主流ではないものの、使い勝手のいいマザーボード「MicroATX」規格の魅力とは?

マザーボード

ASRock Intel H110チップセット搭載 MicroATXマザーボード H110M-HDV

自作PCユーザーは大抵の場合、フォームファクタがATXのマザーボードを使用しますが、よりコンパクトな「MicroATX」もかなりの種類があります。

MicroATXは、ATXと比べて拡張性こそ劣るものの、その分コンパクトになっているため、省スペース用PCやサブPC、主PCが故障したとき用の予備等に使えます。

今回はMicroATXの特徴とおすすめのマザーボードについてまとめました。



今すぐ買うべきおすすめマザーボードランキングはこちら





MicroATXのサイズについて

MicroATXの基板サイズはだいたい244mm×244mmとされていて、ATXのマザーボードと比べると横幅がほぼ一緒で、縦幅が少し短い形になっています。

基本的にMicroATXのマザーボードは正方形に近いサイズですが、実際にはメーカーや製品ごとに微妙にサイズが異なるため、実際に必ずしも正方形になる訳ではなく、長方形に近いものや244mm×244mmよりも小さいサイズを持つものもあります。

また、規格としては統一されているためMicroATX規格として扱われている製品はサイズに関係なく同サイズに関連したパーツ(PCケースや電源など)が使用できます。



今すぐ買うべきおすすめマザーボードランキングはこちら





MicroATXを使う事のメリットとデメリット

MicroATXを使う場合、一番のメリットは「サイズを抑えつつ、それなりのスペック」に出来るという点です。

ATXのマザーボードと比べてMicroATXのマザーボードが劣る点は「拡張スロットの少なさ」が最も大きな差ですが、必須のものは揃っていることが大半です。

メモリスロットが2スロットしかないマザーボードも珍しくもありませんが、最近は1枚で8GBのメモリも増えているため、2スロットで16GBまでは現実的な範囲になっています。

グラフィックボードも故障率を考えると単体使用がベターな選択肢になるため、ほぼ困ることはありません。

そういった点もあって、MicroATXは以前と比べても選びやすい規格になっています。

逆にデメリットとして「後から機能拡張する」というのが難しい傾向があります。

例えばメモリもスロット数が少ないため「空いているスロットにメモリを追加して搭載メモリ量を増やす」という事がし辛くなっています。

そのため、MicroATXで組むなら最初から「このくらいのスペックは絶対に欲しい!」というラインをしっかり見据える必要があります。

MicroATXでPCを組むときの注意点

基本的な部分はATXのマザーボードと共通しているため、殆ど同じ感覚で使う事が出来ますが、電源ユニットのサイズとPCケースにその電源ユニットが積めるかという点は重要なポイントです。

特に電源はMicroATX向けのSFX電源と呼ばれるものがありますが、これはおすすめではありません。

理由は小型化のため出力が抑えられていて、それでいて割高だからです。

一般的に自作PCで使用されることが多いATX電源と比べると同じ価格でもSFX電源が300Wに対して、ATX電源では500W近く確保できることがあったり、同じW数の電源でも倍近い価格差がある事も有ります。

そのため、MicroATXでPCを組む場合は無理にMicroATX向けの規格で全て選ぶのではなく、通常のATX電源に対応したミニタワーケースを選んで、電源ユニットはATX電源を利用するのが安価かつスペック的にも余裕が出来るためおすすめです。

MicroATXでゲーミングPCを組める?

ゲーミングPCというものがどの程度のスペックの物を指すか、という点はさておき、多少の妥協(描画設定を落とす、解像度を落とすなど)が出来るならMicroATXでゲームをプレイできるPCを組むことは出来ます。

ミニタワーケースでもATX電源を使用できるものが増えていることもあり、以前と比べると小型なPCでもゲームをしやすい状態になってはいますが、小型な分冷却能力には劣るため、ミドル以上のケースよりも気にする必要があります。

ゲームの描画処理を少し抑えたり、ゲーム用途などに向いた冷却効果の高いミニタワーケースも販売されているためそういったものを使用するのがおすすめです。

とはいえ、ミドル以上のケースと比べるとやはり劣る点が無い訳ではないため、あまり長い期間プレイし続けるといった遊び方には向いていないため、比較的プレイ時間の少ないライトゲーマーにおすすめです。

MicroATXでおすすめのマザーボード「GIGABYTE GA-B150M-D3H」

GIGABYTE Intel B150チップセット搭載 MicroATX マザーボード GA-B150M-D3H

GIGABYTEが販売しているマザーボード「GA-B150M-D3H」は必要な物がしっかりと揃いつつ、販売価格も抑え目なためおすすめのマザーボードです。

メモリスロットもDDR4が4基で最大64GBまで搭載可能、SATA3が6基、M.2とSATA Expressが1基ずつと高速なストレージが使いやすいのもポイントです。

ケース次第でかなり幅広い使い方が出来るため、おすすめのマザーボードです。

チップセットはメインストリームのH170から一段階下がったビジネスモデルのB150を搭載しています。

チップセットとしては主流であるH170と比べて少し劣るB150ですが、実際にはH170との差は拡張スロットの対応本数くらいだったりします。

そのため基盤面積やケース容積の関係でそもそもスロット数が少ないMicroATXとB150は好相性です。

MicroATXでおすすめのマザーボード「ASRock H170M Pro4」

ASRock Intel H170チップセット搭載 MicroATXマザーボード H170M Pro4

マザーボードの定番、ASRockが販売している「H170M Pro4」もMicroATX規格でおすすめのマザーボードの一つです。

基本的な部分は、同じくASRock社製のATX規格マザーボード「H170 Pro4」を踏襲したものとなっていますが、MicroATX向けに一部省略されています。

主な変更点は、PCIe x1が3個から2個に減少している他、USB2.0の内部ピンが2基から1基に減少、SATAスロットが多少変更されています。

SATAスロットは、基本的な個数は変化していないですが、SATA Expressが省略された他、ATX版が基盤水平方向に端子が出ていたのに対して、MicroATX版である本製品では90度曲がったタイプに変更されています。

そのため慣れていないと取り付けに苦労する可能性があります。

また、Ultra M.2 Socketも搭載されているため、OSやゲームクライアントを導入するのに最適なM.2 SSDを使用する事が出来る点もメリットです。

価格は少し高い部類ですが、その分拡張性はATXマザー顔負けとなっており、ゲーム用途でもケース次第でかなり幅広く対応できます。

ゲーミングマザーでこそありませんが、ライト~ミドルゲーマーにもおすすめのマザーボードです。

MicroATXでおすすめのマザーボード「ASRock H110M-DVS R3.0」

ASRock Intel H110搭載 Micro ATX マザーボード H110M-DVS R3.0

格安でPCを組みたい人におすすめなのがASRockの「H110M-DVS R3.0」です。

MicroATX規格でこそあるものの、実際の基板サイズは244mm×244mmよりもはるかに小さい191mm×188mmです。

そのため小さなケースにも入るなど、コンパクトさに特化した製品です。

性能面ではチップセットはローコスト向けのH110、メモリスロットも2基と少なく、SATAスロットも4基のみでM.2 Socketなどは搭載していない非常に簡素なマザーボードです。

その分値段も比較的安価なため、ネットサーフィンやYoutubeなどでの動画の視聴、書類や文書の作成程度といったライトな使い方をする人にはおすすめです。

難点はオンボードグラフィックで使う場合、出力端子がD-sub 15ピンとDVI-Dのどちらかしかない点、事前にモニター側の端子が対応しているか確認しておくのがおすすめです。

MicroATXでおすすめのマザーボード「ASRock FM2A68M-HD+」

ASRock AMD A68Hチップセット搭載 MicroATXマザーボード FM2A68M-HD+

内蔵グラフィックにしては高性能なものを搭載しつつ、コストも安いAMDのCPUを使用したい場合には、ASRockの「FM2A68M-HD+」などもおすすめです。

対応メモリはDDR3、スロット数は2基と少なく、M.2やSATA Expressなども搭載していません。

このマザーボードの利点は、AMD製CPUに搭載されている内蔵GPUを利用できる点かと思います。

内蔵GPUの分野ではAMDは中々優秀で、動作再生やDVD、ブルーレイの視聴などでは内蔵GPUでも十分こなすことが出来るため、動画系のコンテンツが好きな人にもおすすめのマザーボードです。

また、CPUそのものの価格という意味でも、ローコストで導入できる利点があります。

ゲームに関しては内蔵GPUではさすがに限界がありますが、それでも上位のCPUを搭載すれば、古いタイトルならオンラインゲームでも安定して動作します。

最近のゲームを遊ぶ予定がなく、5年以上前のタイトルを長く遊ぶ予定がある。

という人にもおすすめのマザーボードです。

まとめ

自作PCの分野ではマザーボードに使うのはATXが主流のためか、どうしても下位の製品として見られがちなMicroATX規格のマザーボードですが、用途によってはMicroATXでも十分な事は珍しくありません。

実際に探してみると意外と種類も多く、拡張性もMicroATXだからと馬鹿に出来ないほどよくできていて、それでいながら価格もATXほどは高くないなど小さいからこその利点もたくさんあります。

コンパクトかつそこそこのスペックのPCを少しでも安く組みたい、という人は一度MicroATXのマザーボードで組むことを考えてみるのもおすすめです。







マザーボード