AMD社製グラフィックボードの最新情報「Polaris(ポラリス)」って何?

グラフィックボード(グラボ)

MSI Radeon RX 480 GAMING X 8G グラフィックスボード VD6126

「Polaris(ポラリス)」とは、2016年に発売されたAMD社製グラフィックボードの新アーキテクチャ(基本設計)です。

ちなみに「Polaris」は英語で「北極星」を意味します。

現在、GPU(グラフィックチップ)市場でAMDのシェアは3割あるかないかです。

ライバルのNVIDIAに相当な差をつけられています。

そのような退勢を挽回すべく、AMD社は市場にPolaris世代のGPUを投入しました。

今回は、その「Polaris世代のGPU」にスポットをあて、あなたに紹介したいと思います。



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Polaris世代のグラフィックボードとは

Polaris世代のグラフィックボードは、製造プロセス技術に14nmを採用しています。

従来の28nmプロセス技術を採用したGPUに比べ、電力効率が飛躍的に向上しています。

前世代の製品に比べてワット当たりのパフォーマンスはおよそ2.8倍まで改善しています。

一般的に製造プロセス技術を小さくできれば、消費電力と製造コストの削減も期待できます。

映像出力端子にDisplay port×1、HDMI 2.0×1、DVI-D×1を装備し、マルチディスプレイ環境も容易に構築できます。



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Polaris世代の製品カテゴリー

現在、Polaris世代の製品は、3つのカテゴリーに分類する事ができます。

上位機種から順にRadeon RX 480、Radeon RX 470、Radeon RX 460となっています。

Polarisには2種類ある

Polarisには「Polaris 10」と「Polaris 11」の2種類のGPUコアがあります。

Radeon RX 480とRadeon RX 470は「Polaris 10」コア,Radeon RX 460は「Polaris 11」コアを採用しています。

「Polaris 10」と「Polaris 11」の性能を比較すると、2倍程度の差があります。

しかし消費電力を比較すると、「Polaris 11」が「Polaris 10」の約半分です。

つまり、消費電力よりも性能を追求したい人は「Polaris 10」を、性能はそこそこでもいいから消費電力やコストを重視したい人は「Polaris 11」を選択する事になります。

Polaris世代のハイエンドクラス

Radeon RX 480は、Polaris世代のハイエンドクラスに位置づけられます。

2560×1440の解像度に最適化した状態でゲームをプレイするのに適したGPUです。

このクラスのGPUだと重いゲームでもサクサク動かす事ができます。

また、このグラボ(グラフィックボード)を使用すればVRも体験できます。

VRとは、PC上に仮想的な空間を作り出し、あたかもそこにいるかの様な感覚を体験できる技術です。

ちなみに「VR」はvirtual reality(バーチャルリアリティ)の略です。

このようにハイスペックな機能を装備するRadeon RX 480ですが、実売価格は3万円前後です。

性能を考えると驚きのコストパフォーマンスと言えます。

製造プロセス技術を14nmにした効果が出ています。

TDPも150Wと、このクラスの製品としては低く抑えられています。

Polaris世代のミドルクラス

Radeon RX 470は、Polaris世代のミドルクラスに位置づけられます。

1920×1080の解像度に最適化した状態でゲームをプレイするのに適したGPUです。

性能は、Radeon RX 480の8割程度です。

ミドルクラスとはいえ、RX 480に近いスペックを持っています。

実売価格は、2万円強です。

TDPも120WでRX 480よりも低く抑えられています。

Polaris世代のエントリークラス

Radeon RX 460は、Polaris世代のエントリークラスに位置づけられます。

コストパフォーマンスを追求したモデルで、e-Sportsのような軽いゲームなら容易にこなす事ができます。

スペックは、RX 470の約半分といったところです。

しかし、ゲーム以外の用途に限れば、動画再生を含め、余裕で処理する性能があります。

TDPも75Wとかなり低く抑えられており、価格も1万円強とかなりコストパフォーマンスを重視したモデルとなっています。

消費電力も低いため補助電源は不要です。

おすすめのグラフィックボードベスト3

前述した通り、Polaris世代のGPUには、RX 480、RX 470、RX 460の3タイプがあります。

しかし、最も汎用性が高いモデルはRX 460だと思います。

ゲームはしないが、マルチディスプレイで精密な画質を楽しみたいという需要は、今後益々高まるでしょう。

そのようなわけで、今回はRX 460シリーズからおすすめのグラフィックボードを3つ選んでみました。

MSIRadeonRX4602GOCVD6130

MSIらしく非常にスタイリッシュな製品です。

最大の特徴は、ボードの長さが172mmのショートサイズという点です。

よって小型PCにも取り付ける事ができます。

大型のアルミヒートシンクを大口径の90mmシングルファンで冷却するシステムを採用しています。

高負荷時時でも本体の温度は、70度未満と安定しています。

大口径のファンを採用しているため、音も非常に静かです。

実売価格は13000円程度です。

SapphireSA-RX4602GD5OC001

前述したMSIのグラボと比べると、やや無骨な感じがする製品です。

やはり、90mm径の冷却ファンを2つ装備しているのが要因でしょうか。

ただ大口径の冷却ファンを2個備えているため、高負荷時でも本体の温度は60度以下に抑えられ音も静かです。

本体の温度は、製品の寿命にも影響するので大きなポイントです。

実売価格は12000円程度です。

GV-RX460WF2OC-2GD

GIGABYTE ビデオカード AMD RADEON RX460搭載 GV-RX460WF2OC-2GD

GIGABYTE 社製のグラボです。

こちらは80mmファンを2機搭載しています。

GPUの負荷や温度が一定より低い場合は、ファンの回転がオフになる設定です。

またソフトウェアを利用し、ワンクリックでオーバークロックできます。

他にも、高品質のコンデンサを使用し長寿命を実現しています。

その分、実売価格は15000円程度と、このクラスではやや高めの設定となっています。

実際に購入した製品

さて、前述した3つの製品のうちから私が購入したのはMSIRadeonRX460VD6130です。

コンパクトで、グラボの増設にありがちなケースとの干渉を心配する必要がありません。

グラボ自体の見た目も良いので、この製品を購入しました。

使用した感想

小型でかつ補助電源も不要なので、増設する時も楽でした。

セミファンレスではないので、アイドル時でもファンは回転しています。

しかし大口径ファンを装備しているので音も静かです。

アイドル時の消費電力は28wとかなり低く抑えられています。

やはり重いゲームやVRは厳しいようです。

しかし、軽いゲームならサクサク動きます。

動画の再生では、シャープで鮮やかな映像をマルチディスプレイで楽しむ事ができます。

13000円程度の出費で、高解像度のマルチディスプレイ環境を手に入れる事が出来たので大満足でした。

PCを新しく買う事も考えていたのですが、後5年は購入を控えたいと考えています。

まとめ

AMD Radeon 400 シリーズは、製造プロセス技術に14nmを採用したため、消費電力と製造コストの削減に成功しています。

以前は、消費電力の大きさと騒音でゲーマー以外には、敬遠されがちだったグラフィックボードですが、高性能かつ低消費電力の製品もリリースされるようになり見直しが必要な時に来ていると感じました。

この記事が、製品購入の際の参考になれば幸いです。