グラボを長く使いたい場合にしておくといい4つの事とは?

グラフィックボード(グラボ)

ZOTAC Geforce GTX 1060 6GB AMP Edition グラフィックスボード VD6097 ZTGTX1060-GD5AMP/ZT-P10600B-10M

グラボに関連した技術はまだまだ日進月歩、日々高性能なグラボが次々と登場していますが、最新のものを常に追いかけるというのは難しいかと思います。

むしろ、3~5年程度は使い続ける気でグラボを購入する、という人も多い方も多いのではないでしょうか?

今回はそういった長くグラボを使う予定人に向けた「出来る限りグラボを長期間使えるようにするためのコツ」についてまとめました。



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長く使うならいいものを選ぶ

大前提として、ある程度の期間同じグラボを使いたいのであれば出来る限り良いものを選ぶ必要があります。

良い物と思って買った中にもハズレはあるため、すぐ壊れてしまう事もありますが、それでも安いのを購入するのとでは平均的な耐用年数は大きく変わってきます。

そして、グラボを選ぶ際に特に見ておいた方がいいポイントの1つがGPUクーラーです。

というのも、グラボ用の基板を製造できないメーカーも、GPUクーラーには自社製の物を使用しているため、そのメーカーの技術やコストの指標になるからです。

中でも気にしたいのはファン周辺の出来です。

ファンは動作中にほぼずっと稼働している部品なので他の部品よりも劣化が早い傾向があるため、この部分の耐久性をしっかりと確保しているグラボは耐用年数も長い事が多いです。



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高品質なクーラーの基準は?

高品質なクーラーを選ぶ際に分かりやすい指標になるのは、ファンのサイズと数、そして軸受けの技術です。

特にファンのサイズと数は重要で、長く使う気でいるのなら冷却性能が高くグラボに負荷をかけにくいクーラーが搭載されたものを選ぶ必要があります。

目安としてはファン自体のサイズは7~8㎝クラスがベター、ローエンド~ミドルクラスならファン1基、それ以上は2~3基搭載されたものがおすすめです。

また、ファンレスに関しては、長持ちさせる気でいるのならあまりおすすめではありません。

その他、メーカーによってはファンの軸受けにボールベアリング使用を謳っている場合があります。

スリーブベアリングの軸受けと比べると静穏性や耐久性に優れるため、こういった謳い文句の製品を選ぶのもおすすめです。

ただし、実用性よりも安定性と耐久性を重視しているメーカーの場合には、敢えて高精度なスリーブベアリングを採用している場合もあるため、選ぶ際は「スリーブだからダメ」という訳ではありません。

おすすめのメーカーはどこ?

ある程度の期間を使う気なら、おすすめのメーカーはMSI、ZOTAC、ELSAあたりがおすすめです。

特にELSAは業務用に使用されるグラボなどの販売も行っていて、定格クロックでの長期間の運用に主眼を置いているメーカーなため、長く使いたいという場合にはおすすめのメーカーです。

他のメーカーのグラボと比べると質実剛健といった作りの製品が多く、外見も飾らず、無闇矢鱈と光らない、メンテ性や耐久性、安定した動作を重視した製品が多めです。

Radeonが欲しい場合には、SHAPPHIREやPowerColorなどもおすすめです。

どちらもOC度合いは抑え目のメーカーですが、クーラーの冷えが良く、定格クロックではかなり静かな上、動作も安定しています。

長く使うための実用上の注意点は?

1つのグラボを長く使うために気を付けるのは、次のような所に気を付ける必要があります。

  • 埃やヤニが付着しないようにする
  • 基板が曲がらないように注意する
  • 無理な動作をさせない

等の点には注意した方がいいです。

特に上の2つは使っていくうちに少しづつ進行するものなので、定期的なチェックとメンテナンスが重要になります。

いずれも対策そのものは簡単なので、長く使う気でいるなら対策をしておく方がおすすめです。

基板の曲がりは修理不可の故障に繋がる可能性が非常に高く、長い間使用しておくと自然と起きやすい現象でもあるため、早めの対策を取っておくことが重要になります。

埃やヤニを付着させない

グラボの動作中は空気を吸い込むため、室内の埃などを一緒に吸い込んでしまいます。

グラボが埃を吸い込むと空気が通る経路に詰まってしまい熱が逃げにくくなるため、GPUの温度が下がりにくくなり負荷がかかる他、ファンの軸に微細な埃が入り込むと滑らかな回転を妨げてしまうため、ファンの寿命を縮めてしまう事にも繋がります。

そのため、最低でも年に1度、ワンルームなどPCとベッド・布団の類が同じ空間に存在する場合には1~2か月に一度の頻度で、掃除するのがおすすめです。

また、PCのある部屋で煙草を吸う人の場合にはヤニも付着してしまい、ヤニと埃がくっついて粘度が強くなり更に厄介なことになるため、更に注意が必要です。

埃やヤニ以外では、加湿器やアロマなどを使う場合には同様の注意が必要になります。

エアダスター以外の便利な掃除アイテム

PCの掃除を行う場合はガス缶タイプのエアダスターを使う事が多いですが、定期的な掃除をしたい場合には意外とコストがかかってしまいます。

頻繁に掃除する場合には、繰り返して使う事が出来る電動のブロワーやエアダスターを利用するのが経済的にもおすすめです。

ガス缶タイプよりも高いですが、2~3回使えば元は十分取ることが出来ます。

また、ガス缶タイプと違い、缶の温度が下がって風量が低下する事がないといった利点もありますが、動作中の音はうるさいため夜間の動作には注意が必要です。

それ以外にも、根本的に埃が入りにくくする方法として空気の入口側になるファンに換気扇用の埃取りフィルターなどを合うサイズに切り出して張り付ける方法がおすすめです。

フィルターを取り付けるだけでかなりの埃がケース内に入らなくなります。

グラボを曲げないように注意する

長い期間グラボを使うために注意したいのが、グラボの基盤を曲げないようにすることです。

マザーボードの端子がゆがんだり裂ける事も勿論ですが、グラボの自重によって基盤そのものが緩やかに曲がる事でハンダにヒビが入り、それが原因で動作不良を起こす事があります。

対策としては細い棒などを適当な長さに切ってスタンド代わりにする方法や、ケースの上側から紐や糸などで吊り下げる形にするのがおすすめです。

ただし、上方向へのテンションをかけすぎると接触不良の原因になるため、適切な高さを維持できるように工夫する必要があります。

ちなみに、ハンダに入ったヒビはオーブンによる加熱で修理する事が可能ですが、失敗する可能性も高い事とグラボに使われているハンダの種類によってはオーブン側がダメになる可能性もあるためおすすめしません。

無理な動作をさせない

これは影響自体がそれほど大きくないため、あまり気にする必要は無いのですが、グラボを長く使う事を最優先するのであれば、オーバークロックなどでスペックを引き上げるのはあまりおすすめではありません。

最近のグラボはメーカーレベルでのオーバークロック程度であればハードウェアへの負担は大きくない事の方が多いため問題ありませんが、それ以上のオーバークロックなどをする場合には要注意です。

また、「最初から定格動作で良い」という場合には先述したようにELSAのような定格動作をメインにしたメーカーのグラボを最初から買ってしまう、というのも設定なしで安定した動作が可能なため、選択肢としてはおすすめです。

まとめ

今回書いた事に限らず、基本的には負荷をかけすぎない事と、熱が籠りやすくなる事を避けるように工夫するだけでもグラボの寿命はかなり延びるため、一度買ったら出来る限り長く使いたい、可能なら壊れるまで使いたいと考えている人は試してみるのがおすすめです。

特に、ファン周り掃除はそれだけでも寿命が変わるレベルで効果的なので、定期的に確認して、埃が溜まったら軽くでも取り除くようにするのがおすすめです。