腰痛予防に効果的な椅子? エルゴノミクスチェアの魅力と注意点について
座り仕事が多く腰が悪く腰痛持ちの人は「椅子を換えた方が良いのでは?」と感じる事も多いのではないでしょうか。
椅子について調べると「エルゴノミクス」というワードを見かける人も多いのではないでしょうか。
日本では馴染みの薄い言葉ですが、腰痛持ちの人にとってこのタイプの椅子はとても重要だったりします。
今回は、エルゴノミクスチェアの魅力と、実際に購入する時の注意点についてまとめました。
参考にしていただけたら幸いです。
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そもそもエルゴノミクスデザインって何?
エルゴノミクスは、日本語では「人間工学」と呼ばれる分野です。
人間工学では「自然な動作・状態」を重視し、使用中にも自然な動作・状態で作業が続けられるように実際のデザインへ取り込み、反映する学問です。
また、作業を円滑に進められるように整え、効率的かつミスを減らすための研究などを行う分野でもあります。
製品に「エルゴノミクスデザイン」と使われているのであれば、この分野の技術を応用した、より使いやすく・負担が少ない・無理のない使い方が出来る道具と考えていただけれほぼ合っています。
例えば、今回の主題である「椅子」であれば、エルゴノミクスデザインの椅子は座る事で自然と腰や背中、太腿裏への負担が少ない姿勢に導いてくれる上、長い時間その姿勢を維持しても身体自体が疲れにくいようなデザインがされているもの、といった具合になります。
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エルゴノミクスチェアを使う利点は?
先にも書いたように、エルゴノミクスデザインでは「人体にかかる負担」を計算して作られているものが大半です。
通常の椅子に比べると非常に複雑なデザインになっている事が多く、座った時の感覚が通常の椅子とは大きく異なっているのが特徴です。
そのため椅子の場合にも本来は長時間維持するのが辛い「正しい姿勢」を自然と維持できるような形状になっており、結果として長時間の作業でも疲れを感じにくくなる、という利点があります。
また、座り仕事で最も酷使しやすいと言われる「腰」への配慮にもかなり力が入れられているため、腰痛持ちの人や今はまだ大丈夫だが今後腰痛が気になる人なども、緩和・予防の意味ではとてもおすすめです。
エルゴノミクスチェアを使う時の注意点は?
座り仕事の多い人にとっては非常に有用なエルゴノミクスデザインですが、購入する前に、注意しないとならない点も多いです。
大きな点を挙げると以下のようなものがあります。
●場所を取る・コストが高い・動きづらい等の点があります。
特に注意点として目立つのは椅子自体の大きさです。
通常のデスクチェアと比べると一回りから二回り程度大きめに作られている事が多く、特に背もたれに関しては「ハイバック」と呼ばれる肩~頭までをフォローしてくれるタイプのモノを採用している事が多いため椅子にしてはかなり場所を取ります。
そのため、省スペースで作業している人の場合には、椅子をずらして何かをしたり、机の下の物を取ったり、といった事が難しくなります。
エルゴノミクスチェアのその他の注意点「コスト」
エルゴノミクスデザインを採用している椅子の多くは、値段が少し高めな事が多いです。
安い製品でも2~3万円、高い物では10万円以上するなど、決して「安い」と言える金額ではありません。
決して安くはない椅子ですが、使ってる人の意見として多いのが「腰の治療費よりは安い」「腰の換えは効かない」という話です。
実際、腰は日々無意識に負担がかかる部位のため、根治させるのは難しい部位です。
そのためどうしても通院は長く続き最終的なコストは意外とかかります。
そういった点を考えると少し高いとはいえ椅子1脚で未然に防いだり、軽度で抑えてくれるという意味では意外と魅力的だと思います。
ちなみ、このタイプの椅子でおすすめされやすいのは4~6万円の価格帯の物が多いですが、正直それ以下の物でも特別に困ることは少ないです。
筆者自身が使っているのは、このタイプの椅子としては非常に安い2~3万円程度の物ですが、特に困ったようなところはありません。
ですが、やはり高い椅子と比べると表面の生地が剥がれたり、ボロボロになることは多いため、扱いには注意は必要かもしれません。
エルゴノミクスチェアのその他の注意点「動きづらい」
このタイプの椅子は、多くがバケットシートと呼ばれる形状になっています。
バケットシートは、「バケツ状の座席」といった意味であり、座った時にお尻や腰、背中を深く包み込むような形状になっています。
激しい動きが多いF1レース用の車両などで使われていた技術のため、単純に座るだけでも身体を椅子にしっかりと固定してくれるのが特徴です。
そのため、腰への負担を気にする人や姿勢が悪い人にはとてもおすすめなのですが、座った状態で大きく動くことが出来ません。
あくまでも机上での作業時の負担の少なさを重視しているため、椅子をガーっと転がして座ったまま隣の席の人のほうへ行ったり、椅子から身を乗り出すような態勢は取りやすく出来ていません。
エルゴノミクスチェアを選ぶときに気にしたい事
エルゴノミクスチェアを選ぶときには、注意したい事があります。
全体的に見ると、背もたれは頭までカバーするような「ハイバック」がおすすめです。
シートに関しては個人の好みもありますが、長時間座ることが多い場合にはバケットシートタイプのものが座る時に安定するためおすすめです。
椅子にすっぽりと収まる感覚は最初は慣れないと思いますが、慣れると身体に余計な力を入れずにしっかりと固定できるため、作業中の疲れなども感じにくくなります。
足を置くためのオットマンが搭載されているものもありますが、これは個人の趣味で選ぶ程度です。
あれば便利ですが、無くても困ることは稀です。
用途別に考えるエルゴノミクスチェアのおすすめ「岡村製作所Shift」
エルゴノミクスチェアのイメージとはかけ離れた非常にシンプルなデザインをしているのが、岡村製作所から発売されている「Shift」です。
まず驚くのはそのシンプルさです。
エルゴノミクスチェアに多い、大きな外観ではなくちょっとお洒落なオフィスチェア程度のデザインになっています。
そのためオフィスに置いた時の圧迫感が少ないのが大きなメリットです。
また、この椅子は用途を「ノートPCでの作業向け」に絞った作りになっています。
ノートPCはデスクトップPC以上に姿勢が悪くなりやすいため、ノートPCを使っていて腰痛や姿勢の悪さが気になる人にはおすすめの1脚です。
用途別に考えるエルゴノミクスチェアのおすすめ「DXRACER DXR-BKN」
いかにもエルゴノミクスチェア、といった外見をしているのがゲーミングチェアブランドであるDXRACERの「DXR-BKN」です。
絵にかいたようなエルゴノミクスチェアでハイバック仕様の背もたれやバケットシートタイプの座面になっています。
座面が布製という点も重要です。
レザー製の椅子に多い「夏場の気持ち悪さ」がない点とレザーと比べて劣化が目立たない点は地味ですが良いポイントです。
また、同ブランドから背を低くして幅を広げたタイプなど複数のタイプが発売されているため、自分の体格に合わせた選択が出来るのも特徴の一つです。
デメリットは、大きさです。
背もたれが大きいため実際に設置するとかなりの閉塞感が生まれます。
自室や省スペースに置く予定の人は要注意です。
まとめ
エルゴノミクスチェアは体型や作業スタイルにぴったりとハマればかなり快適で、座っている間の腰痛を軽減することも出来ます。
大きさや幅などもたくさんの種類があるため、「大柄・小柄だから合う椅子が無かった」という人にもピッタリの椅子が見つかる可能性があるのも魅力の一つです。
最初こそ、すっぽり収まる感覚が変な感じですが、慣れてしまうと他の椅子が座りづらく感じるくらい快適になるため、腰痛持ちの人や腰の具合が気になる人は一度検討してみるのもおすすめです。