ランニングシューズはただ履いて走るためのものだけじゃない!身体のチェックやフォームのチェックもここから

走る時のパートナー、それがランニングシューズです。

トレーニングで走る時も、大会などの本番で走る時も、これがないとランニングは始まりません。

特に長距離ランナーの場合、ランニングシューズの良し悪しで結果が決まることさえあります。

しかしこのシューズ、購入して履いて走って、それだけにしていませんか。

これ実は体調やフォームなどの問題点を知るのにも、大きく役立ってくれるのです。





どんな靴でも洋服でも形あるものは

形あるものは何時か滅する、と言われます。

何でも、例え使わなくても経年劣化ということもあって、何時かは壊れたり劣化したりするのが物なのです。

特に、着たり履いたりして使用した場合、これは劣化が早くなります。

勿論他の、生活に利用するものも、利用すれば利用するだけ劣化は早くなります。

特に走るという過酷な作業をするランニングの場合、ウエアの劣化はどうしても早くなりますね。

かなり長持ちするはずのシャツなどにしても、洗濯の回数の多さや日光にあたっての染料の劣化も、普通に着るシャツよりも早くなってしまいます。

となると、足に履くランニングシューズも、これも普通の靴よりも早く劣化することは間違いありません。

何と言っても、歩いた時の靴への衝撃と、走っている時の衝撃は大きく違います。

片脚ずつ体重移動するウォーキングと、瞬間両方の足が地面から離れて後着地するランニングでは、靴への負担は大きく違ってきます。

勿論走りに特化して作ってあるランニングシューズですが、普通の靴よりも劣化は早い事になってしまいます。





シューズの劣化はどこから

靴と呼ばれる製品の場合の劣化は、よほどのことがない限り靴の裏からはじまります。

靴裏の部分がすり減ってきたら、もう取り替えどきというのはすべての靴に共通のことです。

特に長距離を走るランニングやマラソンの場合、着地での脚への衝撃をできるだけ和らげなくてはなりません。

そのために作られているのがランニングシューズですので、それこそソールの劣化が始まったら脚の健康にも関わります。

新しいものに履き替えが必要になるのは、こういったきっかけが一番多くなりますね。

稀に、足の指に当たる部分に穴が開く、などということもないではありません。

まあこの場合、足の形に合っていないシューズですので、本来擦り切れてしまう前に足が痛くなり、使わなくなることのほうが多いですね。

劣化は毎日調べるのがおすすめ

さてこのランニングシューズの劣化ですが、これはできれば毎日チェックしておきたいですね。

靴裏のすり減りは、要は走っている時どこで着地しているかを知るチェックポイントになります。

癖のある走り方をしていれば、このすり減りでわかることになります。

靴裏の劣化の状況で、走っている時のフォームや癖、脚の状態なども測れるということです。

なのでできるだけ毎日、この靴裏チェックをしておくことが肝心です。

毎日走っていても、何かの問題でフォームが崩れていくこともあります。

それを知るためにも、この靴裏チェックは非常に大事なことなのです。

かかとの磨り減りを見てみたい

踵の部分のすり減りというのは、どんな靴でも起きることです。

これがあまりに傾いている場合、O脚を疑うことも出来ますし、くるぶしのあたりの異変も発見できるのです。

単にO脚X脚では判別できない

踵の部分のすり減りは、何と言っても一番目立ちますのでチェックがしやすい場所です。

よく言われるのが、O脚だと外側がすり減りやすい、ですね。

しかしこれ、同じO脚でも足首の部分によっても差が生じます。

くるぶし部分、内くるぶしの方に足首が倒れている状態だと、O脚の脚でもかかとは内側がすり減ってきます。

この場合、特にランニング中は足首の内側や膝に大きく負担がかかっていることになります。

日本人の場合ほとんどの人がO脚だと言われています。

なのでかかとの内側がすり減っている場合、この足首部分の内側への寄りかかりを疑う必要があります。

X脚でも同じことで、普通なら内側のすり減りなのですが、足首の向きで変化することもあります。

どんなすり減り方がほぼ正しいのか

これもいろいろな説がありますが、アメリカの足医学によれば、かかと外側45度辺りまでのすり減りが、正しい靴の減り方とされています。

かかとの後ろ部分の中央から、外側に45度のラインに収まるあたりです。

まあ実際、このあたりなら人体の構造上、間違いのないところと言っていいですね。

靴底はほぼ外側がすり減って行くのが通常なのです。

これが内側のすり減りだとした場合、いささか問題が出てきます。

扁平足や外反母趾の足の場合、どうしてもかかとの内側がすり減ってきます。

足首にも大きく負担がかかりますし、また極端ないわゆる内足になってもいます。

実は筆者、子供の頃ひどい内足でした。

靴はすべてかかとの内側がすり減っていました。

あれこれトレーニングしていくうちにこれが変わっていった時、本当に嬉しかったものです。

またそれまで当たり前だった、外くるぶしあたりの筋の伸び過ぎが解消されて、足首が格段に楽になったのを覚えています。

内側の減りすぎは足首の異常によったり、もしくは、トラブルによったりするものが多いので注意が必要です。

ランニング初心者はまず靴裏観察を

走り始めた時、まだフォームもしっかりしていない時期、トレーニングも身体に入っていない時期は、シューズの裏側のすり減りはかなり激しいものです。

体重が脚全体にかかってしまい、まだ腹筋や背筋で受け止められない状態だからですね。

子供が走る時のドタバタ言う音、あれは腹筋や背筋のサポートがなく足だけで走っているからです。

大人でも同じことで、最初のうちは足音も大きく脚の筋肉痛や疲労も大きなものです。

またきちんとしたフォームでないので、着地も勿論きちんと出来ていません。

なので靴裏のすり減りも大きく、見てみると片側に傾きすぎていることが多いのです。

ひどい場合、右は内側で左は外側がすり減っている、などという例もあります。

これは当初の自分の状態をよく知ることが出来ますので、特にランニング初心者には観察がおすすめです。

悪い具合にすり減ったランニングシューズは危険

初心者を脱却して、段々と走行距離も増えていった場合、ランニングシューズもそれに連れて変えていきたいものですね。

まだ履けるのにと思うかもしれませんが、走り始めの癖の付いた靴底で走る続けるのは、実は危険です。

例えば最初のうちは内足だったとします。

それがだんだんと改善されていった場合、内側がすり減っているシューズを履き続ければ、走っている時だけ内足に戻ると言う状態にもなります。

普段はどうということがないのに、何故か走ると脚に異常が出る、などという場合はこれを疑ってみてください。

すでに脚自身は整っているのに、シューズだけは昔の癖脚だった時の状態のものを使ってしまうことになります。

つまり、靴によって脚が異常な状態にされてしまうのですね。

身体の状態が良くなったらそれにつれて新しい靴に変えることも必要です。

いくら上体を整えても、基底部である足元が悪ければ、身体全体も崩れてしまいます。

走り始めの人ほど、靴裏チェックとそれに伴う靴の取替を心がけてください。

まとめ

ランニングシューズはただ単に、走るのに便利だからで履くものではありません。

勿論走りに特化されていますから、走るためには必要不可欠な靴ではあります。

しかしそれに加えて、健康や足の状態ランニングフォームなども、このシューズである程度測ることが出来るのです。

靴裏のチェックはできるだけ頻繁に行っていきたいものですね。