迷えるサラリーマンに是非観ていただきたい邦画ベスト10ランキング

第10位 「ロボジー(2012年)」

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この作品は、矢口史靖がメガホンをとり、白物電器メーカーの3人の技術者が、老人にロボットを演じさせるというコメディ映画です。

中小家電メーカーの木村電器、そこに勤務する小林、太田、長井の3人は、社長命令でロボットの開発をさせられていました。

間近に迫るロボット博、そこで木村電器の技術力を披露するため、二足歩行のロボット開発に必死でした。

しかし、ロボット博の1週間前にロボットを動かしてみますが大破してしまいます。

慌てた3人は窮地に陥り、ある案を考えます。

それはロボットの中に人を入れて、動かすという嘘っぱちの案でした。

そして、アルバイトで人を募集し、一人暮らしの頑固な老人・鈴木(演:五十嵐信次郎)が合格します。

ロボット博で彼をロボットの中に入れて出場しましたが、鈴木が予定外の奇妙な動きをし、それが絶賛されてしまいます。

そして、一躍有名になり…。

というストーリーです。

まず、出てくる社長、社員、老人、ロボットオタクの学生などのそれぞれのキャラがリアルで、自分の周りに居そうな感じがあるので、すぐに映画に引き込まれます。

ロボットの中に老人を入れて偽装した3人の技術者が、ロボットオタクの学生たちと公開講座を開く中で、どんどんロボット開発の技術力を身につけていく様子は滑稽で面白いです。

この映画は何も考えずに観ていると、単なる面白い映画ですが、真剣に観れば、この3人の技術者は真剣ですが、会社員としてあるまじき偽装行為をしており、「会社員としてのモラルはどこへいった!」「技術者としての誇りはどこにいった!」と感じてしまいます。

まさに、3人は反面教師です。

ただ、会社の技術者は、予算、期間などいろいろな制約のある中で開発しなければならないという過酷な環境の中で、結果を出さないといけないという厳しさを教えられました。

とにかく面白い内容で、ストレス発散にはいい映画ではないかと思います。

第9位 「サラリーマンNEO劇場版(笑)(2011年)」

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この作品は、NHKで放送されていたコント中心のバラエティ番組で好評価だったため、映画版として制作されたものです。

キャッチコピーは「笑いものが、やってくる」で、随所にTV版でのレギュラー・キャラクター、コント等を盛り込んだサラリーマンの悲喜劇を描いたドラマです。

ストーリーは、ビール業界で5位のNEOビールの根尾社長(演:伊東四朗)が、ゴルフコンペにおいて業界1位の大黒ビールの布袋社長(演:大杉漣)に散々にやられ、笑い者にされたところから始まります。

梶尾社長はその悔しさで、役員会議で「大黒ビールを抜き、シェア1位を目指す」と言って、1週間以内に全社員から新商品企画を出すように命令します。

この命令で、全社員から色々な企画が出てきますが納得いくような企画が出ない中、あまりやる気のない新入社員の新城(小池)がふと口にした企画が通ってしまいます、しかし、その企画が大黒ビールに盗まれ、先行して宣伝されてしまいます。

さて、悔しがる社長、盗まれた社員は奮起します。

そして、NEOビールは…という物語です。

もうタイトルから分かるように、サラリーマン生活をしていると、そうそうこういう場面ある、こんな社員いるといった場面が満載されています。

それをコミカルに、またシニカルに描いていて、ストレス発散にはいい映画です。

新入社員の上司・中西課長(演:生瀬勝久)が阪神タイガース一筋で部屋はそのグッズでいっぱいというのも面白いですが、やはり、沢村一樹のセクスイー部長は最高で、笑えます。

しかし、笑えるだけではなく、ちゃんとメッセージもあり、企画を出した新城を中心に新商品開発チームが作られ、チームで試作品を作るのですが、それが役員からダメだしされ、新城がキレて「みんな一生懸命やってるんです!」と真剣に訴えると、他のみんなが笑って「なに真剣に言ってんの、こんなのサラリーマンだったらしょっちゅうあることよ」と笑いとばして、励ますシーンなどは、笑いの中から勇気を貰えます。

これを観たら、「ああ、これからのサラリーマン人生も、なんとかなるか…満喫しよう」と思える作品です。

騙されたと思って観て損はない映画です。

第8位 「突入せよ!あさま山荘事件(2002年)」

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この作品は、1972年2月に起きた長野県軽井沢町の連合赤軍・あさま山荘事件を警察側の視点から描いた作品です。

原作は、当時指揮幕僚団の佐々淳行著『連合赤軍「あさま山荘」事件』です。

主人公・佐々淳行役を役所広司が好演し、その脇を宇崎竜童、伊武雅刀、遠藤憲一、椎名桔平、篠原涼子、石丸謙二郎、藤田まことらが固めるという豪華キャストで、臨場感が溢れるものとなっています。

特に、後藤田警察庁長官役の藤田まこと、野間長野県警本部長役の伊武雅刀が印象的でした。

警察官も人間、勇猛果敢な人ばかりではなく、長野県警と警視庁本部との軋轢、混乱している指揮命令系統など、徹底的にリアルに描こうという意思が伝わって来ました。

人間は大変な事態に陥ったときに、個々それぞれがどのような人物かが分かると思います。

警察官も普通の会社員と同じ、何か事が起きたとき、どのように対処するか、どういう風に指揮命令をするかが重要だと思いました。

第7位 「ジャッジ!(2014年)」

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この作品は、大手広告代理店で情熱はあるがうだつの上がらない太田喜一郎(演:妻夫木聡)が、上司の大滝一郎(演:豊川悦司)から、世界一のテレビCMを決定する最大広告祭の審査員の仕事を強要されます。

色々な国から来たCMクリエイターたちが自分の会社のCMを優勝させようと裏工作をする中、太田は出来の悪い自社のCMを入賞させなければ、会社をクビと言われるが…というコメディ映画です。

CM業界ということもあり、登場人物が各々個性的で楽しく、面白いです。

しかし、内容的には結構シリアスな内容も多く、会社員なら分かる場面が満載です。

各国のクリエーターは自分の地位や給与を上げるために、しょうもないCMでも好評価するようにあの手この手で裏工作をする場面などはリアルです。

メッセージ性のある言葉も多く、特に、上司・大滝一郎が太田喜一郎に「ピンチと書いて、チャンスと読め」と言って命令するところ、また、太田がCM業界に入った理由のある広告のキャッチコピー「逆風も方向を変えれば追い風になる」などは、会社員に勇気を与える名言だと思います。

理屈こねる前に実行してみることが大切というメッセージがダイレクトに伝わってきます。

また、主人公の太田は裏工作がイヤになり、最後の優勝CMを決める時に、審査員全員に、覚えたての下手くそな英語で「良いものは良い、悪いものは悪いと言おう」と呼びかけるのです。

結果的にはそれが良い方向に向いて、自分が苦労して作ったうどんのCMが世界中で有名になり、クビは免れハッピーエンドになります。

とにかく、何も考えず、楽しみたい時に一見の価値あるお薦めの映画です。

第6位 「不撓不屈 (2006年)」

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原作は高杉良の同名小説で、実際に、中小企業の経営とその社員への利益還元を守るべく、国税局と闘った税理士を主人公にしたヒューマンドラマです。

昭和38年、飯塚毅会計事務所とその関与先69社が国税局から一斉税務調査を受けた「飯塚事件」を通し、経済倫理を問う内容となっています。

実話なので、物語の展開は非常に淡々としていますが、主人公と彼を支援した人々の正義には感動しました。

また税理士の飯塚毅(演:滝田栄)が自分自身の税理士としての倫理に基づき、タイトルとなっている「不撓不屈」の精神で、国家権力と闘い抜く様には、会社員でも見習わなくてはならないと思いました。

しかし、こんなに芯が強く、革新系の人は現代ではいなくなってしまったような気がして、残念な気がしました。

また、権力だけでなく、どんな状況に対しても、自分の意志を貫くには、強靱な精神力が必要ですが、それには家族愛も必要だと思った作品です。

第5位 「金融腐蝕列島〔呪縛〕 (1999年)」

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この作品は、朝日中央銀行が総会屋への利益供与で、東京地検特捜部の捜査が入り、パニックになる経営上層部の態度に奮起し、会社を再建しようとするミドル層の男たちの闘いの様子を描いています。

全編、緊迫感があり、よかったです。

原作は金融業界を舞台にその内幕を描いた高杉良の小説で、綿密な取材でその内容は非常に重厚なものとなっています。

それを『突入せよ!

「あさま山荘」事件』(2002年)などを手がけた原田眞人が監督し、役所広司、仲代達矢、椎名桔平、若村麻由美、佐藤慶、根津甚八、石橋蓮司、遠藤憲一などが好演しています。

その中でも、椎名桔平は東大出身の不良エリートをうまく演じ、いい味を出していました。

あくまで自らはサラリーマンだという現実と向き合い、「逃げ道がなくなれば、前進するしかない」と自らを奮起させる企業戦士の勇気ある闘いを描いています。

企業戦士としての会社員としての生き方を考えさせられました。

第4位 「陽はまた昇る(2002年)」

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この作品は実際にあったソニーのベータマックスと日本ビクターのVHSとの開発競争ドラマを描いたものです。

それだけに内容的には山あり谷ありで、臨場感があります。

キャストがまた良かったです。

主人公は西田敏行で、その脇を渡辺謙、緒形直人、夏八木勲、石橋蓮司、仲代達矢、江守徹、國村隼らが固めて、重厚な雰囲気がありました。

西田敏之の会社員役は天下一品です。

また、気弱で無難な道をとろうとする会社員を渡辺謙が、通産省機械情報局電子機器課長という官僚役を國村隼が好演し、いい味を出していました。

VHSの技術を自社で独占せず、規格公開して世界標準にしようと言う西田、松下幸之助に車で会いにいく西田と渡辺の場面、官僚的考えで技術者の努力を無にしようとする國村と西田の口論の場面は、西田の技術者魂に感動しました。

技術者たちは、陰で懸命に努力し、現在の技術大国・日本を作ってきたのだなと、勇気と感動をもらった作品です。

第3位 「ラヂオの時間 (1997年)」

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この作品はある新人作家・鈴木みやこの作品を、ラジオドラマで生放送するが、役者の我が儘でその作品の設定、内容がどんどん変えられていきます。

放送中で時間がない中、次から次ぎに出てくる矛盾を思いつきで、新人作家・みやこの意思を無視して、ドラマは進んでいきます。

果たして、生ドラマはちゃんとしたものになるのか…という物語です。

監督は三谷幸喜らしく、その展開はテンポ良く、そしてコミカルに、またリアルに描いています。

見所はたくさんあり、全編、目が離せないですが、役者、上司に頭を下げて奮闘するプロデューサーの牛島を西村雅彦が好演しているのが、印象的で、会社員の悲哀を感じました。

特に感動したのは、勝手に台本が変えられキレて、スタジオに閉じこもる作家・みやこに、そんな牛島が、「満足いくものは、妥協して妥協して自分を殺して作品を作り上げるのです」と説得する場面です。

会社員なら同感する場面満載の作品です。

第2位 「沈まぬ太陽 (2009年)」

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この作品は、日本航空とその元社員・小倉寛太郎と、史上最悪の日本航空123便墜落事故をモデルとした作品で、国民航空社員で同社労組委員長の主人公・恩地元と彼を取り巻く人々を描いた社会派作品です。

主人公・恩地を演じるのは渡辺謙が好演していました。

3時間を超え、休憩が入る作品でしたが、その内容のシリアス性と絶妙の場面展開で、あっという間に終わったという感じでした。

恩地のように自分自身の考えを変えることなく、矜持をもった生き様には羨ましかったです。

あんな生き方ができればいいなと思いました。

自分に合わないと思えばすぐ転職をして自分の価値、地位を上げていくアメリカ的な思考に対して、会社に忠誠を尽くすことを「徳」とする日本的な思考、どちらがいいのか考えさせられました。

恩地の生き方は日本的思考の典型ですが、私はそこに、日本の会社員の勤勉さと誠実さがあり、日本という国はまだ捨てたものではないと思いました。

第1位 「ハゲタカ (2009年)」

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この作品は、中堅ファンド・BWP社の日本を代表する企業・アカマ自動車の買収を、鷲津がアカマの執行役員・柴野と阻止しようとします。

しかし、中国政府がバックのBWP社の資金力は莫大で、まともに闘っても勝ち目がないと思った鷲津は奇策にでます。

鷲津の奇策は成功するのか…という物語です。

全編、手に汗握る展開で描かれ、目が離せません。

私のお薦めは、BWP社の代表・劉がアカマの派遣工を扇動する場面、柴野がアカマの社長と激論する場面です。

特に柴野が社長に「企業も人間と同じ生き物。…夢や希望を語るリーダーが必要だ!」と熱弁する場面は感動します。そして、最後に柴野が鷲津に「再建には荒療治が必要だ。だか、それだけにやりがいがある」と言い、社長になる決意をする場面も感動します。

会社は社員各々で構成され、会社はそれを大切にし、社員はチームで仕事に努めるのが、会社員の務めだと思いました。

是非観て欲しい最高傑作です!

まとめ

この10本の映画は、どれも違った業界のサラリーマンの日常を題材に描いたものです。

しかし、共通するのは、サラリーマンとして生きていくことは、厳しく、自己管理ができていないと、自分が望まないあらぬ方向に陥ってしまうということです。

そして、この10本の映画は、サラリーマンをシリアスに描いているもの、コミカルに描いているものなどがありますが、どの作品も観終わったあとに、これからサラリーマンとして如何に生きるかということを考えさせられると思います。

どのようなサラリーマン人生を歩むのかは、観たみなさんの自由ですが、おそらく何かを得て、元気になるであろうと思います。