グラボのGPUクーラーの掃除の方法と用意しておくと便利な
PCを使っていると、よほど極端な環境でもない限り基本的には時間の差こそあれど、使っているうちにグラボのファンやヒートシンク周辺に埃が溜まっていきます。
グラボに埃が溜まると性能が落ちやすくなるため、グラボを長く使っていきたいのなら掃除はほぼ必須と言える作業です。
今回はグラボの掃除に必要な道具と用意しておくと便利な物についてまとめました。
グラボの掃除をする前に
では、グラボの掃除を始めましょう…、という前にまずはグラボの掃除に必要な道具をしっかりと準備しましょう。
というのも、グラボの掃除は一度始めてしまうと全てを終わらせるまで中断することが難しいため、「道具が足りないから今日はここまでにしよう」という事が出来ません。
また、PCの構成によってはそうなった時にグラボの掃除が終わるまでPCで使う事も出来なくなります。
そのため、事前に必要と思われる道具について全て準備しておき、一気に掃除をしてしまうのがおすすめです。
また、埃の溜まり具合にも左右されますが、掃除をする事でグラボに溜まった埃が部屋の中に舞い上がる可能性があるため、掃除が終わった後は後片付けとして部屋の掃除もする覚悟をしておきましょう。
グラボの掃除に必須な道具
グラボの掃除を行う場合は最低でも、「エアダスター」と「ドライバー」の2つは絶対に必要になると思っていいです。
埃の溜まり方が激しく、グラボのファンの周辺に綿埃が溜まっている場合には上記の道具に加えて「爪楊枝」や「綿棒」なども必須と言えます。
用途としては、エアダスターは大まかな埃を吹き飛ばすための道具として必須です。
ドライバーはPCからグラボを取り外す際に背面ブラケットとケースを固定しているネジを取り外すためにプラスのドライバーが必要になりますが、サイズが違うドライバーで無理に取り外そうとするとネジ山を潰してしまうため、サイズの合ったものを使うようにしましょう。
爪楊枝や綿棒に関しては、グラボのファンやクーラーに綿埃が溜まってしまっている場合にはエアダスターでは取り切れず、指では入らない・届かない所にある埃まで取ることができるため必須です。
グラボの掃除にあると便利なもの
上記の道具以外にも用意しておくと便利なものとして、CPU用のグリスと古いグリスを落とすための道具を準備しておくとGPUクーラーを丸々取り外して掃除できるようになるためおすすめです。
グリスに関してはわざわざ高額なものを使わず、CPU用として使われている極一般的な製品で問題ありません(1つあるとCPUでも使えるためおすすめです)。
グリスを落とすための道具は、専用のクリーナー液なども存在しますが、エレクトロニッククリーナーや無水エタノールのようなものがおすすめです。
また、グリスをふき取るためにティッシュやキムワイプのような使い捨て出来る物を準備しておくと便利です。
ちなみに、グリスを塗り直すための道具などもあると便利ですが、GPUの真ん中に適量グリスを置いてクーラーでしっかり圧着すれば十分広がるため無理に塗り直しようのヘラなどは用意しなくても大丈夫です。
グリス除去におすすめ「AINEX 2ステップクリーナー」
グリス除去に使う道具について迷ったら、AINEXという会社から発売されている2ステップクリーナーという専用のクリーナー液がおすすめです。
グリスなどを落とすためのクリーナー液という事も有り、汎用的なエレクトロニッククリーナーなどとは比較にならない程綺麗に落とすことが出来ます。
また、グリスを落とせるクリーナー系はどうしても石油系の匂いが強いですが、このクリーナー液ではリモネンを使用しているため、石油系の匂いはせず代わりに柑橘系の匂いがするようになっています。
そのため、石油系の匂いを嗅ぐと気分が悪くなるという人にもおすすめです。
ただし、逆にこの製品の香りが苦手という人もいるため、注意が必要です。
道具の大半は身近なお店で買える?
グラボの掃除に必要な道具は殆どが身近な電気店やホームセンターが購入することが出来ます。
そのため、道具が足りなくても比較的簡単に集めることが出来ます。
例外として、身近なお店には売ってないものとして「グリス」と「グリス用のクリーナー」があります。
前者については、ネット通販やPCパーツを扱っているショップなどで販売している事があります。
後者のクリーナー液は無理に専用の物を使わなくても一般の薬局などで市販されている無水エタノールで十分代用が効きます。
1瓶あたりの容量が多いためグリス除去だけで使い切るのはほぼ不可能ですが、無水エタノールは消毒用などにも流用でき、簡単に手に入るためおすすめです。
いざ掃除開始!
道具を揃えることが出来たら、実際にグラボの掃除を進めていきます。
まずはPCケースのパネルを開けてグラボを取り外します。
グラボを取り外す際は事前に、
- PCIe x16ソケットのロックを外す(ある場合)
- ケースとブラケットを固定しているネジを外す
- 補助電源のケーブルを抜いておく
の3点を気を付けましょう。
ソケットのロックはマザーボードの種類によってスライド式や押しながら引き抜くこと必要があるプッシュ式などがあります。
PC本体からグラボを取り外したら掃除開始です。
簡単に済ませる場合には、GPUクーラーは取り外さずそのまま掃除を進めていくのがおすすめです(それでもしっかりと掃除すればかなり綺麗になります)。
フルに掃除したい場合には、この時点で慎重にグラボのクーラーを取り外しましょう。
大抵はネジで基盤側に固定されていますが、分かりづらい場合には事前に「グラボ名+分解」などで調べて確認するのがおすすめです。
クーラー周りの掃除
グラボの掃除で一番重要なのが、クーラー部分の掃除です。
ここでは爪楊枝や綿棒、ウェットティッシュ、エアダスターがあると便利です。
ヒートシンク部分、ファン部分問わず大きな綿埃が詰まっている場合、爪楊枝などを使い取り除いてから、細かい所を掃除していきます。
ファンの掃除は、プロペラファンの場合には綿棒やウェットティッシュで羽根を一枚づつ拭いていきます。
シロッコファンの場合は爪楊枝で隙間を1つずつ掃除し、最後にエアダスターでまとめて噴くのがおすすめです。
ヒートシンク部分は隙間に埃が詰まることが多いため、エアダスターで一気に吹き飛ばしてしまいましょう。
基板周りの掃除
クーラー部分を分解して掃除しない場合には、表面に溜まって埃をエアダスターで噴き飛ばす程度で十分です。
分解する場合には、まずは既に付着しているグリスを落としますが、CPUと違ってヒートスプレッダが付いていないため、より慎重に取り扱いましょう。
また、クリーナー液が残った状態で稼働させるとショートする危険性もあるため、同時にしっかりと乾燥させましょう。
通常は、グリス部分以外はエアダスターで埃を飛ばす程度で十分ですが、煙草を吸う場合にはヤニがこびりついてしまっている場合があります。
そういった場合には無水エタノールやエレクトロニッククリーナーをしみ込ませた綿棒で丁寧に根気よく表面を擦る事で綺麗に落とすことが出来ます。
GPUクーラーを再度取り付ける
基板、クーラー双方の掃除が終わったら、元の形に戻します。
まずはGPUにグリスを塗りますが、出来る限り薄く、そして均一に塗る必要があります。
塗り方は「表面にグリスの色が乗っているだけ」で、ほんの少しつついただけでGPUが見えてしまうくらいの薄さを保ちつつ表面を均一に塗るのが理想です。
そのため、塗って伸ばす場合にはヘラなどが必要です(先に紹介したAINEXなどが販売しています)。
また、意外と塗りやすい方法として指で直接伸ばす方法がありますが、指紋が付きやすいのと、塗った後に指が凄く荒れるためおすすめしないです。
薄く均一にするのが難しい場合はGPUの中心にグリスを小さく一滴落として、クーラーを装着するときの圧力で伸ばすのが確実ですが、グリスが少ないと熱が上手く伝わらず、多すぎるとショートして壊れる可能性があるため加減が難しいのがネックです。
グリスを塗り終わったら、埃やごみが付着しないように慎重にクーラーを元に戻し、ネジを締めていき、完成です(この時、ファンの電源ケーブルを忘れずに繋ぎましょう)。
まとめ
グラボの掃除は慣れないうちは結構時間がかかりますが、慣れると1~2時間で取り外しから掃除終了まで出来るようになります。
分解せずにクーラーの掃除だけでも冷却性能が上がるため、グラボの温度が気になる人や強制終了が起きる人は一度掃除してみるのがおすすめです。
なお、小さいネジが多いため、一緒に小さなケースなどを用意しておくと便利です。