ちょっと早いSocket AM4マザーボードの製品レビュー
PCは既成の製品を購入するのではなく、自作派です。
ただし、既に製作して5年経過し、非力さを感じる事も多くなってきました。
私の場合、APU (CPU)は一貫してAMD社製を使用しています。
価格が安くかつコストパフォーマンスが高いからです。
グラフッィクに強いという点も魅力の一つです。
今回は、AMD社のAPUに対応したSocket AM4マザーボードについて書いてみたいと思います。
Socket AM4の時代
ここしばらくの間、AMD対応マザーボードの規格は乱立していました。
FM2、FM2+、AM3、AM3+などです。
これだけソケットが変わると、APUを新しく購入するたびに、マザーボードも交換しなければなりません。
ユーザーの中には、新しいAPUを購入しようと思っても負担が大きいので、仕方なく旧来の製品を使っていた人も多いのではないでしょうか。
しかし、AMDもようやく重い腰を上げ、Socket形状をAM4に統一することにしたのです。
これは将来リリースされるZenベース向けのソケットでもあり、かなり長い期間にわたって使用される予定の規格です。
Socket AM4のAPU
既にSocket AM4タイプのAPUは、2016年9月にAMD社から発表されています。
これは"Bristol Ridge"(ブリストルリッヂ)の開発コード名で知られる第7世代AMD AシリーズのAPUです。
製品名の最後に「E」が付くものは、TDP35Wの低電圧版となります。
「A12-9800E」「A10-9700E」「A6-9500E」がそうです。
例えば1日12時間使用した場合、TDP65WとTDP35Wの製品を比較すると1か月で約250円、1年で約3000円、電気料金に差が出ます。
かなりの金額ですよね。
電力が下がってパフォーマンスは向上するのですから、製品の発売を待ち望んでいる自作ユーザーも多いと思います。
現在の発売状況
2016年10月現時点ではSocket AM4のマザーボードは発売されていません。
しかし、海外のサイトでGIGABYTE B350M-DS3Hの写真が公開されています。
その画像を元に、Socket AM4マザーボードの解説をしていきたいと思います。
GIGABYTE B350M-DS3Hの構成
まずGIGABYTE B350M-DS3Hの大まかな構成ですが、フォームファクタはMicroATX、拡張スロットはPCI Express x16が2本とPCI Express x1が1本、背面パネル側に、ディスプレイ出力用のD-Sub、DVI、HDMIがあり、USBは2.0、3.0、さらに3.1対応コネクタが全部で10個あり、NVMe対応のM.2スロットが搭載されています。
構成を見てみるとMicroATXながら拡張性も十分です。
ディスプレイ出力用の端子も3種類あり、マルチディスプレイを構築する時にも不安がありません。
またM.2スロットも装備されています。
M.2スロットとは何か?
さて「M.2スロットって何?」と思われた方も多いと思います。
M.2スロットとは、主にSSDを接続する新しいインターフェイスです。
現在のSATA3が持つ転送速度の上限は6Gbps(600MB/s)です。
つまり、SSDの性能が上がっても、SATA3に接続している限り、転送速度が600MB/sを超える事はありません。
しかしM.2スロットの場合は、転送速度の上限は40Gbps(4,000MB/s)です。
この速度だとインターフェイスが転送スピードのボトルネックになる事はありません。
つまりSSDのスピードアップに比例してPCも速くなる事になります。
DDR4メモリをサポート
またSocket AM4ではDDR4メモリを正式にサポートします。
DDR4はDDR3と比較して、データ転送速度が2倍、消費電力も35%削減する事ができます。
さらなるPCの高速化が期待できるのです。
今よりマシンを速くしたいと思っている人にはおすすめのマザーボードです。
まとめ
現時点では、国内においてSocket AM4対応マザーボードは発売されていません。
しかし、M.2スロットを搭載しDDR4メモリをサポートするとなると、かなりの高速化が期待できます。
またBristol Ridge、その後に出てくるZenの事を考えると、かなり長く使用できるマザーボードになりそうです。
とにかくSocket AM4対応マザーボードと"Bristol Ridge"APUの発売が待たれます。