立ち座りを快適にする電動の昇降座椅子を利用する方法
立ち座りが困難になったときに検討してみる価値があるのが電動昇降座椅子です。
座面が床や畳まで下がり、立ち上がる時には自分が立ち上がりやすい高さまで上がる機能を持っているので、悩みを解消してくれる素晴らしい福祉機器です。
どこの家庭でもあるものではないですが、昇降座椅子のメリットを感じて負担を軽減した暮らしをしている方も少なくありません。
どんなメリットやデメリットがあるのか、どんな方におすすめなのかを解説して行きます。
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目次
電動昇降座椅子のメリット
年齢とともに足腰が弱くなってしまうと床や畳への立ち座りがとても苦痛になってしまうものですね。
高齢になると膝や股関節、腰痛が起こることも多く、畳からの立ち上がりに負担がかなりかかるようになってしまいます。
そのため、畳に座りたいけれど座らずに椅子に座るしかないとあきらめざるを得ない方もいらっしゃいます。
普通の座椅子ももちろんその負担をカバーするという意味では役立ちますが、ある程度の高さも確保していないと立ち上がれないために、長時間、座椅子に座った姿勢を維持するというのは疲れやすいものではないでしょうか?
そこで役立つのが電動の昇降座椅子。
文字通り、電気によって上下するのですが操作はとても簡単で、指先でレバーを動かすだけで座った位置から下げて畳や床まで降りることができます。
もちろん、そのまま上昇させることもできるので立ち座りの負担がなくなります。
これまで、床や畳からの立ち上がりに苦痛を感じていた方も、昇降座椅子があれば従来の関節への負担もなく立ち上がれるようになります。
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電動昇降座椅子のデメリット
とても魅力的な電動昇降座椅子ですが、デメリットもあります。
一般的な座椅子に比べると価格がかなり高額になります。
機能によっても価格が変わって来ますが、昇降する機能を持っているシンプルな機種であっても、150,000円ほどかかります。
実際に、購入するとなると高額な商品になるので戸惑ってしまう方もいるでしょう。
また、座椅子のように持ち歩きをするものではなく、家庭内で利用者が使う場所に設置するものになるので、外出先では座椅子を使わなくてはなりません。
電動昇降座椅子はどんな人に向いているの?
電動昇降座椅子を検討してみる価値があるのは、これまでの体の負担を軽減することや立ち座りの時に安定感を求めたい方などです。
床や畳への立ち座りが負担になる方
膝関節や股関節、腰痛など関節の痛みにより立ち座りに、強い負担を感じる方におすすめです。
関節の軟骨がすり減っていることや腰椎の圧迫骨折などがあれば、立ち座りをすることでさらに身体への負担をかけてしまいます。
できれば、それらの負担を軽減できる暮らしを実現できるようにするのが望ましいでしょう。
床や畳への立ち座りが不可能な方
一方、膝の人工関節に置換した方は、痛みという面では人工関節の手術によって無くなりますが、曲がる角度が自分の膝のように自由に曲がるわけではありません。
90~110度程度は曲がりますが、畳や床へ座ることができなくなります。
人工膝関節であまりにひねるような過度の力を加えるのは、良くないとされているので昇降座椅子なら快適に畳や床の高さまで降りることができます。
もちろん、人工関節なのでその位置まで降りても足を投げ出すかやや曲げるという姿勢になりますが、あきらめることなく立ち座りができるようにしてくれる魅力が電動昇降座椅子にはあります。
床や畳への立ち座りが不安定な方
また、脳梗塞などの病気で身体に麻痺がある方にもおすすめです。
片側しか正常に機能しない場合、麻痺があるとどこかにつかまることも思うようにできないために、床や畳からの立ち上がりや座るときに転倒してしまう可能性もあります。
誰か家族がいるときに介助をしてもらうことになり、その時しか座れない、立てないというのは、遠慮もあるものではないでしょうか?
体に麻痺があっても指で操作できるレバーなら、比較的操作もしやすく自立した暮らしを目指せるようになりますね。
電動座椅子は介護保険で利用できる
高額な電動昇降座椅子は、介護保険で適用されるものであれば、ぜひ、検討してみたいものですね。
いろいろな条件がありますが、検討してみることで安い費用でレンタルが可能になります。
要介護2から介護保険対象
介護保険で要介護2の状態であれば、電動昇降座椅子の使用が認められ月々の利用料は1割負担で済みます。
つまり、介護保険で残りの9割を負担してくれるようになります。
介護保険で利用する際には、ケアマネージャー、福祉機器販売・レンタル店と利用者で最適な機器を選んでいきます。
体の状態に応じて、シンプルな機能があれば済む方もいますし、日中、利用時間が長い方なら座椅子の背もたれがリクライニングする機能、座面が回転する機能もあるのでできるだけ快適なものを選ぶこともできます。
特例で認められる場合もある
しかし、介護保険では要介護2の状態に認められない場合でも、その利用者に昇降座椅子が必要だと認められた場合には、医師に必要な旨を書いた意見書を準備し、再度、介護保険の審査会にかけなおすこともできます。
たとえば、要介護1に介護度が下がってしまっても、利用者が必ず必要な状態だと認められれば、特例で使用を許可してもらえることもあります。
自費レンタルも安価で利用できる
介護保険の認定が1年、半年ごとにあり、その度に昇降座椅子のレンタルが認められるかどうか気になる方もいらっしゃるでしょう。
安心して継続して使いたいと思う時に、思い切って自費レンタルという方法もあります。
福祉器具の販売やレンタル業者では、介護保険で利用する方と自費でレンタルする方とできるだけ公平感が出ないような使い分けをした設定をしているところも多くなっています。
例えば、シンプルな機種であれば月々1,000円のレンタル料で済みます。
介護保険を使っていないため、自由に使いたい時に設置をしてもらえる柔軟性があり便利です。
概ね、介護保険でも自費レンタルでも、15日までの使用なら月額の半額を請求されます。
たとえ、月が変わり3日使ってレンタルを中止しても半額となるケースが多いので、時期を見極めておけば無駄なく使えるようになるでしょう。
電動座椅子のメンテナンスは?
電動昇降座椅子をレンタルしたとき、購入したときに、気になるのかメンテナンスではないでしょうか?
大人の身体を上げ下げする機能があるだけに、危険がないような正常な状態での使用が求められます。
利用者がしっかりとそれを認識しておくことも求められます。
誤って、何かの動作をしているときに昇降座椅子のレバーに触れると思いがけずに動くことになるので、利用者も家族も心得ておく必要があります。
レンタルでも購入でも、福祉機器の販売やレンタル業者がメンテナンスに応じてくれます。
昇降座椅子のメンテナンスで一番多いのは、操作したときの大きな金属音がでることぐらいです。
耳障りになるときもあるので、いつもと違うことに気が付いた時には業者に相談しましょう。
その際に、動きに問題がないかというところまでしっかりと確認してくれるので、より安心して使うことができるようになります。
まとめ
電動昇降座椅子は、福祉機器の中でも比較的広く使われているものです。
立ち座りが大変だったり、負担がかかり過ぎたりして座ることをあきらめている方にも、自分で昇降することができる気軽さを与えてくれます。
自分で動作ができることは、自立にもつながりますし何より自由に痛みなく動けるのは、暮らしに楽しさを与えてくれますね。
介護保険で利用、自費レンタルでの使用も可能なので、ライフスタイルや病状に合わせて検討してみませんか?