MSIから出ているハイエンドモデル「GTX1080 ARMOR 8G OC」はどんなグラボ?

グラフィックボード(グラボ)

MSI GeForce GTX 1080 ARMOR 8G OC グラフィックスボード VD6193

MSIのグラボと言えば、赤と黒のツートンカラーが特徴的なGaming Xシリーズが有名ですが、それ以外にも「ARMOR」というシリーズが存在しています。

Gaming Xシリーズの影に隠れがちな面があるシリーズですが、こちらもMSI製品と言う事で品質は高くおすすめのシリーズの1つです。

今回はそんなARMORシリーズのGTX1080搭載グラボの実力についてまとめました。



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GTX1080 ARMOR 8G OCってどんなグラボ?

GTX1080 ARMOR 8G OCはMSIから発売されているグラボシリーズの1つ、ARMORシリーズに該当するグラボで、GPUには主流世代のハイエンドモデルの1つであるGTX1080を搭載した高いスペックを持ったグラボです。

基本的な部分は概ねいつものMSI製といった感じが強く、若干大きめのサイズのグラボ本体に、2基の大型ファンを備えたGPUクーラーという構成になっています。

一方で、ハイエンド系のPCパーツに多い装飾用途のLEDなどは一切搭載しておらず、本体もデザインこそ独特なものでこそあるものの、カラーリング自体は黒を主体に白が随所に使われたモノトーン系のカラーになっているなど、外見は地味めな印象を受けるものになっているのが特徴の1つです。



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基本性能はかなり高い

GPUにGTX1080を搭載しているという事もあってか、基本的な性能に関しては非常に高いです。

コアクロックは通常時1657MHzのブースト時1797MHzと標準的なメーカーオリジナルモデルと同等のOCが施されています。

冷却性能に関しても、2基の大型ファンに加えてグラボの基板サイズとほぼ同サイズの大型ヒートシンクを持つため、OCによって増加した発熱にも余裕をもって対応できる形になっています。

出力端子は、DVI-Dが1基、DPが3基、HDMIが1基というGTX1080搭載のグラボとしては平均的な仕様になっています。

ただし、配置は少し変わっていて、3基のDPの間にHDMIが挟まれる(DP/HDMI/DP/DP)という形になっているため、配線する際に知らないと若干戸惑う可能性があります。

サイズは同クラス帯としては平均的

ハイエンドモデルのグラボと言うと気になるのが、グラボのサイズや重さですが、これについては概ね平均的なものになっています。

全長は279mmと、ハイエンドクラスのGPUを搭載したオリジナルモデルのグラボとしては標準的なサイズで、ある程度大容量を持ったケース向けのサイズになっています。

横幅は140mmと標準的なモデルよりも若干大きく、ブラケットから3㎝ほどはみ出る形になっています。

補助電源のコネクタは横に配置されているため、実際には140mmに加えて補助電源のケーブルを取り回すだけのスペースが必要になります。

グラボ本体の大きさに反して、グラボ本体の重量に関しては877gとリファレンス仕様のGTX1080(1100g)よりも更に軽量化されているのもGTX1080 ARMOR 8G OCの特徴です。

グラボの重さが軽くなると、PCI-Eのスロットにかかる物理的な負荷なども軽くなるため、見た目以上に効果があると言えます。

Gaming Xシリーズとの違いはどこ?

MSIのオリジナルモデルと言うと、赤と黒の派手なカラーリングが特徴的なGaming Xシリーズが有名です。

どちらも同じMSI製ですが、外見のデザイン以外にも微妙な違いがあります。

中でも特に大きいのは、動作モードの違いです。

GTX1080 ARMOR 8G OCでは予め設定されたクロック以外で動作させるためにはAfterBurnerのようなソフトを使い、自分で設定する必要があります。

それに対して、Gaming Xシリーズは専用のソフトを利用する事で、ワンタッチで3つのモードへ切り替えることが可能になっています。

また、動作クロックそのものに関してもGaming Xシリーズのほうが若干高い値に設定されています。

その他にも、Gaming Xシリーズのほうが若干厚みがあり、重くなっているなど細かな点で差があります。

そのため、簡単に調整できるGaming Xシリーズと、自力で調整が必要になるARMORシリーズといった住み分けに近い形になっています。

実用性は十分高い

GTX1080 ARMOR 8G OCの実用性ですが、かなり高いと言っていいと思います。

先述した通りGaming Xと比べると若干控えめなクロック設定になっている、という点を踏まえてもGTX1080の性能の高さをしっかりと発揮しており、ゲームやVRなど高負荷なコンテンツでも安定して動作します。

動作音についても、60度以下になると回転を停止するZero Frozr(つまりセミファンレス)を採用しているため、負荷がかかっていない時は完全な無音で動作します。

元々の性能が高い分、負荷がかかりづらいため、少し前のゲームを遊ぶ分には全くの無音で遊ぶことも可能になっています。

また、ファンそのもののサイズが大きい事から低回転時にも冷却効果を得やすいため、負荷が上がってファンが回転を始めた際にも気になるレベルの音を発する事は稀です。

ちなみに、AfterBurnerなどを使用すれば、セミファンレス動作をオフにして低負荷時にも常時低速で回す事なども設定することが出来ます。

仮想通貨への適正は?

GTX1080 ARMOR 8G OCは仮想通貨のへの適正も十分高いですが、向き不向きがはっきりとしているため、どの通貨の採掘にも使えるといった類のグラボではありません。

得意な通貨の採掘に関してはGTX1060などの下位モデルの1.5~2倍近い採掘スピードを発揮する事もあります。

最近多くなっているパワーセーブをかけた状態での採掘性能に関しても非常に高く、消費電力を抑えつつも、採掘速度を大きく落とす事なく動作させることも可能です。

また、先にも書いた通り冷却効率が比較的高く、ファンの回転音自体も小さいため、パワーセーブで使用しつつ、ファンの回転数を常に低速で回るように設定すれば、就寝中や昼間外出中などに、採掘する場合にも動作音が近所迷惑になるといった可能性も低い他、パーツに余計な負荷をかけずに採掘をすることが可能です。

大きな気になる点も無し

MSI製のグラボと言う事で、品質や安定性についても気になる点という物もなく、とてもよく出来ています。

気になる点としては、大型のグラボでありながら、自重で基板が歪む事を防ぐための補強用バックプレートが搭載されていないため、そのまま長期間使っていると基板が歪んでPCI-Eのスロットやグラボそのものが破損する可能性がある事です。

また、付属品は殆ど無く、補助電源8ピン用の変換ケーブルが付属していないため、最初から対応した電源が必要になる点には注意が必要です。

その他の注意点としては、箱出し状態では片方のファンにZero Frozrに関する透明なステッカーが張り付けられているため、気がつかず剥がさないで回すと厄介なことになるため注意が必要です。

MSIのGTX1080 ARMOR 8G OCはおすすめのグラボ?

MSI GeForce GTX 1080 ARMOR 8G OC グラフィックスボード VD6193

GTX1080 ARMOR 8G OCは、全体的に見るとGTX1080搭載のグラボの中でもかなりおすすめのグラボの1つです。

Gaming XシリーズのGTX1080と比べると、性能や機能といった意味では劣る面が多いですが、その代わりに安くなっている事が多く、性能に関しては調整次第、機能についても必須のものは殆どなく代用が効くことを考えると、自力でクロックや消費電力周りの調整が出来る人は、無理にGaming Xを買うよりもGTX1080 ARMOR 8G OCを買って自分で調整するのもおすすめです。

また、外見についてもモノトーンカラーかつ余計なLEDなどが搭載されていないため、ケース内は黒系で統一したい人や、LEDなどの電飾が苦手な人にもおすすめのグラボです。

まとめ

GTX1080 ARMOR 8G OCは、MSI製だからこその高品質と安定感を保ちつつ、余計な機能を排除しているため、手が出しやすい価格に抑えられている点が魅力です。

元々比較的安い事からGTX1080搭載のグラボの中でも最安値付近にある事が多く、性能を疎かにすること無くコストパフォーマンスを重視できるため、GTX1080への換装を検討している人におすすめのグラボの1つです。