既に古い世代となったグラボ GeForce GTX750Tiはまだまだ実用的か?
nVidiaのグラボ「GTX750Ti」は発売からすでに3年近い月日が経過していますが、未だにその使用しているユーザーも多く、ショップでもまだまだ取り扱っている店舗が多いなど根強い人気を持ったグラボです。
ローエンド帯向けとして今もたまにおすすめされるグラボですが、実際のところ今から乗せ換えるだけの実用性はあるのか、また既に使っている人が今後乗せ換えるのにおすすめのグラボなどについてまとめました。
目次
GTX750Tiのスペックは?
GTX750Tiは次のようなスペックのグラボです。
- コアクロック:1020MHz
- メモリクロック:5400MHz
- メモリ量:2048MB
- メモリバス幅:128bit
- シェーダープロセッサ数:640基
- テクスチャユニット数:48基
- 消費電力:60W前後
性能そのものは現行のグラボで言うとRadeonのRX550よりも少し高く、RX460よりも少し低い程度の性能になっています。
この点はベンチマークソフトのスコアなどにも反映されていて、同じnVidiaのグラボで最新世代のミドルエンドGTX1050Tiの半分くらいのスコアになることが多いです。
ベンチマークの中にはGeForceのグラボに有利なスコアが出やすいものも多い点を考えると、お世辞にもスコアは高いとは言えない数字になることが多く、スペックや価格帯、消費電力なども考えるとローエンドクラスからアッパーミドルクラスあたりのグラボとして考えるのがふさわしいと思います。
ゲームにおける性能はどのくらい?
グラボとして一番多い用途としては、やはり「ゲーム」だと思います。
では、GTX750Tiのゲームにおける使い心地はどのような具合なのか、というとベンチマークのスコアの低さとは裏腹に、決して「使えない」といった類の物ではありません。
例えば、比較的最近のタイトルを高解像度かつ高画質で楽しみたいという場合やゲームを4K画質にして遊びたい、といった場合にはスペックが足りません。
しかしそれ以外の場合、例えばリリースされたのが数年前のゲーム(国産のオンラインタイトルで言えばDQX、FF14、PSO2などが代表的)であればフルHDかつ描画設定次第で十分快適な動作が見込めます。
ちなみにGTX750Tiそのものが発売されたのが数年前という事も有り、発売された当時のタイトルでは必須環境と推奨環境の中間~推奨環境ジャスト、最近のタイトルでは必須環境ジャストになっている事が多いです。
実用性は十分高いが今から使うのは微妙
性能に関しては、先にも書いた通り高くはないが極端に低いという訳でもなく、ゲームも一部の高負荷タイトルを除けば概ね動かすこと自体は可能で、かつ消費電力も少ない、ロープロファイルや1スロット仕様といった選択肢の広さもあるため、高スペックが要求される場面以外であれば実用性はまだまだ高いです。
そのため、もし、今すでにGTX750Tiを搭載したグラボを使っていて、現状性能に満足している、ハードウェアにトラブルが起きていないというのであれば無理に交換する必要は全く無いと言ってもいいです。
反面「じゃあ今からGTX750Tiを載せるのもアリか?」となると、それはおすすめできません。
理由としては「そもそも数が無い」「価格が高止まりになっている」の2点です。
既に市場のローエンド帯が後述するような新しい世代に移っている事も有り、絶対数そのものが少ないためそもそも手に入りづらく、数が減ったことにより大きなメリットであった価格の安さも定価近くまで上がっているため殆ど意味がなくなっています。
そのため、今から買うのはあまり良い選択肢とは言い難いです。
それでも欲しい…という場合は中古品が狙い目
どうしてもGTX750Tiが必要、という場合には中古品を狙ってみるのがおすすめです。
そもそも種類が多く大量に出回ったグラボなので、中古ショップなどでも比較的簡単にお目にかかる事が出来ます。
ただし、中古品の共通点としては新品と比べても寿命が心もとない点、過去にどんな使い方がされていたのか分からないため、動作が保障されていない点には注意が必要です。
また、実店舗やネットショップなどでもまれに新品が在庫限りで売られている事があります。
こちらは選択肢が無いと言ってもいいくらい数が少ないですが、新品の製品を手に入れる事が出来ます。
また、外箱不良品などを扱っているショップを探すと稀に少数ではあるものの入荷している事があるため、中古品と同様に探してみるのもおすすめです。
GTX750Tiと主に対抗となるグラボ
現時点でGTX750Tiと性能において競合する可能性のあるグラボはGeForceの「GT1030」をはじめとして、RadeonのRX460やRX550などが考えられます。
いずれも低価格かつ省電力設計で比較的手を出しやすいのが特徴のグラボです。
性能そのものは、GTX750Tiと比べるとRX460は少し高く、RX550は少し低い、GT1030はGTX750(Tiが付かない)に近い性能になっています。
また、名前が似ているGTX1000シリーズの50番台、Ti付きであるGTX1050Tiはほぼ同価格帯でありながら1.7~1.8倍の性能を持ったグラボです。
性能が大きく上昇しつつも価格そのものはGTX750Tiと比べて大きな差がないため、一部の特別な仕様の製品が必要である場合を除くと、価格に主眼を置いた場合にはGTX1050Tiも乗せ換えの候補に入れても良いと思います。
単純に安くてそれなりの性能が欲しいという場合には、現状は既にGTX750Tiを選ぶよりも競合する製品を、価格が同じ程度の物で良いのであればGTX1050Tiなどを選んだ方が確実に購入することが出来ます。
映ればいい!という人には「GeForce GT1030」がおすすめ?
GTX750Tiから載せ換えるとして「画面が映る事」を最重視するのであれば、比較的安く買う事が出来るグラボ「GeForce GT1030」がおすすめです。
ローエンドクラスのグラボなため、性能はGTX750Tiよりも若干劣りますが、その分消費電力も非常に少なくなっています。
ロープロファイル対応型なども出てきているため、グラボをしっかりと選べばかなり幅広いケースに搭載する事が出来るのもポイントです。
主なターゲットとなるのはGTX750Tiでも性能を持て余してしまった人、かつては遊んでいたけど今はPCで殆どゲームをしないという人におすすめのグラボです。
ちなみに先にも書いた通り処理性能自体はGTX750Tiよりも若干劣り、GTX750に近い性能になっています。
そのため、ローエンドクラスと言いつつ3Dゲームも軽めの物であれば対応できる性能です。
メーカーに拘らないなら「Radeon RX550」がおすすめ?
メーカーに特別なこだわりがないというのであれば、Radeonのグラボ「Radeon RX550」を使ってみるのもおすすめです。
こちらも上述したGT1030と同じくローエンドクラスのグラボで、どちらかというと「映ればいい人向け」になっています。
消費電力もGTX750Tiとほぼ同じくらいになっているため、電源関連では乗せ換えて困る事も少ないです。
特徴としては、やはりRadeonの特徴である発色の鮮やかさ、明るさが挙げられます。
画面の環境によっては体感できる変化が無い事も有るため、必ずしもおすすめとは言えませんが、GTX750Tiを使っていて「画面が暗いかな?」と感じることがあるのなら、こちらを使ってみてもいいかもしれません。
当時と同じ価格帯のグラボが欲しいなら「GeForce GTX1050Ti」がおすすめ?
価格はGTX750Tiの新品を買うのと同じくらいかかってもいい、というのであればおすすめは当然「GeForce GTX1050Ti」です。
新品のGTX750Tiが大体1.5~2万円程度で販売されていますが、こちらもほぼ同価格帯です。
性能差は先にも書いた通り1.7~1.8倍程度ですが、その分消費電力が若干多いです。
と言ってもOCモデルのGTX750Tiと大差ないため、大抵は困らないと思います。
価格は殆ど変わらず、乗せ換えるだけでゲームの描画能力などが一気に1~2ランク向上するため、GTX750Tiでそれなりに遊んでいて、そこそこの導入コストでゲームを続けて遊びたい、というライト~ミドルゲーマーな人にかなりおすすめです。
まとめ
GTX750Tiは性能や消費電力という意味ではすでに型落ちしたグラボではあるものの、まだまだ現役で使えるため実用性は申し分ないグラボだと思います。
ただ、手に入りづらい点などを考えるとあくまでもすでに使っている人や予備で用意したものを持て余している人向けで、これからグラボが欲しいという人は近い性能で新しい世代のグラボを選んだ方が間違いないと思います。