なぜ今海外で日本の中古ママチャリが人気を得ているのか?

ママチャリ・シティサイクル

完全組立 VOLDY(ボルディ) 26インチ自転車ママチャリ VO-VM-266 シマノ製6段ギア付き (ブラック)

ママチャリが海外で人気、というのは、ネットやテレビなどで報道され、知っている人もいると思います。

来日した外国人にとって、日本人が日常生活で自転車をよく使っているのが奇異なものに映るらしく、特にお母様方が自転車の後ろに子供を乗せて凄いスピードで通りをゆく姿は印象的なようです。

その普段の足となっている自転車も外国製とは感じが違うため、自然に彼らの注目を浴びることとなったのでしょう。



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外国人も便利だと感じる

大きなカゴ、チャイルドシートを付けられるスペース、そして曲線を描いた低いフレームがママチャリの特徴ですが、外国人も日本での生活が長くなるに連れてその便利さに気づき、彼らが母国へ戻るとともにその魅力が伝播されてゆきました。

あくまで口コミで伝えられていった点が特徴的です。

外国製の自転車は非常に簡単な作りで、あくまで乗れればいいという考えで製造されているため、一旦ママチャリの便利さを知ると、それを懐かしむようになったようです。



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ガーディアン紙で言及

海外のマスコミでも、mamachariという原語そのままで注目を集めていて、イギリスのガーディアン紙が「イギリスは日本の自転車文化から何を学びうるか?」という特集を組んだほどです。

そこで紹介されているママチャリの説明は、ママチャリ、またの名前をおばあちゃん自転車とも言い、頑丈で実用的な、変速機がないシティ・サイクルである。

乗りやすいが、あまりスピードは出ない。

前にカゴ、後ろにラックがついていて、子供用のシートを取り付けることが多い。

日本中どこでも見られる乗り物だ。

というもの。

おばあちゃん自転車というのはどうかと思いますが、大体の説明は合っているようです。

特集では日本人が足のように自転車を使っていることを述べていて、その安価さと手軽さをイギリスも見習っては、と提案しています。

ロンドンでは専門店がオープン

そして、そのイギリスのロンドンでは、Mamachari Bicyclesという店が2012年に開店。

イギリス流のママチャリだけを専門に扱い、在庫は400台とか。

最初はダルストンに1軒だったのが、好評につきウォルサムストーにもう1軒店舗が増えました。

ホームページもあって、ママチャリのシルエットをあしらったロゴが印象的。

「ママチャリ・ストーリー」というママチャリについての説明まであります。

ホームページにあるママチャリ・ストーリー

面白いので引用しますと、

日本では、誇張ではなく全国民がママチャリを持っている。

そして、「よく見かける」などと言うのは余りにも控えめな言い方だろう。

ママチャリはどこにでもあり、誰もが乗り物として使っているからだ。

老若男女、学生サラリーマン、母親、おばあちゃん、そして父親までも。

ママチャリは日本において、オランダにおけるダッチ・バイクのような位置を占めている。

日本人にとって、ママチャリは靴がそのまま乗り物になったようなものである。

必要な時だけ使い、必要がなければ気にも留められず、捨てられることさえある。

だから、そういう辛い運命にあるママチャリは、酷使に耐えられるだけの頑丈さがなければならないのだ。

日本でも外国でも、ママチャリには大変な数の愛好者がいる。

何しろ、富士山近くの富士スピードウェイでママチャリのレースを開催するマニアまでいるくらいだ。

ママチャリに対してマニアックな熱情を溢れさせた文章で、なかなかの名文だと思います。

日本で暮らした顧客の要望

ママチャリ・バイシクルズ店主のノア・フィッシャーさんによると、日本で暮らしたことのある顧客がママチャリのような安価で頑丈な自転車を懐かしがっていたことがヒントとなり、そういうタイプの自転車を販売するつもりになったとのこと。

あと、ガーディアン紙の記事にもありましたが、ヨーロッパでは自転車の盗難が多く、ロンドンでも例外ではありません。

どうせ盗まれるなら安い自転車が欲しいという要望があることも、ママチャリ需要の原因のひとつのようです。

輸出に消極的な製造会社

フィッシャーさんの妻ランさんは日本育ち。

その伝手を頼って、日本のママチャリ製造会社に交渉したのですが、新車をまとめて輸出するつもりはないとの返事でした。

製造側ではあくまで日本国内だけのマーケットだと思いこんでいて、海外で受けるなどとは考えなかったのです。

この辺は明治の昔から繰り返してきた日本人の商売ベタの現れかもしれません。

中古品に注目

仕方なく、フィッシャーさんは中古自転車に注目。

それまでアフリカやフィリピンばかりに輸出されていたそれらの中古品を分けてもらい、自分で車体に手を加えて売るようになったそうです。

ロンドンでは新しいシティ・サイクルの価格は300ポンド。

つまり4万円を越える高級品ばかり。

ところがフィッシャーさんが販売するママチャリは1万5千円ほどです。

おまけに頑丈で使いやすいというので、売れ行きは大変好調だということです。

チャイルドシートがついているのも好評の理由

ママチャリが好まれるのは、その安さとしっかりとした作りだけでなく、チャイルドシートがついている点にもあるようです。

確かに子供を乗せて大変なスピードで道路をゆく日本のお母様方に対し、外国人の中には「危険だ」という批判もあるようですが、チャイルドシートという発想に関してはその利便性が高く評価されています。

しかもシートを付けていてもコンパクトにできているところが狭い通りの多いロンドンでは非常に重宝。

軽い自転車を求めている人にも、おすすめのようです。

その点、同じ島国である日本とイギリスの似た環境が需要を呼んでいるといえます。

お客には日本人も

お客にはイギリスに住む日本人もいるとのこと。

「ママチャリ」という店名に興味を惹かれて訪れてくるそうですが、「値段が少し高い」とフィッシャーさんに文句を言うようです。

確かに日本では1万円以下のママチャリも多いからでしょう。

日本のママチャリとは違うイメージも

ただ、最近の店内の写真を見てみると、日本人がイメージするママチャリと違って、物凄くスポーティでカッコいいシティ・サイクルが多いようです。

イギリスの生活に合わせてかなりアレンジしているという印象を受けます。

昔ながらのママチャリもあるのでしょうが、段々とイギリス風になっていったのかもしれません。

アフリカでも中古ママチャリが走っている

一方、先に名前の出たアフリカでは日本からのママチャリがそのままの形で使われていて、ガソリンを使わない輸送手段として重宝されているとのこと。

ママチャリは頑丈でなかなか壊れにくく、アフリカの舗装のされていないラフな道でも使用に耐えるのが良いのでしょう。

ネットでタンザニアの若者たちがママチャリに乗っている写真を見ると、日本の技術が誇らしくなります。

ドバイでも大人気の中古ママチャリ

そして、ドバイでもママチャリがよく売れているという報道がありました。

中国の新品自転車より日本の中古ママチャリの方が、はるかに人気があるようです。

アフリカや中東へも持ち込むためにまとめ買いする業者もいるそうで、人気のほどが伺われます。

まとめ

同じ二輪車と言っても、オートバイばかり有名で、これまで余り注目されなかった日本製の自転車ですが、ママチャリという日常に密着した独特の製品が世界的に人気になるというのは興味深いことです。

この好評ぶりなら、ランドセルなどのように海外セレブが使用するオシャレなアイテムとして定着するかもしれません。

ハリウッドスターなら、ママチャリにまたがっても絵になるでしょうし。