GTX1080を搭載したグラボが今後値下げされる可能性はどのくらい?

GeForce GTX1080

GTX1080は前世代のハイエンドモデルよりも一段抑えられた消費電力を有していながら、スペックはこれまでのグラボよりもはるかに高いという良いとこ取りなグラボですが、その分だけ価格は相応に高く、おいそれとは手が出し辛い面があります。

今回はそんなGTX1080が今後値下げされる可能性や、安く買いやすいタイミング、安く買う際の注意点についてまとめました。






グラボが値下がりするパターンは大きく分けて2つ

グラボの販売価格が値下がりするパターンとしては、大きく分けて2種類存在しています。

1つはグラボの販売されている数に対して買う人の数が大きく少なくなってしまったことによりセール品などに組み込まれる供給過多の状態です。

このパターンは一過性の物が多く、タイミングを逃してしまうと基本的に2度はめぐり合う事が難しいため、安くなると一気に在庫が無くなり、いつも通りの価格に戻ってしまう傾向があります。

そして、もう1つはマイナーチェンジや新世代モデルの登場によって型落ちになってしまったグラボが在庫処分品として安く売られるタイミングです。

こちらは、新世代のチップを搭載したグラボが本格的に発売されるようになって以降徐々に値下がりする傾向があり、半値近くまで下がる事も珍しくありません。






GTX1080の供給過多は起きない可能性が高い

GTX1080を搭載したグラボの値下がりを狙うには供給過多か型落ち後か、どちらかのタイミングに合わせて狙いを絞る必要があります。

しかし、現状は供給過多による値下がりを狙う事はほぼ不可能と言っていい状態です。

その大きな理由として、仮想通貨の登場とグラボを構成する部品の値上がりがあります。

特に、仮想通貨の採掘用としての需要は一時ほどの隆盛こそないものの未だに多く、販売枚数に制限をかけるショップも出ているなど需要はまだまだ衰えていません。

また、新興国のスマホ需要の増加などにより、グラボを構成するチップ以外のメモリーなどの部品の値段がこれまでよりも高騰しているため、製造コストを下げる事も難しくなっています。

そういった背景もあり、供給過多はおろか、現状はむしろその逆の供給不足に近い状態になってしまっているため、供給過多による値下がりを狙う事は出来ません。

型落ちして安くなる可能性は今後十分にある

供給過多による値下がりは期待できない一方で、GTX1080が型落ちした事によって販売価格が下がる可能性については十分に期待できます。

大きな理由の1つとして、次世代アーキテクチャであるVoltaが正式に発表された事があります。

Nvidiaでは、新しいアーキテクチャが登場した際にはまずワークステーションやスパコンといった研究分野向けや企業向けの製品として販売し、その後ある程度こなれた頃にゲーミング向けのモデルの発売とすることが多いため、まだまだ先は長いですが、Volta世代以降のGPUを搭載したGTX2000シリーズが登場する可能性はかなり高くなってきています。

新しい世代のグラボが登場すればGTX1080も型落ちになり、自然と値下がり傾向に進んでいく可能性は十分にあると言っていいです。

新世代グラボの時期自体は未だ未定

では、新世代のグラボが発売されるのはいつ頃なのか?

というと、殆ど情報が出ていないため推測することが出来ません。

先日、Nvidiaによる新機種発表などを兼ねたGTC2018が開催され、同社の新技術等についても発表されましたが、多くはスパコン関係の技術やワークステーション向けのカードの発表になっており、これまでのGTCで最も大きな盛り上がりを見せる事の多かったゲーミング関係の発表については行われませんでした。

そのため、ユーザー間で「そろそろ発表されるのでは?」と噂されているVolta世代以降のモデルとなるGTX2000シリーズのスペックや発売時期についても未だに不明なままになってしまっています。

一方で、Volta世代のQuadroが発表されたため、今後Volta世代のゲーミング向けのグラボが登場する可能性そのものは今も期待できる状態です。

型落ち後に注意したい事

型落ち後に値下りしたGTX1080を買う場合に注意したいポイントとして、新世代との性能差がどのくらいあるのか発表されるまで分からないという点があります。

Nvidiaから発売されるゲーミング用のグラボは、現行世代の80番台が新世代の60番台に近いスペックになる事が多いため、今GTX1080の値下がりを狙っているのであれば、GTX2000シリーズが登場した際に比較する対象はGTX2060が妥当と言う形になりますが、それも過去の例から見た予想であり、GTX2000シリーズで更に性能を上げてくる可能性も否定はできません(微細化の限界があるため確率は低いですが)。

また、新世代モデルが発表されると今後はその世代の性能に合わせたゲームが登場するようになります。

そうなると、GTX1080の性能では描画能力が追い付かなくなる可能性もあります(単純にゲームを動作させるという意味ではGTX1080でも数年は安泰な可能性が高いですが)。

そのため、新世代のグラボが登場したことによってGTX1080が値下がりしたからと言ってすぐに飛びつくのではなく、まずは新世代の性能をチェックしたりして様子見するのがおすすめです。

ただし、型落ちして値下がりした後、在庫分が無くなった際は徐々に価格が上がる傾向があるため、注意が必要です。

GTX1080は型落ち後も使いやすい

型落ち後に懸念される事の1つに性能の差がどの程度存在しているのか、と言う点があるという事は先にも書いた通りですが、GTX1080に関しては型落ちした後でも比較的扱いやすいグラボです。

前世代の近いスペックのグラボを使用する場合の発生し易いデメリットとして、消費電力の差がありますが、幸いな事にGTX1080は省電力設計になっているため、このデメリットは受けづらい傾向があります。

また、性能に関しても1世代繰り上がると1~1.5ランク下がる程度の差が生まれる事が多いため、新しい世代の高スペックなグラボが登場した後でもGTX1080のようなハイエンドクラスの高い処理能力があれば新しい世代のグラボが登場した後でも当分の間はミドルクラス相当のグラボとしての性能が期待できます。

こういった事も考えると、型落ちした後にGTX1080の導入を検討するのも決して悪い選択肢ではないと言っていいレベルです。

短期的・局所的な値下がりが起きる可能性はかなり高い

いつ来るか分からない型落ちを待つのではなく、比較的早い段階で値下がりを期待したい人にはごく少数かつ超短期的に登場する訳アリ品を狙うという方法がおすすめです。

訳アリ品とはいっても、本体の動作に問題があったりするのではなく、箱にキズやヘコミといった損傷がある物などがほぼ100%を占めているため、本体さえ使えればそれでいい、と言う人は十分満足できるものになっています。

このタイプの値下がりのネックとして、いつ起きるのかが全く予想できない点と販売数自体が少ないためすぐになくなってしまう点、値引き率にはそれほど期待できないという点があります。

特に値下がり品の販売がいつ起きるのかについては分からないため、比較的訳アリ品のセール販売が多い販売代理店直営のショップなどを細かくチェックしておくのがおすすめです。

中古品は避けた方がベター

GTX1080を低価格で買う方法の1つとしては、値下がりを待つ方法の他に中古品で手に入れるという方法が考えられますが、基本的にはおすすめしません。

正直な所、ローエンドクラスのグラボであれば用途そのものがかなり制限されるため中古品でもそれほど問題になる事はありません。

しかし、GTX1080のようなハイエンドクラスの場合には様々な用途があるため、以前のユーザーがどのように使っていたのかがわからない事が大きなネックになります。

例えば、仮想通貨の採掘のために使われていたのであれば、24時間連続稼働をし続けている可能性や、パワーリミットの設定を何もせずに使われ構成部品が疲弊しているといった可能性も少なくありません。

そのため、中古品での入手に関しては極力控えるのがおすすめです。

まとめ

GTX1080は今後新しい世代が登場する事によってハイエンドクラスの座からこそ転落する可能性がありますが、それでも性能に対する消費電力の低さや既に成熟しているからこその完成度の高さなど、魅力は尽きないと言っても過言ではありません。

GTX1080を搭載したグラボはまだ若干高価なため手が出し辛い人も多いかとは思いますが、値下げを待って買う事を検討してみるのもおすすめです。







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