ゲーミングPCに載せるグラフィックボードの性能の目安はどのあたり?

グラフィックボード(グラボ)

玄人志向 ビデオカード GEFORCE GT 1030搭載 GF-GT1030-E2GB/LP

ゲーム用にPCを組む場合にほぼ必須といっていいデバイスがグラフィックボードですが、実際にはどのくらいの性能を持つグラフィックボードを選べばいいのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。

今回は、現行の主流世代の中からスペック帯ごとにゲーム向けのおすすめグラフィックボードをピックアップしてみました。

参考にしていただければ幸いです。



おすすめグラフィックボード製品ランキングはこちら





グラフィックボードの上位・下位を差す名称について

グラフィックボードに限らず、PCパーツなどで「ハイエンド」や「ローエンド」という呼び方を目にしたことがある人も居るかと思います。

これは「そのパーツが全体の中でどのあたりの性能にあるのか」で分けた呼び方で、今使われている主流の世代人によって呼び方は様々なので一概に「これが正解!」とは言えないのですが、概ね次のような順番で使用される事が多いです。

  1. ハイエンド
  2. ハイクラス(言わない人も多い)
  3. アッパーミドル
  4. ミドルクラス(言わない人も多い)
  5. ローエンド

といった順番に性能が下がっていきます。

ただし、ハイクラスとミドルクラスについては言及しない人も多く、ハイエンド・ミドルレンジ・ローエンドの3段階で考える人も居ます。

また、ミドルレンジ~ローエンド当たりの製品を入門用として「エントリーモデル」と呼ぶ事も有ります。



おすすめグラフィックボード製品ランキングはこちら





ハイエンドモデルのグラフィックボードで出来る事

ハイエンドモデルというのは、現在の主流世代の中で最も性能が良いもの、またはそれに追随する性能を持つものの事を差しています。

基本的にこのカテゴリに入るものは性能最優先で、価格や稼働中の消費電力の多さなどは無視しているため、ハイコスト・ハイパワーを地で行くような製品が多いです。

通常のゲームプレイに置いてはかなりのオーバーパワーになることが多く、大抵はゲーム側の推奨動作環境の更に上を行っています。

最新のPCゲームタイトルを、4K画質などの超高解像度や影やエフェクトといった描画オプションをフル使用、デュアル~トリプルモニターでの超大画面でのゲームプレイをしたい場合には、このクラスのグラフィックボードが必要になることがあります。

また、VRコンテンツをより快適かつ鮮明に楽しみたい場合などにも必要になります。

ハイエンドモデルのおすすめは「MSI GTX1080 GAMING X 8G」

MSI GeForce GTX 1080 GAMING X 8G 『Twin Frozr VI/OCモデル』 グラフィックスボード VD6060

ハイエンドモデルのグラフィックボードを選ぶ上で迷ったのであれば、MSIのGTX 1080 GAMING XがおすすめですGTX1080自体はGTX1080TiやTITAN Xpの登場で現行の主流世代の首位からは脱落こそしましたが、未だにハイエンドモデルとして遜色ないスペックと価格が下がったことによる手に取り易さを兼ね備えたモデルになっています。

中でも、MSIのGAMING XシリーズのGTX 1080は同クラスのグラフィックボードとしては珍しい若干短く、ボードサイズは28センチになっているため、取り回しがしやすいのが大きな特徴と言えます。

また、MSI製のグラフィックボードに用意されているユーティリティソフト「AfterBurner」を使う事でより細かい設定も可能になっています。

クーラーファンの駆動音についても2連ファンだからと音がうるさいという事はなく、ゲーミング向けのグラフィックボードとしては一般的な範囲の回転音になっています。

ハイクラスのグラフィックボードで出来る事

ハイクラスは、「ハイエンドほどずば抜けて高性能ではないものの、アッパーミドルとして扱うには性能が高すぎるモデル」に該当します。

このカテゴリ分けそのものを使わない人も多いため、このカテゴリに入る製品は人によってハイエンドに含まれて考えたり、逆にアッパーミドル扱いされたりと人によって評価がだいぶ異なるのが特徴と言えます。

また、新しい製品の登場でトップクラスからワンランク落ちることになった製品などもハイクラスに該当する事があります。

主なターゲットは、最新のタイトルを1920x108程度までの解像度で、かつ描画オプションを最大限利用した状態で快適にゲームプレイを行いたい場合などが挙げられます。

VRコンテンツに関しては、ハイエンドモデルほど快適とは言えないものの十分許容の範囲内であることが多いです。

ハイクラスモデルのおすすめは「玄人志向 GT-GTX1070-E8GB/OC/SHORT」

ハイクラスに相当するグラフィックボードでおすすめなのが、玄人志向が販売している「GT-GTX1070-E8GB/OC/SHORT」です。

クロック数は、GeForceのGTX1070とごくわずかに増加しただけでほぼリファレンス通りの性能になっているため、他のOC版オリジナルモデルと比べると目立つような性能を持ったグラフィックボードではありません。

ですが、このグラフィックボードの大きな利点として、他のGTX1070を使用したグラフィックボードよりも圧倒的に短い点が挙げられます。

例えば、ハイエンドモデルのおすすめで紹介したMSIのGAMING Xシリーズの全長は28センチ前後が多いのに対して、本製品の全長は18センチ強と10センチ近くも短くなっています。

どうしても大容量のケースが必要になりがちな高スペックグラフィックボードとしてはこのサイズは珍しいため、小さ目のケースしかなくてグラフィックボードを交換できなかった、という人におすすめです。

アッパーミドルのグラフィックボードで出来る事

アッパーミドルはハイエンド~ハイクラスと比べると性能は劣るものの、その分価格も抑えられているため、本格的にPCでゲームを遊びたいと思っている人や、性能の低いグラボを使っていた人が少し性能を欲張りたい、といった時にもおすすめのカテゴリです。

価格は2~4万円前後が多く、スペック面ではおそらく一番選択肢が多いカテゴリになります。

ゲーム用として考えると、ターゲットになる層は「最新のゲームをフルHDかつ中~低画質設定で遊びたい人」や「数年前のゲームをフルHDかつ高画質設定で遊びたい人」など挙げられます。

ただし、最近のゲームの中にはかなり処理の重いゲームも紛れ込んでいるため、タイトルによっては解像度を落としたり、細かな描画設定が必要になったりする事もあります。

アッパーミドルクラスは性能・消費電力・価格の3拍子が揃っているモデルも多く、ゲーミングPCに使うグラフィックボードと言えばまずはこのカテゴリから選んでいくのがおすすめです。

アッパーミドルモデルのおすすめは「MSI GTX 1060 AERO ITX 6G OC」

MSI GeForce GTX 1060 AERO ITX 6G OC グラフィックスボード VD6307

アッパーミドルクラスは、様々なグラフィックボードがひしめき合っているため、ローエンドモデルと並ぶ選択肢の多いクラスになっています。

アッパーミドルクラスでおすすめのモデルを1つに絞るのは難しいため、その中でも汎用性が高いモデルとしてMSIの「GTX 1060 AERO ITX 6G OC」をおすすめします。

特徴としては名称のITXが占める通り、サイズの小さなITXケースでも使える短めの基盤とシングルファンで動作する設計になっています。

最近のゲームタイトルを含めて、設定の調整などを含めれば殆どのタイトルでフルHD環境下での動作が見込めるスペックと、手に取りやすい価格、消費電力を持ったモデルです。

ローエンドのグラフィックボードで出来る事

ローエンドはその名称の通り、下位の一番端、性能としては最も低いカテゴリになります。

しかし、性能が大幅に抑えられている分だけ価格もアッパーミドル以上に安いため、とにかくコストを削りながらもゲームが動くPCを組みたい人や、メインのグラフィックボードにトラブルが起きたときの予備用としても人気のあるカテゴリです。

性能は低いですが、その分消費電力もハイエンドモデルの半分以下で済む点やスリムPC向けに基盤を細くしたモデルがあるなど、選択肢そのものは多いのが特徴です。

ゲーム用としてみると、数年前のゲームであればフルHDに標準的な描画オプションで遊ぶ事が出来ます。

最新のタイトルの場合には、低解像度や低画質設定にすることで動かせるものもありますが、元が重いゲームの場合には必須環境を下回る可能性もあるため、確認の必要があります。

ローエンドモデルのおすすめは「玄人志向 GF-GT1030-E2GB/LP」

玄人志向 ビデオカード GEFORCE GT 1030搭載 GF-GT1030-E2GB/LP

ローエンドモデルでグラフィックボードに悩んだら、GeForceのエントリーモデル「GT 1030」を搭載したグラフィックボードを選ぶのがおすすめです。

非常に少ない消費電力と低発熱を併せ持ちながら、無印GTX750相当のスペックを持ち、更に価格も1万円前後の製品が多いため、手に取りやすいのが特徴です。

中でも自分がおすすめするのは、玄人志向のロープロファイル対応モデルで価格も1万円を切る低価格モデルの「GF-GT1030-E2GB/LP」です。

ただし、玄人志向の製品という事で価格が安い分、カスタマーサポートの方法が独特で基本的にはトラブルは自力で解決していく必要があります。

まとめ

各クラス帯のおすすめグラフィックボードとなると、ハイエンド帯は性能が良いものを選べば良いので簡単なのですが、アッパーミドル~ローエンド帯では付加要素の差によって、おすすめ出来るモデルが大きく変わってしまいます。

また、今回のおすすめグラフィックボードを見て貰えば分かる通り、性能や価格、消費電力、付加要素を含めて考えるとどうしてもGeForceが有利になってしまう点があります。

Radeonのグラフィックボードが悪いという訳ではないため、価格が安く、気に入ったスペックの製品があるのであれば、無理にGeForceに拘らずにRadeonのグラフィックボードを使ってみるのもおすすめです。