自分に合った座椅子を選んで腰痛になりにくい快適な生活を送ろう
私達の体はほんの少し生活習慣が変わるだけですぐに影響を受けてしまいます。
悪い姿勢で過ごしていれば体に不調が出てもおかしくないものです。
特に姿勢が悪くなりがちな座椅子と腰痛は切っても切れない関係といえるでしょう。
せっかく快適な座椅子を手に入れたのに腰痛を発症してしまっては元も子もありません。
今回は座椅子に座るときに腰を痛めてしまう原因と対策についてみていきましょう。
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S字カーブが基本
人間は霊長類として進化していく過程でS字カーブを形成する背骨を手に入れることができました。
4足歩行から木の枝を掴んで移動するようになり、やがて直立二足歩行をするようになったわけです。
ですがその弊害として腰に負担がかかるようになってしまいます。
S字カーブを描く背骨を有する動物というのは珍しく、生来的に獲得しているのは人間の特徴と言っても良いでしょう。
なお猿回しのおさるさんなどもS字の背骨だったりするので他の動物でも後天的にこの特性を得られるのかもしれません。
なぜS字カーブの背骨になるかというと、それはあらゆる衝撃を和らげるためです。
この世界には重力という強力な力のほか、歩行時にも足から衝撃が伝わってしまいます。
もし背骨が直線であったなら衝撃や重力が分散されず局所的に強い力がかかることになるでしょう。
そのため私達の体はS字をキープしておくのがベストな状態なのです。
ただそうは言っても難しいのが実際のところで、ついつい猫背になってしまいます。
猫背になるのは自然なこと
私達の体は基本的に猫背になりやすい体なのです。
なぜ猫背になるのかというと、それは背筋に比べて腹筋が強いから、となります。
腹筋が縮もうとするのに対して背筋の力が弱くつりあうことができず、結果的に腹筋に引っ張られる形で猫背になってしまうのです。
そして良い姿勢をしようとすると腹筋より弱い背筋を使うことになるため、自然と疲れてしまいます。
するとまた段々と猫背になっていく、というわけです。
特に運動不足になりがちな現代人は背筋を鍛える機会もそうそうないため、やはり猫背になることは当たり前のことといえるでしょう。
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イスが腰痛を加速させてしまう
背骨のS字カーブというのは直立時に最も理想的な形で描かれるようになっています。
そしてそれを支えているのが骨盤です。
直立時には骨盤が正しい位置にあるといえるでしょう。
ただし座るときに骨盤の位置が歪んでしまうと、途端にS字カーブは描かれなくなってしまうのです。
例えば椅子へ座るときには足を90度に曲げるものですが、このときに足に引っ張られるように骨盤が前の方へずれてしまうかもしれません。
すると背骨のS字カーブが崩れてしまい、重力の付加が分散されず、よって腰痛を引き起こすことになるというわけです。
またものすごい快適なふっかふかの座椅子があるとします。
こうした座椅子に深く腰を沈めると実に快適なものなのですが、今度は腰が反るようになりやっぱり負荷が集中するようになってしまうでしょう。
これらは先述したように骨盤の位置がずれてしまうために起こってしまう現象です。
ではどうすれば良いのかというと、答えは簡単で骨盤をきちんと椅子に立たせてあげればよいのです。
骨盤を立たせる
骨盤を立たせるというのはいわば直立時と同じ骨盤の形を保つということです。
その方法は骨盤の下端に存在する「座骨」をきちんと椅子につける、というものになります。
お尻を触ると両側に硬く飛び出た骨が見つかるはずです。
それこそが座骨で、これが椅子に当たっている状態が「骨盤を立たせる」状態ということになります。
イメージとしてはお尻の両側に存在する二本の棒を支柱にしているような感じです。
この座り方を意識していればS字カーブを保ちやすくなり座っているときでも重力の負荷を分散できるようになります。
また骨盤を立たせたとしても猫背になることは可能なので、できるだけ猫背にならないよう意識してみるのも良いかもしれません。
姿勢矯正機能のついている座椅子
もし腰痛になりやすく、その原因が座るときの姿勢にあるのなら姿勢の矯正ができる座椅子を使ってみることをおすすめします。
硬い素材でできていて、背もたれの部分が背中にフィットするように作られており自然とS字カーブを作ることができるはずです。
こうしたタイプの中には座椅子としてそのまま使えるだけでなく、椅子に置いて使えるものもあります。
ただ良い姿勢を保つことは疲れてしまうものです。
先述したように背筋の量が少ないと直ぐに疲労してしまうでしょう。
そんなときは寝そべってしまうのも良いかもしれません。
簡易的なベッドにもなる座椅子
座椅子の中には背もたれの角度を変更できるものがあります。
こうした座椅子を最大限にまで倒すと簡易的なベッドのように使うことができ、そのまま眠ることだってできるでしょう。
良い姿勢をするのも良い姿勢について考えるのにも疲れたなら寝っころんで休んでしまえば良いのです。
ただ横たわったまま微動だにしないと今度はそれが腰痛の原因になったりします。
そのため適宜ストレッチをしてみると良いかもしれません。
特に寝ながら腰のストレッチをするのは気持ちが良く気分もリフレッシュすることができるはずです。
それからリクライニングができることでより姿勢が悪くなりやすかったりもするので、腰痛を抱えている場合には注意しておくと良いでしょう。
少し楽な姿勢になりたいからといって背もたれを深くしてしまうと骨盤が足に引っ張られてしまい前の方にずれ、大きな負担が腰にかかってしまうかもしれません。
休むときは全て倒してしまい、座るときには余り背もたれを倒しすぎないように使うと良いでしょう。
夢のようなふかふか座椅子
通称「人をダメにするソファ」として知られるビーズクッションの詰まった座椅子は本当にリラックスできるものです。
一度沈み込んだら最後、もう何でも良くなってしまうような感覚に陥ってしまうでしょう。
もしストレスを抱えているときにこのソファに倒れ込んだなら癒しに包まれ気付いたら寝ているかもしれません。
腰痛にならないための対策
ただこのソファ、腰痛の原因になる可能性もあります。
体にフィットするように沈み込むのでS字は崩れ、身動きが取り難くなってしまうため血流も悪くなるかもしれません。
つまるところ腰痛になりやすい状況を作ってしまうのです。
癒されたいのに座ってしまうと腰が痛くなる(かもしれない)という悩ましい特性を兼ね備えているといえるでしょう。
ではどうすれば良いのかというと、それは寝転んで体をごろごろさせれば良いのです。
同じ姿勢を取らなければ血行は阻害されず、寝てしまえば骨盤の形も関係ありません。
腰痛を気にせずにふかふかな感触を堪能することができるはずです。
また、腰痛が特に無いのなら好きに使ってしまっても構わないでしょう。
思いっきり自分が好きな姿勢でだらだら過ごすのがこの座椅子のベストな使い方ともいえます。
腰だけでなく精神の健康も同じくらい大事なので、心が磨り減っているなら心の休息を優先すれば良いのです。
まとめ
座椅子は腰痛になりうる要因を秘めていますが、きちんと利用すればその心配はありません。
また姿勢を矯正するタイプのものも存在するので、むしろ良い姿勢を保てるようになり腰痛を解消させることができる可能性すらあります。
ただリクライニング式のものやビーズクッションの詰まったものは姿勢を崩しやすいので、腰痛を患っているときには注意が必要です。
ともかく、座椅子は使い方さえ分かれば非常に快適な道具なので上手に付き合っていきましょう。