マザーボードに取り付けられたCPUを交換する時に気を付ける事

マザーボード

Intel CPU Core i7-6700K 4GHz 8Mキャッシュ 4コア/8スレッド LGA1151 BX80662I76700K

CPUは長い寿命を持つため交換頻度こそ低いパーツですが、交換時の扱い方が雑だとCPUのみならずマザーボードが故障してしまう事も有ります。

CPU絡みのトラブルは自力でどうにかできる範囲のトラブルが少ないため基本は「トラブルを起こさない」ことが重要です。

今回はそうしたCPUの交換時にCPUやマザーボードを壊さないために用意しておくと便利なものや、もしもの時の対処法などについてまとめました。



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交換する時期

CPUの交換時期としておすすめなのは「スペック不足を感じ始めた時」などがあります。

そもそもCPUは可動部分が無いため壊れにくいパーツです。

寿命も10年使える事も有るなど他のPCパーツと比べてもかなり長い寿命を持ちます。

そのためCPUが壊れたから交換というのは意外と少ないです。

ですが、何年も使っていると少しづつ性能が劣化してくるため、定期的にCPUを変更するのは作業の効率を考えても効果的な対処法です。

また、あまり古いCPUを使い続けると対応したソケットのマザーボードが製造されなくなる事もあるため、マザーボードが故障したときにまとめて変更するのもおすすめですが、変更内容によってはメモリの変更も同時に必要になるため注意が必要です。



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そもそもCPUは壊れない?

CPUは基本的に壊れない、という意見がありますが、これは厳密には少し違います。

CPUが壊れないと言われる最たる理由はその寿命の長さにあります。

例として、ごくごく一般的な使い方かつ定期的に各部のメンテナンスをしっかりと行っている場合には概ね10年前後、長いものでは20年近く使用できる事があります。

そのため、大抵の場合はCPUよりも先にマザーボードをはじめとするCPU以外のパーツが壊れます。

逆にオーバークロックによって過負荷をかけたり、メンテ不足のまま使用を続けたりすると寿命はどんどん削られます。

メンテ不足による過負荷は一般的な使用の範疇でも十分起き得る可能性があるため注意が必要です。

例えば、夏場に冷房や換気を行わず締め切った部屋で1日中PCを稼働させていたりするとすぐに壊れることもあります。

必要な物

CPUを交換する時は、以下のようなものが必要です。

●サーマルグリス(ほぼ必須)
●グリスを拭き取るための布やティッシュ
●グリスリムーバーやエレクトロニッククリーナー

サーマルグリスはCPUとクーラーの隙間を埋めて熱伝導率を高める効果があります。

CPUに付属している新品のクーラーを使用する場合には予め熱伝導材が用意されているため必要ありませんが、中古のクーラーや別売の大型クーラーを使用する場合には必須です。

また、今まで使用していたクーラーやCPUのグリスを取り除くために不織布やティッシュなどを用意しておくのがおすすめです。

長期間使用しているCPUの場合には、グリスが硬くなっている事も有るため、再び使用する前に専用のグリスリムーバーやエレクトロニッククリーナーを併用して綺麗にグリスを落としておくようにしましょう。

古いCPUについても保管する場合には取り外した時に一緒にグリスを落としておくのがおすすめです。

CPU交換の方法

CPUの交換はメーカー問わず、現在取り付けているクーラーとCPUを取り外し、新しいCPUを取り付け、グリスなどを塗り、クーラーを取り付ける。

という流れになります。

IntelとAMDではCPUの固定の方法に差がありますが、一連の流れは全く同じものです。

CPUを取り付ける時は、両社問わずソケットの方向とCPUの方向が間違っていないか確認するようにしましょう。

IntelのCPUの場合にはソケットに切り欠きがあるため、それとCPUの切り欠きを合わせることで方向を確認することが出来ます。

AMDの製品はピンの配置とソケットの穴の配置が一致しないと取り付けられない作りになっているため、方向が一致している時はソケットとCPUが隙間なくセットすることが出来ます。

隙間が空いてしまったり、傾いてしまう場合には方向が違っているか、ピンが曲がっている可能性があります。

CPU取り付け時は「ピン曲がり」に注意

CPUとマザーボードは互いを接続するためのピンを持っています。

このピンは非常にデリケートな部品で、1本でも曲がってしまうとそれだけでそのマザーボードやCPUが使えなくなってしまいます。

ピン曲がりを防ぐためには次のような点に注意する必要があります。

●CPUを落とさない
●マザーボードのソケットに物を落とさない(特にIntel系のソケット)
●無理に取り付けない

上2つは当然ですが、3番目も意外と重要です。

特にAMD系のCPUに多いのですが、ピンが僅かに曲がっているのに気づかずに無理に取り付けようとすると直せるレベルであったものが修理不可レベルまで曲がってしまう事があります。

取り付け時に少しでも抵抗感がある場合は一度取り外してピンの状態を確認するのがおすすめです。

もし、ピンが曲がってしまったら

ピンが曲がってしまった場合、軽い曲がり方のものは自力で直すことも出来ます。

Intel系のマザーボードのソケット上のピンが曲がってしまった場合には細い縫い針などでゆっくりと修正することで修理することができ、AMD系のCPUの場合には製図用など先端が細いタイプのシャーペン(芯は抜いた状態)の先端にピンを差し込み、それを動かすことでピンの角度を修正することが出来ます。

いずれも軽度のトラブル向けの対処法なため、あまりにも本数が多かったり、曲がり方が酷い物は直すことが出来ません。

また、自力で直すのもリスキーではあるため、新品や高価なパーツを使う場合には大人しくショップやメーカーに修理を依頼した方がおすすめです。

グリスの塗り方

グリスを塗る際は薄く均一に塗る必要がありますが、これはあくまで理想であり慣れないうちに下手を打つと逆に気泡や繊維が入り込んでしまう事になりがちです。

そのため自信がない人は「グリスを直径1㎝くらい出して、CPUクーラーで圧着させて広げる」のがおすすめです。

ヘラや指を使って薄く広げる方法が推奨される事もありますが、上述のような圧着時の圧力で広げるという方法でも十分な効果が得られます。

グリスを塗るタイミングは、CPUをマザーボードに固定してクーラーを取り付ける直前に行うのが無難です。

CPU単体の状態で塗り付けるとグリスが塗られたCPUを直接触る必要があるため、手も汚れますし、場合によって落としてしまって折角塗ったものが塗り直しになる事も有ります。

また、グリスの量が足りないのだけは絶対にNGです。

逆にあまりにも多いとヒートシンクの隙間に詰まったり、グリスの種類によってはショートする可能性もあるため加減が必要です。

どうしてもグリスを塗るのが不安な人は、後述するカーボンシートを利用するのもおすすめです。

グリスとは違った注意点がありますが、グリスよりも手軽で効果もさほど違いません。

グリスが不安な人向けのアイテム「カーボンシート」

CPUにグリスを塗るのが不安という人は、カーボンシートもおすすめです。

薄いシート状の製品で、グリスとは違いCPUの表側にペタッと張り付け、その上からCPUクーラーをセットする事でサーマルグリスとほぼ同じ効果が得られます。

また、製品によっては何度か剥がして再利用もできるため、CPUを交換するたびにグリスを剥がして、また塗って、伸ばしてと行うのが面倒な人にもおすすめのアイテムです。

カーボンシートによっては微粘着性だったり、逆に非粘着性だったりと種類がありますが、基本的に毎回新品を張り直す気なら粘着性、何度も張り替えて使い続けるなら非粘着性がおすすめです。

使用時の注意点はグリスと違ってシート状なため、CPUに張り付けた後に空気を抜く必要があります。

この際にあまり強く押し付けたりしないようにすることと、隙間にゴミが入らないように注意する必要があります。

まとめ

マザーボードに取り付けられたCPUを交換する時は無理な力を加えず、とにかく丁寧に扱う事が重要です。

これは初歩的な部分ですが、非常に重要なポイントです。

逆に言ってしまえばこの点を踏まえて作業すればCPUやマザーボードを壊してしまう事はまず無いと言ってもいいです。

しつこいようですが、例外を除いてサーマルグリスは絶対に必須です。

量の割に値段も高い製品ですが、量をケチってCPUを壊していては意味がありません。

一度付けてしまえば3~5年程度は効果が持続するため「ケチるくらいなら多めに付ける」くらいの感覚で使うのがおすすめです。







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