腰痛持ちで椅子に座るのが痛い?5つの原因についての考察と2つの対策
腰痛を持っている方で、普段は痛くないのに椅子に座ると痛くなるという人がいます。
また、腰痛の治りかけで椅子に座った時だけ痛いという人もいます。
それだけ椅子に座るということが何かしらの原因になっていると思うのですが、でも椅子に座ると腰が痛い原因が何なのかよくわからないという方も多いかもしれません。
そこで今回、腰痛で椅子に座るのが痛いという原因を5つ挙げ、その対策について考えてみました。
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腰痛持ちで椅子に座るのが痛い原因
腰痛持ちの方で、椅子に座るとなぜか腰が痛くなる方がいるということを冒頭でお話ししましたが、この腰が痛くなる原因について、5つの項目に分けてまとめてみました。
椅子に座って腰が痛いという方は、このうちのいずれか、または複数の原因が絡まり合って痛みが出ている可能性が高いと言えます。
原因1:長時間座っているので痛い
この原因は、筋肉の疲労によるものが大きいと言えます。
筋肉は長時間同じ姿勢を取っていると疲労を起こし、徐々に筋肉が緊張して硬くなっていきます。
更に硬さとともに血行が悪くなり、緊張が強まるという悪循環を起こすのです。
そうなってしまうと、上半身の体重を支えている腰椎(背骨)や腰の筋肉に無理がかかって炎症や痛みを起こし、更に悪循環に陥ります。
その痛みの悪循環は長時間座れば座るほど悪化することもあります。
ヘルニアや坐骨神経痛の症状がある方だと余計強く感じるかもしれません。
原因2:不良姿勢で座っているので痛い
座るとリラックスしてしまい、ついつい悪い姿勢(不良姿勢)で作業を行ってしまいます。
例えば、肩が上がる、顎が前に出る。
これだけで猫背になってしまい、腰椎や背中の筋肉に負担がかかってしまいます。
更に足を組んだりしてしまうと背骨の関節がねじれて更に強いストレスがかかってしまうのです。
また、骨盤が後ろに傾くような姿勢(お尻が前に行ったような姿勢、骨盤が寝てしまった状態)になると、背骨に対し大変ストレスがかかった状態になり、腰が痛くなります。
これらの不良姿勢を続けてしまったら、下手をすると、この姿勢が原因で腰痛でない人まで腰痛を引き起こしてしまうことすらあります。
原因3:座る時、立つ時の動作が問題で痛い
座る時の動きをゆっくり行ってみてください(イメージでも構いません。)。
多くの方がお辞儀をするような姿勢(前屈姿勢)を取ってから座面に座ります。
このような前屈が強い姿勢を取ると調子の悪い腰の筋肉が不意に伸ばされてしまい、痛みが出ます。
また椎間板を前屈した背骨が押しつぶすような動きになるので、ヘルニアなどがある場合は、そのまま大変なストレスがかかって痛みが出たり、時に足のしびれすら出たりします。
実はこの前屈姿勢、立ち上がる時も同様に起こるので大変な痛みを伴います。
座った時の動きで出た痛みが座っている間も余韻を残し、立ち上がる時再現されてしまうという状態が起こってしまうのです。
原因4:座っている椅子が問題で痛い
座っている椅子が問題となって腰痛の原因になっていることも珍しくありません。
例えば、椅子の高さが極端に低かったり、高かったりした場合、座面がとても硬い場合、背もたれがないかあってもまっすぐ、座面が良く滑るなどです。
問題の椅子の例、分かりやすいのが小中学校の頃にあった木製の椅子です。
あの椅子は成長が合わないと極端に低かったりしますし、座面が非常に硬い(しかも滑る)、背もたれもびっくりするくらいまっすぐでしかも少ししかない。
まさに今挙げた負担のかかる椅子の典型例です。
必要な数の多さや、堅牢性、生産のコストなどを考えるとやむを得ないのでしょうが、残念ながら腰には悪いのです。
若かったので気にならない方も多かったはずですが、腰痛持ちの生徒には地獄のような椅子だったのではないでしょうか。
こういった椅子は姿勢が崩れやすく、また姿勢が崩れた際の補正が働きません。
原因5:椎間板に負担がかかっているので痛い
腰の痛みと椎間板のコンディションの関係がかなり高いと言われています。
椎間板は前の項目でもたびたび出てきましたが、腰の背骨(腰椎)同士をつなぐクッションのような役割をしています。
そんな椎間板が炎症を起こしたり、ヘルニアを起こしたりするとたちどころに腰痛を起こすのです。
それらの症状が落ち着いていても、椎間板に負担がかかると再燃しかねませんし、違和感や痛みを起こすこともあります。
この椎間板にかかる圧力(ストレス)が座っている時に高い数値を示すのです。
海外のある研究では、立っている時の椎間板の圧力を100、仰向けで寝ている時の姿勢を25とすると、座っている時の姿勢は140。
つまり、立っている時の1.4倍、仰向けに寝ている時の実に6倍近い圧力がかかっているのです。
こんな状態で座っているのですから、痛くないはずがありません。
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どうすれば座った時の痛みが軽減されるのか
椅子との付き合い方を間違えると、腰に大変なストレスや痛みが起こってしまいます。
このような状態についてより良い状態にするにはどのようにすればいいでしょうか?
それは椅子を変えることや椅子以外の環境を変えることです。
この項目ではそれらの対策についてお話しします。
椅子を変える
先ほどの椅子のチェックをしてみて、変更可能であれば、椅子を変えることをおすすめします。
もちろん、どんな椅子に換えたらいいのかということについて説明は次の項目で行っていきます。
椅子を変えることによって負担は大幅に下がり椅子による腰痛を改善することができます。
椅子以外の環境を変える
椅子が変えられない状況、例えば学校であったり、職場の規則であったりした場合の対策を説明します。
まず椅子の高さを調整します。
調整できるものであれば、椅子を調整します。
調整できないものであればクッションを使います。
クッションを使えば、座面の状態も改善しますし、高さの調整もできます。
また、座る姿勢を変えるのもポイントです。
詳細は後の項目で説明します。
おすすめできる腰痛対策の椅子選びのポイント
腰痛の対策として、前の項目で椅子を挙げましたが、この椅子についてのポイントをいくつか説明していきます。
極論を言うと学校の椅子の逆を選べばいいのです。
そして、肝心なことは実際に座ること。
これも今から説明します。
座面の硬さは適切か
硬い座面の場合お尻が痛いのもありますが、椎間板や腰椎、筋肉へ上半身の重さがまともにかかってしまいます。
硬さはある程度柔らかいものが重要なポイントです。
重さをある程度干渉してくれるからです。
ただ、柔らかすぎるのも問題です。
不良姿勢になりやすく骨盤が後傾(寝てしまう状態)してしまうためです(骨盤が寝てしまうとそのまま猫背になってしまう。)。
また、滑りやすいものも骨盤が寝てしまう原因になるため問題になりますから、そういう意味でも適度な硬さが必要なのです。
人間工学に基づいたものか
人間工学という言葉があります。
これは椅子の場合、椅子が人間の体型、身体のラインにフィットしたものかということです。
この人間工学に基づいたものは、座った人へ椅子がフィットするによっては猫背を補正して、不良姿勢の改善を促してくれるのです。
持ち運びしやすいか
椅子は案外動かす機会が多い家具です。
掃除のときはもちろん、人が通る時なども動かします。
この時動かしにくいものだと、下手に座りながら動かそうとしたら、その直後腰痛が悪化したり、腰痛を引き起こしたりします。
調整できるか
高さの調整ができるかどうかは非常に重要です。
椅子の高さによって不良姿勢を引き起こすからです。
この椅子の高さは、もちろん人によって異なりますから、調整の可否は非常に重要な要素と言えます。
座り心地を試すことができるか
服や靴は購入する時、多くの場合自分にサイズがあっているか、着心地履き心地はどうかということを試します。
椅子も服や靴と同様実際に座って感覚を試してみるということは非常に重要です。
どんなに高額な椅子を買っても自分にフィットしないという事態もあるからです。
そう言う意味では身体にも財布にもフィッティングは重要なのです。
椅子を選べない時の腰痛対策
学校であったり職場であったり、環境が椅子の変更を許さない場合もあります。
そういった場合の対策についてもお話しします。
また、椅子を変えた後、これらの方法を併用するというのも有効な手段です。
高さを変える
高さを変えることが重要です。
ひざ下くらいの高さにもっていくことで座りやすさや腰への負担が減るからです。
クッションを使う
座面の改善に有効です。
滑りにくさを加えたり、硬さを調整したりできるからです。
また、高さ調整のできない椅子に対して調整を行う際にも十分活躍してくれる道具でもあります。
座り方を変える
座り方を変えるだけでも負担が減ります。
肘を直角にして、椅子に深く座り、骨盤を立てて(前傾させて),膝も直角にします。
更に足裏が全面地面についていれば、かなり腰への負担が減ります。
こまめに動く
長時間の同一姿勢は腰に負担がかかるので、30~1時間に一回程度はこまめに立ち上がることをおすすめします。
これを行うだけで腰部の筋肉の血行不良を改善することができるからです。
まとめ
椅子と腰痛の原因についてお話ししました。
座り方から立ち方、姿勢はもちろん椅子自体の原因にも触れさせていただき、その対策もお話ししたつもりです。
椅子に座ることと腰痛とは、(腰痛持ちの方なら痛感していると思いますが)大変密接な関係があります。
椅子を工夫したり、思い切って椅子自体を変えたりして、姿勢や動きに気を付けながら椅子に座った時に腰痛の悩みが少なくなってもらえたら幸いです。