ハンコン(ハンドルコントローラー)の定番メーカー「スラストマスター」に迫る!
ハンコンの中でも良く目にすることの多いスラストマスター(Thrustmaster)ですが、その実像についてはあまり語られることはありません。
単に「ハンコンのメーカー」として知られているのが現状です。
ですがスラストマスターには独自の歩んできた歴史やオリジナリティが存在します。
今回はそんなスラストマスターと同社の製品についてじっくりとみていきましょう。
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目次
最初は飛行制御ユニットに注力していた
スラストマスター社は1990年にアメリカのオレゴン州に設立されました。
当初はIBM向けのシミュレーション用飛行制御ユニットの開発を手がけていた形です。
その後、質の高いHOTAS(Hands On Throttle And Stick:スロットルとスティックを一体にした飛行機用の操縦装置)を作るメーカーとして知られるようになります。
このHOTASの売上は年々伸び、1998年には25百万ドルを売り上げました。
現在ではハンコンのイメージが強い同社ですが、元々はシミュレーション用の飛行制御ユニットで有名なメーカーだったのです。
そして1999年にはフランスのGuillemot Corporation Groupに買収されることになり現在まで続きます。
以降は主にゲーム機やPC向けのレーシング用周辺機器を製造販売することになるのでした。
なおスラストマスターの親会社であるGuillemot Corporationは世界的に拠点をもつハードウェアメーカーです。
スラストマスターのほかにはオーディオ機器を手がけるヘラクレスとDJ用ソフトウェアを手がけるジュースというブランドを擁しています。
ゲームないし音楽のフィールドで若者向けのハードウェアを展開する企業といえるでしょう。
HOTASとハンコンが主軸
買収された1999年、スラストマスターはフェラーリのコントローラーのレプリカである「FERRARI 360 MODENA」を発表します。
1万円を切る価格で発売されたこの製品はフェラーリのライセンスを受けたものでした。
ステアリング部分のみならずフットペダルや卓上用のクランプも備えています。
2002年にはHOTAS COUGARを発売。
この製品は戦闘機のF-16を模したコントローラーで、何とUS空軍とのパートナーシップを結んで作られました。
同年には他にもミハエル・シューマッハの乗っているフェラーリF1モデルのコントローラーなどもリリースしています。
2005年にはPSP、2007年にはWii・DS・PS3といったコンソール機の領域へと進出した形です。
携帯ゲーム機用のスラストマスター製品というと疑問符が浮かぶかもしれませんが、実際にはWiFiなどがリリースされています。
スラストマスターはハンコンだけではなく色んな周辺機器を扱っているのです。
以降はHOTASとハンコンを中心に展開していくことになります。
ハンコンと同じぐらいHOTASにも注力しているので、飛行制御ユニットの世界でもスラストマスターの名前を見ることがあるかもしれません。
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スラストマスターの技術
スラストマスターはハードウェアの開発に力を入れてきた企業で、独自開発した技術もたくさんあります。
その一部をみていきましょう。
まずは2009年に公開された「H.E.A.R.T HALLEFFECT ACCURATE TECHNOLOGY」はスラストマスターが強く推す技術です。
これは一言で言うならプレイヤーのコントロールを検知する独自のセンサーとなります。
それまで機械式で検知してきたプレイヤーの動作をこのシステムでは磁気式の検出システムによって検知できるようになりました。
従来の製品よりも高い精度で検知できるようになり、よりスムーズな操作感の実現を可能としました。
また機械式ではないため劣化が進みにくいという点も特徴的です。
この技術は主にハイエンドなハンコンに採用されています。
それからリアルな挙動に欠かせないフォースフィードバックについても工夫がされています。
製品の中でもT500RSに使われているものは産業用レベルのモーターで、精度と反応速度に優れたパーツです。
本物のモーターを使うからこそ表現できる世界がそこにあります。
細かいところではハンコンのボタン設定ができるという点も見逃せません。
ユーザーが使いやすいように設定できるというのは大きなメリットです。
レプリカコントローラーも多数手がけている
スラストマスターの歴史でも触れましたが、同社はUS空軍及びフェラーリとパートナーシップを結んでいます。
そのため本物そっくりのレプリカコントローラーをいくつも開発しているのです。
戦闘機F-16やA-10Cで採用されているコントローラーそっくりのHOTAG CougarやHOTAS Warthog。
フェラーリ関連ではFerrari F1 Wheel Add-OnにFerrari 150°ItaliaやFerrari F430 Force Feedback Racing Wheel PCを開発しています。
本物同様のレプリカコントローラーを作る企業としてもスラストマスターは一流です。
定番のPS用ハンコン「T80 Racing Wheel」
プレイステーション3及び4用の定番のハンコンといえばこの「T80 Racing Wheel」です。
価格も1万円前後とハンコンの中では安価で、手に入れやすいものに仕上がっています。
ステアリングホイールのほかにペダルも付属している形です。
注意点としてはPCには対応していないという点。
あくまでもプレイステーション3か4用のコントローラーであるということは確認しておきましょう。
ボタン配置もデフォルトのコントローラーに準拠していて扱いやすいといえる製品です。
なお残念ながらフォースフィードバックには対応していません。
そのためリアルな振動を感じることはできませんが、それでも通常のコントローラーよりは臨場感を味わえるはずです。
ハンコンに興味はあるものの大きなコストをかけたくない場合の選択肢となるでしょう。
FFB付きの定番「T150 Force Feedback Racing Wheel」
より本格的なハンコンを体験したいときに試したいのが「T150 Force Feedback Racing Wheel」です。
この製品にはフォースフィードバック機能が搭載されているため本物の臨場感を味わうことができるでしょう。
なおプレイステーション3及び4の他にPCにも対応している点は嬉しいところです。
ハイエンドの世界を体験できる「T-GT Force Feedback Racing Wheel」
ハイエンドなハンコンの候補として挙げられるのがこの製品。
その価格は約10万円と最早ゲームの周辺機器の相場ではありませんがそれだけ本格的なものに仕上がっています。
先述した「H.E.A.R.T」や高精度モーター「T-40VE」など様々なテクノロジーが詰まったハイエンド製品です。
フェラーリの気分が味わえる「Thrustmaster TX Racing Wheel Ferrari 458 Italia Edition」
スラストマスターがパートナーシップを結んでいるフェラーリの実車をモデルとした製品になります。
フォースフィードバックと「H.E.A.R.T」を搭載しているので臨場感はたっぷり。
フェラーリが好きな方におすすめの製品です。
まとめ
スラストマスターとその製品についてみてきました。
HOTAGとハンコンの両輪で開発を続けるスラストマスターは今後も新しいテクノロジーでユーザーを驚かせてくれるでしょう。
ハンコンのラインナップも豊富なので選びがいがあります。
ハイエンドな製品は高価ですが、その価格に見合った世界をみせてくれるでしょう。
といってもお高いものなので、まずは安価なものから試すことをおすすめします。