ゲイ的感性のほとばしる洋画ベスト10ランキング

第10位 「誘う女」

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ニコール・キッドマンはゲイの監督から引っ張りだこの女優で、このガス・ヴァン・サント監督もゲイです。

今までトム・クルーズの奥さんというイメージしかなかった彼女がここで生来の演技力をフルに発揮していて、高い評価を得ました。

ただ、とんでもなくワガママな印象を与えるのは、生地の性格も大きいかとも思えますが……。

第9位 「イングリッシュ・ペイシェント」

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原作は重層的なイメージを多用したいかにも現代文学らしい小説ですが、脚色を兼ねたミンデラ監督は男女の恋愛模様を中心にしたメロドラマにしました。

結果としてアカデミー賞の作品賞を取ったので、その着眼点は良かったのでしょう。

読者に解釈を委ねる文学も扇情的なメロドラマにしてしまうところに、ミンデラ監督のゲイ的感受性を感じます。

第8位 「太陽がいっぱい」

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ルネ・クレマンは昔まだ根強い偏見のあるなか、ゲイを公言した数少ない映画監督の一人です。

やはり同性愛者だったパトリシア・ハイスミスの原作を映画化したこの名作は、まるでクレマン自身のアラン・ドロンに対するラブレターのように思えます。

それほどここでのアラン・ドロンはゾッとするほどの色気にあふれていて、危険なまでの魅力を放っています。

第7位 「Tommy/トミー」

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ケン・ラッセルは奥さんも子供もいて、ヘテロセクシャルの監督と見なされていますが、全裸の男二人がレスリングを始める「恋する女たち」など、その代表作のほとんどに過剰なゲイ的な感覚が溢れています。

この「トミー」はミュージカルだけにその感覚が全面的に顕現され、元ダンサーだったという経歴が演出に活かされています。

第6位 「サテリコン」

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フェリーニにもジュリエッタ・マシーナという女優の奥さんがいるのですが、その想像力に溢れたカーニバル的な作風には、異常な過剰さでゲイ的な要素を感じさせるところがあります。

この「サテリコン」はその点での代表作で、全編、美青年たちが半裸でスクリーンを占領していて、その美しさをたっぷり堪能できます。

第5位 「ロミオ&ジュリエット」

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バズ・ラーマンはイタリアのオペラに強い影響を受けていて、ここではデコラティブでキンキラキンの映像でシェイクスピアの古典を現代化しています。

ゲイの人がオペラに惹かれるのは、強い恋愛感情をそれ以上ないくらいの大仰な表現で吐露するところだと思いますが、この映画でも悲劇が過剰なくらいの映像で歌い上げられ、見ていて胸焼けするほどです。

第4位 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

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ゲイの監督は一度はミュージカルを作りたくなるらしく、ラース・フォン・トリアーもその例外ではありません。

ヒロインにとんでもない経験をさせるのも、メロドラマへの強い生理的欲求があるためでしょう。

世界的に高い評価を得ましたが、ゲイでない人にとっては、その都合の良いドラマ運びが気になるかもしれません。

第3位 「ライブ・フレッシュ」

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ご都合主義を作風にまで高めたのが、ペドロ・アルモドバル監督です。

普通の監督ならそのメロドラマ性が欠点となるところを、アルモドバル監督は独特のドラマツルギーでその偶然を必然に変えてしまいます。

この「ライブ・フレッシュ」は珍しく原作があるだけに、その脚色ぶりによって彼独自のドラマ作りが分かりやすくなっています。

第2位 「エデンより彼方に」

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トッド・ヘインズ監督はここで珍しい演出を見せました。

往年のメロドラマ監督であるダグラス・サークのスタイルをそのままコピーして、まるでサーク自身が演出したような大メロドラマを作ったのです。

ファスビンダー監督もダグラス・サークの影響を強く受けていましたが、ゲイの映画監督にとって、サーク演出のメロドラマは揺るがし難い模範と見えるようです。

第1位 「若者のすべて」

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ゲイの感受性を全面的に出しながら、巨匠と呼べる地位へと登りつめた最初の映画監督がルキノ・ヴィスコンティかもしれません。

この作品はドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を元にした社会派リアリズムの映画ですが、アラン・ドロンを写すショットはその美しさを強調するようで、社会の不条理を剔抉しながらも自分の趣味性がどうしても出てきてしまうといった印象です。

まとめ

芸術家には同性愛者が多いと言われますが、映画界も例外ではないようです。

ゲイだと公言している監督はもちろんですが、ゲイとはいえなくてもその感覚がゲイ的だと思える監督の作品を集めてみました。

ちょっと癖のあるリストになったかもしれません。