質実剛健?ELSAのグラボの魅力はどんなところにある?

グラフィックボード(グラボ)

ELSA GeForce GTX 1050 2GB S.A.C グラフィックスボード VD6216 GD1050-2GERS

ゲーム用であるか否かに関係なく「過度なOCは要らない、クロックは定格でも十分」という意見の人も少なくないかと思います。

そういった人たちにおすすめしたいのが、安定性と信頼性を重視した定格動作に重点を置いたELSAのグラボです。

今回は、質実剛健なグラボを作るメーカー「ELSA」とそのグラボの魅力についてまとめました。



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組み込みにも使用される信頼性の高い製品が魅力?

ELSAはグラボを販売しているメーカーではありますが、ゲーム用のPCに使うグラボとしてはそれほど名前を聞かないように感じる人も多いかと思いますが、これはある意味では当然のことです。

というのも、ELSAの製品を多く使用しているのは個人ユーザーではなく、組み込み向けに企業などが大半を占めていて、ELSA自体も組み込み用途向けに比重を置いているからです。

しかし、だからといって個人ユーザー向けの製品はオマケで販売されているとか、組み込み用に使用されなかった質の悪いグラボを流しているといった事は全くなく、むしろその逆の「組み込み用途で培われた技術」を活用した信頼性の高いグラボを作っているのが大きな魅力の1つになっています。



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ELSAのグラボは定格クロックが主体

ELSAのグラボの面白い点として、全ての製品がリファレンス版と同じクロック、つまり定格で動作する事を前提とした設計になっている、という点があります。

そのため、他社製のメーカーレベルでのOCが施されたグラボと比べると、単純な性能は劣ります。

しかし、だからといってリファレンスと何も変わらないのかというとそうではなく、クーラー周りの強化や、基盤の再設計、カバーデザインの工夫などをする事で、リファレンス相当の性能を無理なく引き出す事が可能になっている他、冷却をするクーラー側のスペックにも余裕を持たせた設計になっています。

また、詳しくは後述しますが、あくまでも「OCされたモデル」が無いというだけであり、ゲームユーザー向けのモデルが無いという事ではありません。

個人ユーザー向けの選べる3つのシリーズ

ELSAでは、リファレンスデザインそのままのモデルであるFounders Editionの他に個人ユーザー向けのグラボとして、以下の3つのシリーズを展開しています。

  • GLADIAC
  • S.A.C
  • ST

の3つのシリーズを展開しています先にも書いた通り、どのシリーズでも動作クロック自体はGPU本来の動作クロックそのままですが、搭載しているクーラーの方向性などによって、向いている用途が分かれています。

GLADIACは例にもれず定格動作ではありますが、基板の再設計による耐久性の向上など、他社のシリーズで言うところのゲーム向けのOC系ハイエンドシリーズに相当するシリーズです。

S.A.CはGLADIACとは異なり共用基盤を使用していますが、コストパフォーマンス重視のシリーズで、ELSAの個人向け製品としては基軸となるシリーズです。

STは、上二つのシリーズとは少し異なり、リファレンス同様の外排気式のクーラーを搭載したシリーズでリファレンスからの代替用や、空冷のままSLIを採用する場合にもおすすめのシリーズです。

ゲームユーザーならGLADIACがおすすめ?

ゲームに使うグラボとして欲しいという場合には、GLADIACが一番いいのかな?

と思いがちですが、ELSAの3シリーズは性能面では上位・下位といった分け方が出来るものではないため、用途に合わせて選ぶのがおすすめです。

基本的には、ハードに使うならGLADIACシリーズ、普通に使う程度ならS.A.Cシリーズという考え方で十分です。

また、最近ではS.A.Cシリーズで十分完成度が高いからか、そちらの実に絞っているモデルもあります。

STシリーズに関しては、外排気という性質があるため、ケースが小さ目の人や他のデバイスを使用するためケース内部が狭い人向けです。

また、リファレンスに非常に近いデザインになっているため、「元々リファレンスを使っていたのでそれに近いグラボが欲しい」という人にもおすすめです。

その中でもあえて選ぶとすれば、GLADIACシリーズが3シリーズの中でもっと長い3年の保証期間が用意されているため、「予算に余裕がある」かつ「ケース内の容量に余裕がある」という人にはGLADIACシリーズをおすすめします。

一番の難点は「価格の高さ」?

高い信頼性を持つ上、保証期間が非常に長いため、一度買ってしまえばそれなり以上に長い期間使えるのが魅力のELSAのグラボですが、その分グラボ1枚当たりの価格は他のメーカーと比べて割高な傾向があります。

特に、比較的低価格路線として知られているZOTACや玄人志向と比べると安いグラボで2,000~3,000円程度、ハイエンドなど高価なグラボの場合には5,000~8,000円近く高い場合があります。

特に、最新のモデルになると割高になりやすい傾向があるため、最新モデルが欲しいという人は多少損する事を覚悟する必要があります。

なお、S.A.Cシリーズに関してはコストパフォーマンス重視というだけあって他2シリーズよりもかなり価格が抑えられているため、「安く、信頼性が高い物が欲しい」という場合にはこちらのシリーズを選ぶのがおすすめです。

ELSAでおすすめのグラボ「GeForce GTX1050 2GB S.A.C」

ELSA GeForce GTX 1050 2GB S.A.C グラフィックスボード VD6216 GD1050-2GERS

始めてPCを自作するという人や、それほどハードにPCを使わないという人におすすめなのが、Nvidiaのエントリー向けGPUであるGTX1050を搭載した「GeForce GTX1050 2GB S.A.C」です。

ELSAの他の主流世代のグラボと違い、取り扱いやすいショートサイズの基盤を使っているため、ケースが小さい人や始めてPC内部をいじる人でも取り回しやすいのが特徴です。

コストパフォーマンスを重視して低価格に抑えられているS.A.Cシリーズの製品なため、ELSAのグラボとしてはかなり手頃な価格に収まっている点もポイントです。

低価格路線と言っても、基本はELSAなため、高耐久・高信頼性という点は変わりなく、保証期間も2年用意されています。

用途としては、低~中負荷のゲーム(オンライン、3D等問わず)を遊ぶ人や、3画面まで多画面出力したい人向けのグラボです。

ELSAでおすすめのグラボ「GeForce GTX1060 6GB S.A.C R2」

ELSA GeForce GTX 1060 6GB S.A.C R2 グラフィックスボード VD6415 GD1060-6GERS2

ミドルクラス帯のグラボが欲しい人には、「GeForce GTX1060 6GB S.A.C R2」がおすすめです。

R2という名称の通り、旧来の同名製品とは一部の仕様が異なっています。

初代同製品との大きな違いとしては、3GBモデルが無くなった事と3基搭載されていたDisplayPortの端子が1基に減少するなど、若干の簡略化が図られているものの、それ以外の点はほぼ変化がないため、マルチディスプレイをしない、という人ならR2になったからと言って困る事は殆どないため、心配はいりません。

また、ツインファンタイプのクーラーを搭載していますが、1基辺りの直径が小さ目に設計されているため、全長は215mmとかなり抑えられているのが特徴です。

「サイズは小さ目が良いけど、シングルファンの製品は排熱が不安」という人や、「1050や1050Tiでは性能が少し不安という人」におすすめのグラボです。

ELSAでおすすめのグラボ「GeForce GTX1080 8GB GLADIAC」

ELSA GeForce GTX 1080 8GB GLADIAC グラフィックスボード VD6117 GD1080-8GERXG

ハイスペックなグラボを確実に動作させて、長期間運用したい、フルHD以上の画質でゲームがしたいという人にはNvidiaのハイエンド向けGPUであるGTX1080を搭載した「GeForce GTX1080 8GB GLADIAC」がおすすめです。

定格動作という仕様上、性能面では他社製品に劣ってしまう事が多いELSAのグラボですが、このクラスまでくると定格動作でもかなりの性能を発揮するため、スペック面で困る事はまずなく、フルHD以下の環境ではスペックを持て余してしまう事のほうが多いほどです。

また、GLADIACシリーズの特徴として、他の製品よりも保証期間が1年長い3年保証のため、次のグラボに交換するまでの長い期間も安心して使う事が出来るようになっています。

なお、注意点として安定性を重視するため、定格動作でありながら補助電源が8ピンから8+6ピンに増強されています。

動作に必要な電力自体はそれほど変化せず、必要な電源容量にも大きな差はありませんが、ピンの本数が足りないと動作しないため注意が必要です。

まとめ

ELSAはクロック周りの数値をいじる気が無い、という人には個人的には一番おすすめしたいグラボメーカーです。

特にGLADIACシリーズは保証期間が3年と長く、おおよそ新しいグラボに切り替える間くらいまでは保証を受けることが出来るため、グラボを長時間かつ激しく使う事が多いゲームユーザーにもおすすめのメーカーです。