿命を迎えている可能性が非常に高いです。

寿命でクーラーが使えなくなった場合は新しいグラボに交換するか、後述するような簡易水冷のクーラーを使ったり、空冷クーラーの自作用キットなどを使ったりして対応する事で解決できます。

ですが、故障と断定してしまうよりも前に、まずは掃除して動作するかどうか確認してみるのがおすすめです。

特に埃は、少量なら柔らかいため問題ありませんが、ある程度埃が溜まってしまうとファンの回転を妨げる要因の1つになります。

ちなみに、非常に稀な例ですが、グラボのヒートシンクからキノコが生えてきてファンが回らなくなったという事も以前確認されています。

もしもファンが壊れたら

グラボのファンが壊れてしまい回転しなくなった事に早い段階で気が付いた場合、基板そのものには問題がない事があります。

そういった場合には第三者メーカーが販売している簡易水冷用クーラーを使用するというのもおすすめです。

簡易水冷は、元のクーラーを取り外してグリスを塗り直した後に、セットになっているパーツを取り付けるだけで終わるため、比較的簡単に交換する事が出来ます。

ただし、本格水冷と比べると「冷媒の残量が解りづらい」「冷却性能自体は純正クーラーと大差ない物が多い」などの点で劣ります。

特に冷媒は、減ると冷却性能が目に見えて落ちるため、日ごろから冷却性能について気にしておく必要があります。

また、空冷クーラーが欲しい場合には、下記のような簡易的なクーラーを自作するキットもあるため、グラボの負荷状況次第では自分で作ってしまうのも安く済むためおすすめです。

空冷式クーラーを自作するためのアイテム「AINEX RSF-08」

グラボのGPUクーラーが破損した場合に行える対象方法の1つとして、ファン部分を丸々自作する方法があります。

この製品はその作業を簡素化し、かつ剛性を維持するためのものです。

クーラーを自作というと難しい感じがしますが、故障して動かなくなったグラボに付いたファンを取り外しヒートシンクが露出した状態にしておき、ケースファン(本商品では92mmと120mmのファンが対応)を、下から上へ向かって吹き上げる形になるようにこの製品を使ってグラボの真下で固定するだけです。

対応するファンの厚さが25mmのみなので、必然的に背面のスロットは2スロット分必要になります(使用するスロット自体は1スロット)。

2スロット以上必要なグラボと併用しようとすると4~5スロット分必要になることがあるため、事前にケース内をよくチェックしておくのがおすすめです。

また、あくまでもファンで簡易的にヒートシンクに風を当てているだけなので、本来のファンと比べると冷却性能が落ちる可能性があるため、負荷を出来るだけかけない、ケース内のエアフローを整備するなどの対応が必要になります。

まとめ

グラボのファンが止まっている事に気が付いたら、高負荷のアプリケーションなどを停止させて、出来る限り早くPCの電源を落としてグラボの状態をチェックするようにしましょう。

寿命による故障の場合には、前述したような自作用のパーツなどを使ってクーラーを組んでみるのも方法のうちではありますが、確実性という意味では数段劣るため、無理せずに新しいグラボに交換してしまった方が確実に解決できる点もありおすすめです。