AMDの注目・新CPU「Ryzen」と対応するマザーボード情報
発売から1カ月、10年に一度と話題を呼んでいる超高性能CPU・Ryzen最新モデル。
インテルユーザー優勢を覆し、今市場をにぎやかせています。
魅力は枚挙に暇がないのですが、これからパーツを買い替えようというかた・または新規に自作したいという方向けに、Ryzenの簡単な比較紹介と対応するマザーボードのご提案をさせていただきます。
Ryzenとは
AMDから2017年3月に発売された、新Ryzen。
同年に発表されたZenアーキテクチャを始めて採用し、インテルが遅れをとる形で高性能マシンの現場を一転させました。
その性能に、まず迫ってみましょう。
これまでのAMD製CPUのイメージといえば、「低価格・それなりのパフォーマンス」というものでした。
それほどCPU性能を必要としないゲーミングパソコンユーザーを中心に、支持を集めていました。
ところが、このRyzenの登場で一転。
最新のRyzenには、
- 上位モデル…Ryzen7/8コア16スレッド(4万円~4万5千円)
- 下位モデル…Ryzen5/6コア12スレッド&4コア8スレッド(2万円~3万3千円)
と2つの展開があります。
インテルのCPUに馴染みのある方であれば分かるかと思いますが、大ざっぱに同性能のインテル製CPUを見れば、さほどお値段は変わらないのを見てとれるでしょう。
かつ、インテル製の最新CPUといえば、ご祝儀価格と言われて10万円超えするのは普通のことですが、AMDではその常識を覆しています。
さらに、前述したアーキテクチャの採用により、同レベルのインテル製CPUをはるかに凌いだ性能をもつと言われています。
のちほど比較により実証してみますが、グラフィック機能が大幅に上昇。
マルチスレッドを意識したソフトフェアに最適化され、ゲーム・クリエイト・その他あらゆる作業に有用な性能を誇っています。
メモリはDDR4対応。
CPU負荷に対する発熱もかなり抑えられ、まさに理想の製品と話題を呼んでいます。
実力比較
ここで、実際にRyzenがどの程度のものであるかを比較してみましょう。
Mac Proとの比較
フルカスタマイズしたMac Proと、最新のチップセットを採用したマザーボード/Ryzen7を搭載した自作PC。
どちらが処理性能が上なのか、という議論がさかんに行われています。
結論としては、数多くのユーザーが後者を選ぶとのこと。
特に目立つのが、Macがこれまで強いとしてきたグラフィックの処理機能・Ryzen側のオーバークロック時の性能です。
同程度のGPUを搭載した状態でグラフィックアクセラレータを実行してみると、オーバークロックなしの状態でも両者は匹敵。
オーバークロックを実施すると、Mac Proの半分の時間で後者が処理を終わらせる…という報告も上がっています。
ちなみに、Mac Proのフルカスタマイズで、お値段が60万円程度。
後者であれば、20万円前後の予算で相当する性能を要求することが出来ます。
このコストパフォーマンスは、注目に値するでしょう。
インテル高性能CPUとの比較
Ryzen7とインテル最新世代のCore-i7、または下位モデル同士を比較した場合、どうなるのでしょうか。
最初に違いが出るのが、消費電力。
こちらについては、ややインテルのほうに利があると言われています。
ベンチマークテストが各方面で行われていますが、これが決定的な差となっています。
まず最新Ryzenの下位モデルの説明からしますが、6コア/12スレッドのタイプのモデルについては、実質8コアあるのを2コア眠らせている状態ということがあります。
これにより、常に余力のある動作が叶うのです。
i5とRyzen5を比較すると、環境によっては後者が2倍程度のベンチマーク結果となります。
i7の最上位モデルとRyzen7の相当のものを比較しても、最大で1.5倍程度の性能差。
価格のことを考えると、まさに恐るべきと言えるでしょう。
マザーボード市場も活発
自作ヤーに飛ぶように売れているのが、新Ryzen対応のマザーボード。
大まかに、どういった人が買っているのか・どういったものが出ているのかを説明していきます。
まず、AMD自体がもともとゲーマーに人気が高かったという事もあり、いわゆるゲーミングマザーボードというものが数多く出回っているようです。
グラフィック機能処理能力の上昇に伴い、チップセットもそれに応じた性能を伴うものを搭載しているものがほとんど。
デジタルクリエイトの現場では、ときにグラフィックカードを別途用意する必要もありましたが、ソフトの対応状況によってはより少ない構成でのPCづくりが可能となっています。
未だ課題が残っているのは、サウンド周り。
旧世代のものでも、サウンド機能の進化は目覚ましかったのですが、ハイレゾ対応のものはまだ皆無です。
音楽鑑賞目的・サウンドクリエイターであれば、別途環境を構築するのは、まだ必要ではないでしょうか。
その他のことを述べると、これを機にマルチディスプレイやWin10への最適化をはかったものが数多くあります。
Win7からのアップデートユーザーも少なくない中、もし今のPCの動作に不安があるのであれば、買い替えるのはまさに今ではないでしょうか。
厳選・おすすめRyzen対応機種
ゲーマー向け・X370 GAMING PRO
MSIが提案しているゲーマー向けマザーボードの最上位シリーズ。
オーバークロックに最適な性能をしており、消費電力は高いものの熱排出に優れ、拡張性も極めて高いのが特徴です。
表題にあるRyzen対応の最新モデルが出たため、これに伴い最適化したものが発売されました。
もちろん、AMDの最上位チップセットを採用。
メモリスロットはCPUクーラーを邪魔しないよう最適な位置にあり、大型の空冷ファンにも対応。
これについてもっと特筆すると、回路を独立させることでメモリの性能を最大まで引き出すことのできるブースト機能もあるので、CPUの性能を邪魔しません。
また、グラフィック機能を強く意識して、VRに対応したUSB信号を出せる高性能チップも搭載しています。
サウンド機能については、数あるマザーボードのなかでも定評のあるMSI独特の、電磁ノイズを防止し上質な音の再現能力がアリ。
ゲーマーには是非おすすめしたい逸品です。
B350 TMAHAWK ARCTIC
こちらもMSIから。
TSUKUMO限定モデルとなっている、白色基調のマザーボードです。
チップセットは前述のものから拡張性能は劣るものの、AMD製のCPUの最高性能を引き出すには十分です。
こちらもオーバークロック可能。
ハードディスクに対する書き込み・読み取り機能をより早くこなせるブースト機能が備わっており、大量のデータを取り扱うクリエイターには垂涎。
グラフィック・サウンドともに電磁波の緩衝を防いでよりよい品質の処理がこなせる防御機能もあり、繊細な作業を必要とするサウンドエンジニアにも向いています。
まとめ
筆者の個人的主観に基づくものではありますが、今から新規でPCを組むとすれば、安心のインテル社製と同様にAMD製のCPUも検討したほうがよいかと存じます。
Ryzenの性能はそれほどに驚異的なものであり、是非とも採用・その性能をご自身で体験してほしいと考えます。
マザーボードの情報も添えさせていただきましたので、これをこれを機に是非ご検討ください。