各パーツとマザーボードの関係! 規格に注意
自作パソコンやBTO(Built To Order:自分でパーツを選んでパソコンを注文すること)のために知っておいた方が良い知識は色々とあります。
中でもマザーボードの知識は重要で、ここを疎かにしてしまうとトラブルの原因ともなってしまいます。
特にパソコンのパーツとマザーボードは密接な関係にあるため注意が必要なのです。
目次
マザーボードを見るときのポイント
マザーボードというパーツはいわゆる基盤です。
パッと見ても何がどう作用しているのか分からないかもしれません。
無数のコンデンサやトランジスタ、抵抗などが取り付けられていて難しそうなパーツに見えるでしょう。
ですがそうした細かいパーツはどうでも良いのです。
無いと思っても構いません。
重要なことは各パーツとマザーボードの関係のみなのです。
では各パーツとは何かというと、パソコンのほぼ全てのパーツとなります。
具体的には以下のパーツです。
●CPU
●メモリ
●記憶装置
●電源
●グラフィックボード
●I/Oポート
これらのパーツとマザーボードの関係について見ていきましょう。
マザーボードのCPUソケットとCPUの関係
CPUは中央演算装置というパソコンの演算処理を担当するパーツで、いわゆる心臓部にあたるものです。
数多く発売されているCPUですが、何にでも取り付けられるわけではありません。
マザーボードに備えられている「CPUソケット」に合致するものでなければ取り付けられないのです。
CPUソケットは「LGA○○○○」というように表記されています。
LGAとはLand Grid Arrayと言うもので、日本語にすると「ランド格子行列」とでもなるでしょう。
ランドと呼ばれる高密度の平面電極が格子状に行列している様を表しています。
例えば「LGA1150」という規格は1150のランドを有しているということになるのです。
そのため基本的に昔のCPUソケットは数値が少なく、最近のものほど高くなっています。
仮にマザーボードのCPUソケットがLGA1150で、CPUがLGA1155にのみ対応している場合、取り付けることはできません。
特にCPUは安いものでは無いので事前にマザーボードのソケットの確認が必要となります。
また、中古の自作パソコンの場合であってもこの点は重要です。
メモリは世代ごとにマザーボードを交換する必要あり
メモリは主記憶装置と呼ばれるパーツで、プログラムを読み込むパーツです。
ここに読み込まれたものをCPUが処理していきます。
このメモリにはDDRという接頭語が付き、世代ごとに「DDR2」「DDR3」「DDR4」などと名づけられている状況です。
そしてメモリの世代とマザーボードのスロットの形が合わない限り取り付けることはできません。
メモリの形状を見ると、端子の真ん中のあたりに切れ込みが入っていることが分かります。
また、マザーボードのメモリスロットにもその切れ込みに対応するような出っ張りが確認できるでしょう。
この切れ込みですが、これは世代によって位置が異なります。
いくらマザーボードが対応していないメモリを入れようとしても切れ込みの位置が異なるため物理的に取り付けられないわけです。
例えばマザーボードがDDR4に対応しているならメモリもDDR4を手に入れれば良いと言えます。
なお左右の向きを間違えて入れようとしても取り付けられないので注意が必要です。
マザーボードと記憶装置はコネクタに注意
記憶装置というのはハードディスクやSSDといったもので、実質的なデータの保存領域です。
補助記憶装置とも呼ばれています。
なぜ「補助」なのかというと、演算と言う観点から見るとメモリが主で記憶装置は補助となるからです。
この記憶装置とマザーボードの関係で最も大事なことはコネクタです。
コネクタには大別すると「IDE」と「SATA」があります。
IDEは古いタイプのもので、特に中古自作パソコンを作るときに見かけることがあるかもしれません。
近年のパソコンではほぼSATAというコネクタが使用されています。
そしてSATAにも転送速度により世代があり「SATA」「SATAII」「SATAIII」と進化していますが、こちらはメモリのように神経質になる必要はありません。
例えばマザーボードがSATAに対応していて記憶装置がSATAIIIに対応している場合、記憶装置を使うことはできます。
ただこの場合にはSATAIIIではなくSATAとして動作するでしょう。
マザーボードがより最新のSATAに対応できればより記憶装置の転送速度を早くできる、という認識で良いと言えます。
また、SATAはCD/DVDドライブといった光学ドライブの接続にも使われます。
複数の光学ドライブや記憶装置を使いたい場合にはコネクタの数をチェックしておくと良いでしょう。
電源はとても大事なパソコンパーツ
パソコンを購入する場合、どうしても性能を優先するためCPUやメモリ、記憶装置といったパーツのみに目が行きがちです。
ですが動作しなければ意味がありません。
そのカギを担っているのがこの電源というパーツです。
電源はコンセントからパソコン内部へと電気を伝えるパーツで、それぞれ異なる容量とコネクタを持ちます。
コネクタは複数あり、マザーボードやグラフィックボード、CPUやSATAなどに繋ぐものもあるのです。
マザーボードにはATXメインコネクタをつなぎます。
ATXメインコネクタには20ピンと24ピンのものがあり、マザーボードもそれに合わさるようにするべきです。
例えば24ピンの電源を20ピンのマザーボードへと接続すると4ピン余ってしまいます。
電力が十分に供給できていない恐れがあるので、きちんとマザーボードは24ピンのものを買うべきです。
電力の容量が少ないとパソコンは色々と不具合を起こすようになります。
全てのパーツを動作させるだけの電力容量が無い場合、パソコンは点かないか不安定になるかのどちらかの症状を呈するでしょう。
マザーボードだけでなく、CPUやメモリ、グラフィックボードや記憶装置、光学ドライブといった全てのパーツの消費電力量を計算して電源を導入するべきです。
特にグラフィックボードとCPUは大きな電力を食うため考慮が必要となります。
ゲームに大事なグラフィックボード
グラフィックボードは処理の中でも重めの「画像処理」を専門に行うパーツです。
近年のゲームには必須のパーツですが、実はマザーボードにもこの機能を搭載したものがあります。
オンボードグラフィックスといって、マザーボードのチップ内にグラフィックボードの機能を埋め込んでいるのです。
ただ独立したパーツとしてのグラフィックボードの性能の方が基本的には上と言えます。
マザーボードに取り付ける場合、コネクタはPCIExpressというものになります。
大きくて目立つスロットなので直ぐに分かるでしょう。
ただグラフィックボードの中には補助電源が必要なものもあり、その場合は電源からPCIExpress用の電源コネクタを差し込まなければいけません。
USB機器を取り付けるのに必須のI/Oポート
I/Oポートというのは「インターフェイス/アウトプットポート」のことで、いわゆる入出力機器の取り付け場所となります。
入出力機器には以前であればPS/2というマウスとキーボード専用のコネクタがありましたが、現在ではUSBに取って代わられました。
コネクタの規格にはIEEE 1394などもありますが、何かしらの特殊な周辺機器を繋がない限り必要はありません。
他には主に音声やLANといったコネクタの差込口を見つけることができるでしょう。
チェックするポイントとしてはUSBのバージョンです。
USB3.0のコネクタがあれば対応した製品をUSB3.0として使えますが、USB2.0のコネクタにUSB3.0の製品を差し込んでもUSB2.0の性能しか発揮しません。
USB機器を頻繁に使う場合には注目したいパーツとなります。
マザーボード自体の大きさにも注意
マザーボードはそれ自体に大きさの規格があります。
大きい順に「ATX」「Micro-ATX」「Mini-ITX」となり、通常はATXです。
ケースやグラフィックボードの大きさなどに干渉することがあるので気をつけておきましょう。
基本的にはATXのものが各パーツを取り付けるスペースにも余裕ができるためおすすめです。
まとめ
マザーボードとパーツの関係について見てきました。
各パーツには世代やソケット形状など色々な規格が決まっていて、互換性のあるものから無いものまで様々です。
特に電源は見過ごされがちなのできちんと容量を調べておけば安心と言えます。
パソコンを購入する際には1つ1つチェックしながらパーツを選んでいきましょう。
きちんと構成できれば思い描いていたパソコンを手に入れることができるはずです。