関節ねずみって何?膝痛の原因になる関節内遊離体の症状や治療法について
膝痛は誰にでも起こる可能性のある症状になります。
その膝痛の原因となる「関節内遊離体」という症状をご存知でしょうか?
関節内遊離体と聞くと分からない方が多いかと思いますが、「関節ねずみ」と聞けば、なんとなく分かるという方もいるかと思います。
それでは、膝痛の原因となる関節内遊離体について詳しく解説していきます。
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目次
関節内遊離体・関節ねずみとは?
関節内遊離体は関節ねずみとも呼ばれており、関節の軟骨や骨の一部分が損傷し、その破片が関節内を鼠のように動き回る症状になります。
関節遊離体が発生する部位は、膝関節や足関節、股関節や肘関節になり、膝関節が最も発生する割合が高くなっています。
関節の骨や軟骨が傷つくことにより発生した破片は、動物の鼠のように動き回ります。
そして、その破片が鼠のように動き回ることにより、関節の狭いスペースに挟まったり、引っかかったりしてしまう場合があります。
そのようになると、関節の動く範囲は制限され、強い痛みを感じてしまいます。
膝が全く動かなくなるロッキング現象を起こすと、歩くことが難しくなります。
ですが、骨や軟骨の破片が移動して外れると、ロッキングは解除され、痛みは治まり、普通に歩けるようになります。
そのため、膝痛が治ったと勘違いする場合もありますが、再び破片が関節に挟まると関節の動きは制限され、強い痛みを感じてしまいます。
関節ねずみが原因となっている膝痛は、破片を取り除かないと関節の可動域の制限や痛みを繰り返し感じることになり、関節の正常な骨や軟骨も損傷させてしまうため、変形性膝関節症を起こす原因にもなります。
比較的小さい破片(遊離体)ですが、滑液(関節液)から栄養素をもらうことで大きくなってしまうことがあります。
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関節内遊離体・関節ねずみの原因
膝関節内に遊離体が発生する原因は、膝の障害や病気などが考えられます。
その障害や病気は、変形性膝関節症・半月板損傷・神経病性関節症・離断性骨軟骨炎・結核性関節炎・滑膜軟骨骨腫症などになります。
このように、膝を酷使しすぎて、関節に強いダメージを受けることによって、欠片(遊離体)が発生してしまう場合や、病気や加齢が影響して軟骨がすり減りやすくなり発生する場合、腫瘍が骨にできることで骨を損傷して発生する場合などがあります。
肘関節に遊離体が発生しやすいスポーツは、野球やテニスやゴルフなどで、肘を使いすぎるのが原因として起こるケースが多くあります。
ちなみに、膝や足や肘などの関節内遊離体を起こしやすいスポーツは、野球・ソフトボール・バスケットボール・ゴルフ・テニスなどになります。
関節内遊離体・関節ねずみだと思われる症状
鼠のようにチョロチョロ動く遊離体が発生する症状は、以下のようになります。
- いきなり膝の曲げ伸ばしが困難になり、強い痛みが出る。
- 膝に違和感を覚えて、膝の可動域が制限される。
これらの症状が現れた場合は、関節内遊離体だと思われます。
関節内遊離体かもしれないと思ったら、整形外科のある病院で診察を受けることをおすすめします。
遊離体が発生し、膝痛を起こすと、炎症により関節水腫が起こることもあります。
関節水腫とは、簡単に説明すると「膝に水が溜まる」と表現されることの多い症状のことになります。
整形外科での診断方法
整形外科に行ったら、まずは受付を行い、自分の順番がきたら問診を行います。
問診で膝痛の原因が何なのかある程度絞り込み、視診や触診を行います。
それらの検査で、膝の状態を確認し、更に原因を絞り込んでいきます。
そして、視診や触診では調べることのできなかったことをレントゲン検査で調べていきます。
ケースによっては、レントゲン検査以外にもMRI検査などを行うこともあります。
関節内遊離体・関節ねずみの治療法
遊離体(骨や軟骨の破片)が小さく、症状が軽度の場合は、手術を行わず様子を見ることもあります。
しかし、ほとんどの場合は、関節ねずみである遊離体を除去する手術を行うことになります。
遊離体を除去する手術は基本「関節鏡視下手術」という手術になります。
この手術は、体にかかる負担が比較的少ないため、比較的早くいつもの生活に戻ることが可能となります。
手術の内容としては、まず膝周りを何カ所か切ります。
そして、その切った部分に、関節鏡という小型カメラや手術器具を挿入して、モニターを見ながら手術を行います。
膝関節内の状況が悪くなければ比較的短い時間(1時間くらい)で手術は終わります。
手術によって遊離体が除去されれば、膝は動きやすくなり、遊離体による痛みはなくなります。
そして、手術によるダメージが回復し、リハビリを行えば、普通に身体を動かすことが可能となるため、運動をすることもできるようになります。
関節内遊離体・関節ねずみの予防法
関節内遊離体を予防するには、関節の障害や病気を予防しなくてはいけません。
そのため、病気やスポーツでの急性の怪我、事故などが原因となる関節内遊離体を予防することは非常に難しいことですが、疲労や加齢などが原因となる場合は、いくらか予防することは可能となります。
その予防方法は、膝周辺の筋肉を鍛えることや、肥満を防止することになります。
膝周辺の筋肉を鍛えること
では、なぜ膝周辺の筋肉を鍛えることが関節内遊離体の予防になるのかというと、膝周辺の筋肉を鍛えることは、膝を強くすることに繋がるためです。
膝を強くすることにより膝の耐久性が高まり、膝関節を痛めにくくなることが見込めます。
また、疲労の蓄積が膝を痛める原因となるため、オーバーワークにより膝を酷使し過ぎている場合は、休養をして膝を休ませることも大切になります。
膝周辺の筋肉を鍛えるには、筋肉トレーニングがおすすめです。
大腿四頭筋やハムストリングスなど膝周辺の筋肉を、スクワットなどの筋肉トレーニングで鍛えてあげましょう。
ただし、無理な筋肉トレーニングは逆に膝を痛める原因となり、遊離体が発生する原因にもなるので注意しましょう。
肥満を防止すること
膝痛は太り過ぎも関係しているので、肥満を防止することも遊離体の発生を防ぐ方法となります。
膝には本人の体重がかかるため、体重が増えれば増えるほど膝には負担がかかることになります。
そのため、肥満になると膝痛に繋がる恐れがあり、膝を痛めると遊離体が発生してしまうこともあるため、食生活を改めたり、適度な運動をしたりして肥満を防止しましょう。
膝の動きに影響を与えるその他の障害や病気
膝の動きに影響を与えてしまう障害や病気は、関節内遊離体以外にも様々あります。
膝に滑液(関節液)が溜まってしまう関節水腫や、主にスポーツで起こしてしまう半月板損傷・離断性骨軟骨炎・タナ障害・膝蓋軟骨軟化症、主に老化や膝の使い過ぎで起こる変形性膝関節症や膝蓋大腿関節症、主に病気や身体の機能の異常で起きる骨軟骨腫や神経病性関節症などがあります。
これらの症状の中には、関節内遊離体に繋がる障害や病気があります。
特に、中高年に多い膝痛である変形性膝関節症が、関節内遊離体に繋がるケースは多くあります。
まとめ
以上、膝痛の原因となる関節内遊離体(関節ねずみ)について詳しく解説してきましたが、いかがでしたか?
関節内遊離体を起こすと、関節内で遊離体が鼠のように動き周り膝の動きを制限したり、痛みが出たりするため、とても厄介な症状になります。
そのため、その遊離体を手術で取り除くことが大切になります。
遊離体が発生すると、生活やスポーツに支障をきたすため、適した治療を行い治すようにしましょう。