グラボの性能を測る際に使われるベンチマークにはどんな種類がある?

グラフィックボード(グラボ)

自分が使っているグラボや、これから換えようとしているグラボの性能を知る際に、どう比較したらいいか困ってしまった事はないでしょうか。

そういった場合には「ベンチマーク」と呼ばれるジャンルのソフトウェアを使用し、そのスコアから性能を比較・検討する方法があります。

今回は、ベンチマークの種類やそれぞれのソフトでどんなことが分かるかなどについてまとめました。



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ベンチマークソフトって何?

ベンチマークソフトは、そのPCの特定分野における性能をスコア形式で算出してくれるソフトウェアの総称です。

と言ってもそれほど難しい事は無く、単純に「ベンチマークのスコアが高ければ性能が高い」という事だけ覚えておけば十分利用可能なソフトウェアです。

今回紹介するベンチマークソフトに関してはグラボのスペックをメインにしたベンチマークですが、中にはCPU用のものであったり、総合的な要素を見る物など様々な種類があります。

ベンチマークソフトの中には有料の物もありますが、多くは無料か一部機能のみ有償という形になっているため、ソフトをダウンロードできるネット環境さえ整っていれば気軽に使う事が出来ます。



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無料でも利用可能な「3DMark」

ゲーミングPC向けに利用される事が多いベンチマークの1つが3DMarkです。

機能が制限されるものの無料で利用できる無料版や、一部機能が解放された有償版・商用版等があり、用途に応じた複数のテスト方法が利用可能な点が特徴です。

複数あるテスト方法の中でも、ゲーム用途に合わせたPCでテストする場合にはFireStrikeというテストを使用することが多く、ゲーミングPCブランドを設けているPCショップなどでも利用されているため、広く目にする機会があるベンチマークソフトの1つです。

ちなみに、PCゲームのダウンロード販売サイトであるSteamで、一般ユーザー向け有償版のAdvancedが購入することが出来るようになっていて、時折セールで割引などがされています。

有償版が試したいけど、ちょっと高い、と感じる人はSteamに登録して割引されるタイミングを狙うのもおすすめです。

3DMarkではどんなことが分かる?

3DMarkでグラボの性能を比較する場合、多くはFireStrikeというテストで行われます。

ゲーミングPCで利用される事が多いテストの1つであるFireStrikeでは、主にDirectX11の機能を利用した場合の総合的なスペックがスコアで算出されます。

テスト内容にはグラボの他にCPUなども含まれるているため、総合スコアはCPUの性能などにも左右されるものの、グラボの全体的な性能を利用する事から、グラボの性能比較においてはかなり重要視されるテストになっています。

そのため、基本的にはFireStrikeのスコアが良いグラボほど、性能が高いグラボという事になります。

また、ゲーム向けのDirectx12での動作スペックを測るためのテスト方法として、Time Spyというテストも利用可能で、FireStrikeとは違った結果になる事も珍しくありません。

なお、先述したようにCPUの性能などもスコア計算の対象になるため、単純なグラボ同士の性能の差だけを知りたい場合には、グラボ以外の構成を統一する必要があります。

ゲーム系のベンチマークソフトも意外と有用?

ベンチマーク専用のソフト以外に、各ゲーム用のベンチマークもグラボの性能を測る上ではかなり有用です。

本来は自分が使っているPCでそのゲームが動作できるかどうかをテストするためのソフトウェアですが、無料で利用可能である事や、結果がスコア形式で算出されるため比較し易い事、ゲームの場合にはグラボのスペックの比重が大きい事、そして解像度や描画設定の変更によって負荷のかかり方を調整できる事といった理由でグラボのスペックを測る際には比較用のデータを取るために利用される事が多いです。

国内で有名なオンラインタイトルの多くがベンチマークソフトを出しており、タイトルによって負荷の度合が分かれているため、グラボの比較を目的とした場合には3~4タイトルでテストされる事が一般的です。

ミドルからハイエンド向けの「FF14ベンチ」

ゲーム系のベンチマークソフトの中でも、特に有名なのがオンラインゲーム「ファイナルファンタジー14」のベンチマークソフトです。

ゲーム用に作られたベンチと侮る事なかれ、設定次第では最高スペックのグラボの動作検証にも使えるレベルの完成度を持っていて、3DMarkと並んでゲーミングPCブランド等の比較用にも使用されています。

現在のところ、紅蓮の解放者、蒼天のイシュガルド、新生エオルゼアなど多数のバージョンが出ていますが、総じて細かい設定が可能で、DirectX9とDirectX11の両方から選択できるなど、汎用性の高さが特徴です。

一回当たりのベンチの時間が長い(8分程度)ため、複数のデータを比較したい場合には面倒な部分が目立ってしまいますが、個人でグラボ変更前後の2枚のスコアを比較する程度であればそれほど時間もかからず設定も細かく出来るため、かなりおすすめのベンチマークソフトです。

ノートや低スペック向けの「DQXベンチ」

ファイナルファンタジーと並び、知らない人はいないレベルで有名なタイトルであるドラゴンクエストも、オンラインタイトルである「ドラゴンクエスト10」のベンチマークソフトを出しています。

FF14はどちらかというとハイスペックなグラボ向けのベンチマークといった傾向が強かったですが、こちらはそれとは打って変わって、低スペック帯のグラボ向けのベンチとなっています。

それほど負荷も大きくないため、FF14ベンチでは動作させ辛いノートPCやローエンド帯のグラボの性能を測る際にはこちらの方がおすすめです。

一方でハイエンド帯のグラボなど、スペックの高いグラボの場合にはスコアが頭打ちになり易いため、スペックを比較するというよりはゲームが動くか否かを判別するためのソフト、という側面が強いベンチマークです。

ローからミドル向けの「PSO2ベンチ」

ローからミドル帯のグラボの比較に向いているのが、国産MORPGである「PSO2」のベンチマークソフトです。

設定は大雑把な調整が出来る6段階の簡易設定に加えて、テクスチャの解像度や一部エフェクトなどが調整可能で、設定次第でローからハイまで幅広いグラボの比較に使うことが出来ます。

一方で元となっているゲーム自体は比較的軽いタイトルな上、解像度もフルHDまでしか対応していないため、ハイエンド帯のグラボのテストにはあまり向いていません。

全体的に見るとDQXのベンチマークと同様で、あくまでもゲーム動作のチェック用のソフトウェアといった部分が強いです。

おすすめは3DMarkとFF14ベンチの2つ

ベンチマークとして使うのであれば、おすすめは3DMarkのFireStrikeとFF14のベンチマークの併用です。

これらの2つの利点としては、利用者が多いため情報が非常に多い点があります。

いずれもゲーミングPCブランドのスコアから個人のユーザーが取ったデータまで、ネット上で様々な情報を得ることが出来、他のベンチよりも参考にしやすいため、グラボの交換を検討している時や、自分のグラボの性能が気になった時など、様々な場面で利用する事が出来ます。

例えば、交換予定のグラボが搭載されたPCのスコアなどもネット上で見つかりやすいため、自分の現在のPCのグラボのスコアと、変更後のPCでスコアがどう変化するのかおおよその見当を付けたい場合などにも使いやすく、グラボの交換の際の参考し易い点も利点の1つです。

まとめ

ベンチマークソフトを使うと体感では分からない差も数字となって出てくるため、グラボの変更前後などにどのくらいスペックが上がったかについてが凄く解りやすくなります。

今回紹介したベンチマークはどれも無料で入手可能なため、自分のPCのスペックが気になった人は一度ダウンロードしてスコアを測ってみてはいかがでしょうか。