マザーボードの性能の良し悪しはどんな部分で決まる?
マザーボードの「性能」って分かりづらいという人も多いのではないでしょうか。
実際、スペックの詳細をまとめた情報を見ていても違いは分かりづらかったりします。
CPUやGPUのようにクロック数がある訳ではないし、メモリーやSSDのように容量がある訳でもありません。
そこで、マザーボードの良し悪しを見極めるためにはどんなポイントを見ればいいのかまとめました。
参考にしていただければ幸いです。
目次
マザーボードごとの性能の違い「ソケット形状」
マザーボードを選ぶ上で欠かせないのが「ソケット形状」です。
ソケットはCPUを取り付ける土台の部分を指していて、自作PCなどに使われるマザーボードに必ず搭載されています。
ソケット形状はCPU側のピンの配置や太さに合わせてデザインされるため、基本的にCPU側の世代が変わると互換性を失います。
そのため、CPUの選び方によって使えるマザーボードが大きく変わることになるか、その逆の事になります。
また、対応するソケット形状が同じCPUであっても、使用するためには事前にBIOSのアップデートが必要になる事も有るため、出来れば互換性で動かすのではなく純正の組み合わせで動作させるのが理想的です。
自分が使おうとしているCPUに合わせて対応したソケットの物を選ぶのがおすすめです。
おすすめのソケット形状は…
2017年3月現時点でマザーボードを選ぶのであれば、主流となるソケット形状は次の二つになります。
●LGA1151
●Socket AM4
これらがおすすめです。
LGA1151は言わずと知れたIntelのCoreシリーズのうち、第6世代と第7世代に対応しています。
「迷ったらコレ」とでも言えるようなCPUが多いため、必然的におすすめ度も高いソケットです。
自作する場合、最近なら大抵はこのソケットが選択肢に上がると思います。
もう1つの主流は、AMDが新たに撃ち出した「Socket AM4」です。
対応しているCPUは新型であるRyzenシリーズに対応しています。
現時点では最高クラスに当たるRyzen 7しか発売していませんが、4月半ばには新たにRyzen 5の発売も予定されているなど、今後の注目度が非常に高いソケットと言えます。
現時点では、主流と言いつつもマザーボード、CPUともに売り切れて手に入らない事が多いですが、今後手に入りやすくなった時はかなりおすすめ度の高いマザーボードになります。
マザーボードごとの性能の違い「チップセット」
もう一つ、マザーボードの性能を語る上で欠かせないのが「チップセット」です。
チップセットは主に、使用可能な端子の数や種類、オーバークロックの可否などの差があります。
基本的に、上位のチップセットになるほど、より多くの端子が使用可能になります。
例えば、SLIやCFXといった複数のGPUを同時に使う構成を考えている人は、使用可能レーン数の多く、それらの構成に対応したチップセットを使う必要があります。
なお、高性能なチップセットを搭載したマザーボードは、製品名に「Gaming」といった文言が付いている事も有りますが、ゲーム用のPCを組む場合であってもそれらが必須という訳ではありません。
ゲーミングPCであっても標準的な動作の範囲内に収めるのであれば、ミドルクラスのチップセットを搭載したマザーボードであっても不便を感じることが無い、というのが正直なところです。
おすすめのチップセットは…
先にも書いた通り、チップセットの性能によって使える端子の数が大きく変わります。
ビジネスモデル向けやエントリークラスの製品は最小限の物しか使用できないため、後々の拡張性が少し低いのが難点です。
そのため、ある程度使い込む予定であるなら、ミドルクラス以上のチップセットを搭載したマザーボードを選ぶのがおすすめです。
現時点で、汎用性が高く使いやすいチップセットは次の3つです。
●H170(Skylake)
●H270(Kabylake&Skylake)
●B350(Ryzen)
()内は対応したCPUになります。
H170は1世代前、H270とB350は最新世代のCPUに対応したチップセットです。
今から組むのであればH270が手に入りやすく、拡張性も高くおすすめです。
B350に関しては入手さえ出来るのであればCPU自体の安さも相まってコスパが高いです。
H170に関しては、1世代古いチップセットのため、他2種類と比べると拡張性の面で劣っています。
その分、各メーカーから出ているため選択肢も多く手に入りやすいのが他の2種に対する大きなメリットです。
また、一度PCを起動させてBIOSをアップデートさせることができる環境であるなら、Kabylakeも動作可能なマザーボードがあります。
おすすめのマザーボード「ASUS H170 Pro」
ハイエンドPCを求めないのであれば、ASUSの「H170 Pro」がおすすめです。
1世代前のCPUであるSkylakeに対応したマザーボードなため、決して新しいとは言えませんが、その分BIOSの安定感などもかなりしっかりしているため、確実な面があります。
上位モデルであるZ170チップセット搭載のマザーボードと比べると機能面では劣るものの、それでも実用範囲では全く困らない充実した機能を持っています。
ただし、バックパネルのUSBポートの数が少ない点がネックとなっています。
そのため、USBポートをたくさん使う人は内部端子を使用して増設する必要があります。
おすすめのマザーボード「ASUS PRIME H270-PLUS」
価格をそれなりに抑え、かつ新しいCPUを導入して長くゆるく使う予定の人におすすめのマザーボードが、ASUSから発売されている「PRIME H270-PLUS」です。
似た製品に同じくASUSから発売されているH270 Proという製品もありますが、それとの違いとしては、PCIスロットの有無(Proは2本、本製品は無し)や、USB3.1の有無(Proは有、本製品は無し)などがあります。
そのため、拡張性という意味では一歩劣るマザーボードですが逆に言ってしまうと、それらの接続方法を用いるハードウェアを使う気が無い、もしくは使う頃には別のマザーボードに切り替える予定の人には、価格の安さ、メーカーの信頼性なども含めておすすめのマザーボードです。
おすすめのマザーボード「MSI B350 TOMAHAWK」
Ryzenを使いたいのであれば、選べるマザーボードはかなり限られます。
その中でも現時点でおすすめなのはMSIのAM4対応マザーボード「B350 TOMAHAWK」です。
頑丈な製品を作ることで知られるMSIらしくしっかりした作りになっており、最近のマザーボードでは標準装備になりつつある、GPU取り付け用に補強が追加されたPCIe x16スロットも搭載されているため、ハイスペックなGPUの搭載なども心配ありません。
一部のメモリーの動作が確認されていないため、購入時には公式HPから動作検証済みのメモリーを確認しておくのがおすすめです。
凝った構成にしないのであれば、それほど体感する差はない
チップセットや対応ソケットに限らず、バックプレートによるボード自体の強度確保、スロットの補強、搭載されているスロットの種類や数など、マザーボードの性能差というのは小さくなく、価格にもその差は反映されています。
ですが、その差を十分に活かすためにはマザーボード上に取り付ける他のパーツがよりよい物である必要があります。
もっと言ってしまえば、普通の構成のPCであれば、CPUやGPUの変化と違い、マザーボードの差を体感できるということは殆ど無いと言ってもいいです。
そのため、高額なマザーボードを選んだからといって、それでPCの性能が飛躍的に向上するか?
と言われると答えはNoです。
まとめ
マザーボードの性能の差は確かに存在するものの、体感することは非常に稀です。
ですが、マザーボードが悪いものだと、取り付けられている他のパーツにも悪い影響が出る可能性があります。
そのため、マザーボードを選ぶときは、自分が必要としているPCの性能に見合ったものを選びつつ、安定したBIOSや高い信頼性を持った部品を採用しているマザーボードを選ぶのがおすすめです。