デスクワークしながらできる体操って? 腰痛の仕組みと、椅子に座ったままできる腰痛体操5選
デスクワークをしながら、腰痛を抱えているという人も大勢いることと思います。
これは、一言で言ってしまえば運動不足からくる腰痛が大半であると思います。
何故運動が足りないと腰痛になってしまうのでしょう。
体の仕組みや人類の進化から腰痛をさぐってみると同時に、デスクワークの途中でも、椅子に座ったままできる腰痛体操を紹介したいと思います。
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腰痛と血流
多くの皆さんが抱えている腰痛は、血液の流れに深く関係しています。
私たちの体には、無数の血管があり、その血管の中を血液が流れています。
この全身を流れている全ての毛細血管の長さをつなぐと、約10万キロメートルにもなると言われています。
それはなんと、地球約2周半分にあたるとか。
私たちが取り入れた栄養や酸素は、血液と一緒に、この毛細血管を通って全身の細胞に運ばれます。
このシステムが滞りなく行われてこそ、私たちの体は健康でいられるのです。
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筋肉が硬くなる
腰痛は、筋肉が硬くなり、血行が悪くなることによって起こります。
筋肉が硬くなってしまう原因は、日頃の生活習慣が大きく影響してくることが多いのですが、これは生活習慣を見直すことで、改善させていくことができるとも言えます。
筋肉は緊張状態が続くと固くなってしまい、血管を圧迫します。
血管が圧迫されることにより、血行が悪くなります。
尿酸と腰痛
すると、血管の中で乳酸という疲労物質を発生させます。
この乳酸が少しずつ溜まっていき、痛みとして神経を刺激します。
そして、その痛みが更に筋肉を硬くしてしまうのです。
これで、腰痛に繋がる悪循環のループとなっていきます。
腰は、上半身の重みを常に支えているために、いつも緊張状態にあります。
同じ姿勢での作業が長く続くときには、ときどき体勢を変えたり、ストレッチをするなど、腰への負担を長く続けないための工夫が必要です。
デスクワークと腰痛
デスクワークで、仕事の時間の大半を椅子に座って過ごす人も多いと思います。
けれど、私たちの体は椅子に1日8時間も座って生活をするように進化してきたわけではありません。
例えば、アフリカで狩猟をして生活している、ある種族の人々は腰痛にならないそうです。
彼らは、一日何十キロメートルも動き回って獲物を得ています。
この生活は、一見すると、腰の筋肉にかかる負担はかなり大きいように思います。
けれど、実際に彼らを調査してみると、腰痛になることは、ほぼないのだそうです。
これは、動き回ることで、血液循環が常に良い状態でいられるからではないでしょうか。
私たち人間は、このような生活をしながら進化してきたのだと思います。
1日何時間も歩いたり、動き回ることが当たり前の生活を長い間してきたのです。
子どもたちを見てみると、ジッとしていることができず、常に動き回っているように感じます。
これが、本来の人としての当たり前の姿なのかもしれません。
ですから、デスクワークによって腰痛になるのは、むしろ自然なことなのです。
本来、一日の大半を動き回ることで発達させてきた体を、椅子に座ったまま長時間固定させることで、全身の筋肉が固まってしまっているのです。
そして、それが腰痛となって現れてくるのです。
腰痛と運動
一般的に腰痛の原因は、姿勢が悪いことなどが挙げられ、それを解消するためにマッサージを受けたりする人も多いことでしょう。
しかし、マッサージを受けて体が軽くなったような気がしても、次の日から、また何時間も座りっぱなしでデスクワークをしていたら、同じことの繰り返しで、腰痛の根本的な改善には繋がりません。
ジョギングや散歩を心がけている人もいるでしょう。
これは、やらないよりはやった方がもちろん良いのですが、30分運動をしても、2時間座りっぱなしでいたら、その運動の効果はなくなってしまうというふうにも言われています。
ですから、もう少しこまめに日常生活に運動を取り入れることが大切なのです。
デスクワークで腰痛になるのは、ある意味、当然のこととも言えることなのです。
そうかと言って仕事を辞めるわけにはいかないという人が大半だと思います。
それならば、腰痛のない快適な状態で仕事をしたいですよね。
そのためには、とにかくこまめに体を動かすこと、とくに腰の回りの筋肉を動かすことが大切です。
30分に1回などと決めて、体が固まってきたというふうに感じたら、少しでもいいので腰を動かすようにすると、固まった筋肉がほぐれ、楽になります。
血流が良くなることで、体にたまっていた疲労物質も流れていきます。
腰痛と椅子に座ってできる運動
それでは、どんな運動が腰痛には効果的か、見ていきたいと思います。
腰の動きは、大きく分けて次の3つです。
それは、前後、左右、回転 という動きです。
そして、腰痛改善にはこの3つの動き全てを良くすることが重要で、どれか1つが欠けても効果が得づらいと言われています。
ですから、この3つの動きを満遍なく取り入れるように、ということを心がけるのがおすすめです。
この3つの運動は、椅子に座ったままでもできるものが多いので、デスクワークの合間にすることもできますね。
それでは、椅子に座ったままできる腰痛体操を見てみたいと思います。
前後の運動
椅子に座っている姿勢から、ゆっくりと息を吐きながら、自分のおへそを見るような感じで、背中が丸くなるように前かがみになります。
この時、お腹の上にクッションなどを挟んでも良いです。
このままの姿勢で、背中の筋肉を伸ばします。
左右の運動
椅子に座った姿勢で、頭の後ろで軽く手を組みます。
次に息を吐きながら、体を右側にゆっくりと倒します。
この時、左側が伸びていると感じます。
その感覚が、とても良い腰痛の予防になっているのです。
終わったら、反対側も行います。
回転の運動
椅子に座った姿勢から、自分の真後ろを見るような意識で体をねじっていきます。
この時、息をゆっくりと吐きながらねじるようにします。
ねじる時に椅子の背もたれに手を置くようにしても良いと思います。
一方が終わったら、反対側もやります。
足を体に引き寄せる運動
椅子に浅く座ります。
片膝を持ち上げ、椅子の座面にのせます。
次に、ゆっくりと胸の前へ引き寄せ、そのままの姿勢でしばらく保ちます。
足をゆっくりと戻したら、反対側の足も同じようにゆっくりと行います。
ふくらはぎを刺激する
ふくらはぎの中で、一番ふくらんでいるところを探してみます。
その、一番ふくらんでいる場所に両手の親指をあてて、強めにマッサージします。
腰痛体操を行う際の注意点
このような体操を日常生活に取り入れることで、腰痛の予防になったり、腰痛の改善になったりします。
ただ、やみくもに体操をすれば良いというわけではありません。
ここで、腰痛体操を行う時の注意点をあげて見たいと思います。
- とにかく、毎日続けることが大切。
それも、一日何度かに分けてやることが望ましい。
- 無理をして行わないこと。
痛みがあるときにはやらないようにする。
- 運動の効果をあげるために、無理に反動をつけたり、無理に伸ばしたりしない。
- 運動をすることで痛みがひどくなる場合には無理に続けない。
- 通院している人は、お医者さんの意見に従う。
これらの点に注意しながら、体操を行いましょう。
そして、この腰痛体操は座ったままできるのが良い点なのですが、できれば立ってストレッチすると、更に効果が高くなりますので、おすすめです。
デスクワークが長く続く時には、時々立って、別の作業をはさむのも良いでしょう。
また、腰痛には内臓や骨の異常が原因である場合もあります。
腰痛体操を試しても全く痛みが変わらず、更にひどくなるような場合には、病院に行くようにしてください。
まとめ
さて、体の仕組みや人類の進化から腰痛をさぐりながら、デスクワークの途中でも、椅子に座ったままできる腰痛体操を紹介してきました。
私たちの体は、本来デスクワークには向いていないということがわかりました。
けれど、現代の生活では、避けて通れない場合も多くあります。
それなら、腰痛にならないように、デスクワークにも腰痛体操を取り入れ、上手に付き合っていきたいものだと思います。