動かないグラボを復活させる?グラボの掃除方法と道具

グラフィックボード(グラボ)

GIGABYTE グラフィックボード Geforce G210 1GB PCI-Express GV-N210SL-1GI

使えなくなったグラボ、すぐに壊れてしまったと断定するのは早すぎます。

グラボに限らずPCパーツは掃除すればまだ使える、という事が珍しくありません。

PCみたいな精密機械の掃除なんて素人がやって大丈夫なの?

と感じてしまう事があるかもしれませんが最低限の注意さえすれば、掃除が原因で使えなくなることはまずありません。

とても簡単なので、グラボの様子がおかしいという人は一度チャレンジしてみて下さい。



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グラボは掃除すればまだ動く可能性があります

PCの動作がおかしくなってしまった時、場合によってはグラボ内を掃除することで動作が安定する事があります。

グラボが原因で起きやすいトラブルとしては、ゲームをはじめとする「グラボに対して負荷のかかる処理」を行っている時に発生しやすい傾向があります。

逆に言えばグラボが低負荷で動作しているのにこれらのトラブルが起きる場合には他のパーツが原因の可能性があります。

また、グラボが原因で起きるトラブルは様々で、代表的なものでは

●ゲームなどの場合にはアプリケーションの強制終了
●PC自体が強制終了される
●ファンの回転数が異常に高くなる(音が大きくなる)

などがあります。

ただし、ファンの回転数に関しては少し異なっていて、グラボ自体の設定により、動作は安定していて回転数だけが上がっている状態になっている可能性があります。

動作自体におかしな点が無い場合には先にファンコントロール系の設定を確認するのも重要です。

グラボの掃除と強制終了の関係性について

PCそのものの強制終了がグラボの掃除で解決するなんてあり得るのか?

と感じられる人も居るかもしれませんが、これにはしっかりとした関係があります。

グラボが原因で強制終了が起きる場合大きく分けて2つの可能性が考えられます。

1つは、熱暴走による安全措置としての強制終了です。

グラボの熱暴走の場合、最初に考えられるのが埃の堆積による冷却性能の低下です。

高負荷時にトラブルが起きる、という場合は殆どこちらが原因です。

もう1つは、グラボ自体がすでに壊れていて正常な動作が出来ないため、安全措置のようなものが作動している場合です。

ただし、グラボは壊れにくいという点を考えると、こっちのトラブルが起きることはかなり稀です。

この場合は基本的にいくら掃除をしようがクーラーを取り換えようがトラブルの解決には繋がりませんが、グラボを別の物に交換してしまえばそれで問題は解決するため、ある意味こっちのトラブルのほうが簡単かもしれません。



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グラボの掃除にあると便利なもの

グラボの掃除をする場合は、予め次のようなものを用意しておくと作業が効率的に行えます。

●エアダスター(ガス缶タイプなど)
●爪楊枝
●綿棒

などを用意しておくのがおすすめです。

特にガス缶タイプのエアダスターに関しては、PC周りの掃除をするときには必須と言っても過言ではありません。

ホームセンターやPCパーツショップなどで数本セットで売られているため、常に常備しておくのおすすめです。

目安として、グラボのみを掃除する気なら1~2本、PC全体をまとめて掃除するのなら3~5本程度用意しておくと後から足りないという事は起きにくいです。

また、エアーを連続して噴射すると、缶が冷えて(触って分かるほど冷えます)噴射力が大きく下がります。

これを防ぐために複数本用意してローテーションさせて使うと効率的に掃除を進めることが出来ます。

爪楊枝と綿棒に関しては、ヒートシンクの細い隙間やファンの羽根部分についた埃を取るのに便利です。

また、ファンだけを取り外すことができるタイプの製品を使っている人は、ファンの羽根の部分をウェットティッシュや無水アルコールをしみ込ませたティッシュなどで直接吹いてしまうのも効果的です。

グラボの掃除の方法

グラボの掃除といっても、溜まった埃を取り除くことが大半のため難しい事は何もありません。

主に掃除するのは、ヒートシンクの隙間とファンに付いた埃で、基板や端子部分に関しては、エアダスターなどで埃を飛ばす程度で十分です。

また、マザーボード側のPCIe端子の部分に空気を吹き付ける際は角度に注意しましょう。

垂直方向から強い力で噴きつけると、逆に端子の奥へ入ってしまい取れなくなってしまう事があります。

ヒートシンクに関しては、長く使っていると自然と隙間部分に埃が詰まってしまいます。

ヒートシンクの隙間に埃が詰まると、熱を交換する能力が大きく低下するため、しっかりと取り除くようにしましょう。

ファンに関しては、オリジナルモデルに採用されているプロペラファンは埃自体が大きくファンの効果を下げる意味はありませんが、回転の妨げになったり、隙間からモーター部分に入り込んでしまい動作不良や異音の原因にもなるため、羽根部分についた埃は取る必要があります。

掃除はカバーを外して行うとやりやすい!

グラボのクーラー部分には何らかのカバーが付けられています。

そのため、掃除しようと思っても、そのままで上手くアプローチ出来ない事が大半です。

効率的な掃除を行うためにはカバーを固定しているネジを取り外す必要がありますが、この時にいくつか注意しなければならない事があります。

1つめはカバーを外す時は余計な力を加えずに静かに外すことです。

グラボの中にはカバー部分がファンの基部を兼ねている製品があります。

ファンへの電力供給用のケーブルが繋がっている事があるため、勢いよく外すとケーブルが結線する恐れがあります。

また、リファレンスモデルの場合には、ファンが空気を吸い込み、ヒートシンクを抜けて外に排出される、という一連の流れを生み出すための通路としての意味があるため、無闇に取り外したまま動作させるのは控えるようにしましょう。

リファレンスモデルのグラボを掃除する際の注意点

グラボのうち、リファレンスモデルを掃除する場合にはオリジナルモデルのグラボ以上に注意が必要です。

リファレンスモデルに採用されているファンは他のパーツや環境に影響されずに一定の性能を発揮しやすい反面、風量自体は少ないという弱点があります。

そのため、埃の量が少ない状態でも影響が強く出易く、オリジナルモデルでは気にならないレベルの埃の量であっても冷却性能が低下してしまいます。

リファレンスモデルの掃除をするときは、ファンの隙間に詰まった埃をしっかり取り除くことを重視するのがおすすめです。

また、カバーに覆われている面積が多いため、基本的にはカバーを取り外しての掃除が必要になります。

埃が手ごわい時は…

ヒートシンクの深い所まで埃が詰まってしまった場合、爪楊枝やエアダスターを使う程度では太刀打ちできない事があります。

そういった場合にはヒートシンクを取り外して丸洗いするのもおすすめです。

この場合、予め用意しておくものとして、

●対応したドライバー
●サーマルグリス
●パーツクリーナー(電子部品用)

などが必要になります。

グラボのヒートシンクはCPUクーラーと同じようにグリスで隙間を埋める形で圧着されネジで固定されています。

このネジは、ヒートシンクが付いてる面と反対面に4か所ほど取り付けられている事が多く、スプリングで常に一定のテンションがかかるようになっているものもあります。

スプリングが挟まれている場合には、分解時に無くさないように注意しましょう。

グラボからヒートシンクが取り外せたら、丸洗いするもよし、金属ブラシで隙間の埃を取り除くのもおすすめです(GPUと接する面には傷をつけないように注意)。

また、たばこのヤニがこびりついている場合にはこれでも落とせない事があります。

そういった場合はヤニ取りクリーナー液に浸して数時間~1日くらい放置するときれいになることがあります。

ヒートシンクの掃除が終わったら

ヒートシンクをまるまる取り外して、綺麗にすることが出来たら再び取り付ける必要があります。

とはいえ、まずはヒートシンクの周りや小さな隙間に水が残っていないかチェックしましょう。

水を取り除くのは乾かす以外にもエアダスターで噴き飛ばすのも効果的です。

次にGPU表面に付いたグリスを取ります。

取り外した時点でグリス再利用は難しいのでここは諦める必要があります。

パーツクリーナーをティッシュに染み込ませたりして、GPU表面を優しくこすると大抵は綺麗に取れます。

次に新しいグリスを塗りますが、基本はCPUと同じ塗り方で問題ありません。

ヒートシンク側に軽く塗って表面をふき取り、GPU側は中心に点で置くようにしてヒートシンクで圧着して広げるようにしましょう。

あとは分解したときとは逆の手順で固定します。

固定の時はしっかりと付くように注意しましょう。

GPUとヒートシンクに隙間が空いているとそれだけで効率が大幅に低下します。

まとめ

グラボは、性能面に不満が無いのであれば掃除やメンテナンスを定期的に行い冷却性能を維持することで10年近く使う事が出来ます。

動作がおかしくなった時、直ぐに交換してしまう方がはるかに簡単なのは当然ですが、時間に余裕があるのであれば掃除してみるのもおすすめです。

掃除や分解で得られる自作の知識も馬鹿には出来ないため、一度はやってみることをおすすめします。