グラボを交換したら映らない?確認すべき5つのポイント

グラフィックボード(グラボ)

MSI NVIDIA GeForce GT710搭載 GDDR3 2GB グラフィックスボード VD5931 GT710 2GD3H LP

初めて自分でPCを組んだ時や自分のPCにグラボの増設を行った時に、画面が表示されないトラブルが起きることは珍しくありません。

今回は、画面が映らない原因と対処方法についてまとめました。

昔と比べると初期不良や相性問題での動作不良というトラブルはかなり起きにくくなっているのもあって、大抵は対処を行う事で解決出来るようになったため、参考にしていただければ幸いです。



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具体的に考えられる原因

グラボ増設後に画面が映らなくなった場合に考えられる原因と対処方法には次のようなものがあります。

  1. 接触不良
  2. 接続ミス
  3. デバイスのインストール忘れ
  4. 電源容量の不足
  5. BIOSの設定ミス

などがあります。

大抵はちょっとした勘違いや些細なミスが原因なので、すぐに解決出来る原因が殆どですが、中にはパーツの交換が必要になる事も有るため必ずしもすぐに対処できるわけではない点には注意してください。

余談ですが、グラボ交換後に起動しないと言っても「PCそのものが起動しない」「PCは起動するが画面が映らない」「画面は映っていてグラボが認識していない」など「起動しない」と一口に言っても様々です。

そのため、詳しい人に質問や相談をする場合は、ただ「起動しない」と説明するのではなく、どういった状態になっているのかも含めて相談すると、確実なアドバイスを受けることができるためおすすめです(もちろん、自力で解決できるのがベストですが)。



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接触不良を疑ってみる

グラボが認識されないのであれば、まずは接触不良を疑ってみましょう。

特にそれまでグラボを使っていなかった場合には、接続用のPCIe x16のスロット部分に埃が詰まっていることが珍しくありません。

こういった状態のスロットにグラボを挿しこんでも埃が邪魔をするため、ちゃんとした接続を確保出来ない事があります。

対処方法は「グラボをいったん取り外して挿し直す」「エアダスターなどでスロット部分に溜まった埃を飛ばす」などがあります。

グラボに限らず、メモリやストレージのトラブルは一旦外して挿し直すことで解決される事は珍しくないため、試してみるのがおすすめです。

また、埃を飛ばす際には、スプレー式のエアダスターが手軽に使えるのでおすすめです。

逆に息でフーっと吹くのは、人間の呼気には水分が含まれるため端子の腐食やショートの原因になるため、絶対にしないようにしましょう。

接続ミス

グラボの動作がおかしい時は、グラボへの接続も確認した方が良いです。

初めてグラボを使う場合に意外と多いミスとしてディスプレイとを繋ぐケーブルをマザーボードのI/Oパネル(ケースの後ろに出る各種接続端子をまとめた部分)に用意された端子と繋いでいる事があります。

グラボを使用する場合には、ディスプレイとを繋げているケーブルがグラボへと接続されているか、しっかりと確認しておきましょう。

補助電源が必要なグラボを使っている場合には、補助電源へしっかりケーブルが接続されているかも確認しておきましょう。

また、グラボ自体もマザーボードにしっかりと接続されているか確認しましょう。

特に、裏表を間違えたり、ブラケットを取り外し忘れておかしな方向に傾いている、といった事になるとグラボやマザーボード自体が壊れる原因にもなるため、取り付けの方向と方法だけは絶対に間違えないようにしましょう。

デバイスのインストール

グラボを新しく増設する場合、ドライバのインストールが必要不可欠です。

この点をしっかりと終わらせないと、他の点をすべて完璧になっていても動作しません。

グラボを買うと一緒にドライバCDが付属しているため、それを使ってインストールするのが手っ取り早く済みますが、ネットを使える状態にあるならメーカーのHPから最新Verのドライバをダウンロードしてインストールするのがおすすめです。

動作自体は付属しているドライバCDに含まれているものでも問題ありませんが、最新のドライバのほうが効率化されていたり、動作に不備があった点なども修正されている事があるため、グラボの性能を発揮しやすくなっています。

デバイスのインストール状況の確認方法

自分のPCにドライバがインストールされているかどうか確認するためには、デバイスマネージャーから確認するのが最も簡単に行う事が出来ます。

デバイスマネージャーの起動方法は色々ありますが、使っているOSによって若干異なります。

今使われている多くのWindowsOSで使える方法としては、スタート画面にある検索ウィンドウ、もしくはWindowsキーと「R」キー同時押しで「ファイル名を指定して実行」を起動して表示されるウィンドウに「devmgmt.msc」と入力して、エンターを押すことで直接デバイスマネージャーを起動する事が出来ます。

デバイスマネージャーを起動したら、リストの中から「ディスプレイアダプター」を探してダブルクリックする事で、現在使用されているディスプレイ用のドライバを確認する事が出来ます。

この部分の名称が使用しているグラボを同じになっている場合には、取り付けたグラボがPC側で認識されて、動作している事になります。

また、ドライバが無効化されている場合には有効化する事で使用可能になります。

電源容量が足りているかチェックする

もし、グラボを取り付けた状態で電源を押して「一瞬だけファンが回ってすぐに止まる」「全く動作しない」という場合には、電源ユニットのスペックが足りていない可能性があります。

グラボはPCパーツの中でも特に電気を大量に消費するパーツなため、W数が低い電源を載せているPCに無理やり積むと、電源を点けることさえ出来なくなる事も有ります。

特に、もともとグラボを載せていなかったPCの場合には300Wなど、容量の少ない電源を使用している事が多いため、このトラブルが起きやすくなります。

ちなみに、グラボを載せる場合には補助電源の有無などにもよりますが、400~600Wの容量を持つ電源が推奨される事が多いです。

つい画面やグラボ本体に意識が向きがちですが、電源はグラボ交換時のトラブルの原因になりやすいため、事前に推奨されている電源容量やグラボ自体の消費電力について把握しておくようにしましょう。

BIOSの設定状態をチェックする

グラボを取り付けても上手く認識されない場合、BIOS上からVGAの優先順位の設定を切り替える事で認識するようになることがあります。

BIOSには「どのデバイスから優先して使用するか」などの情報が設定されています。

これはグラボも例外ではなく、いくらしっかりと接続・準備がされていてもBIOS上でオンボードグラフィックなど他のデバイスを優先して使用するように設定されていると、認識されなくなります。

BIOSの起動方法についてはマザーボードごとに異なるため、説明書などを読んで起動する必要があります(大抵はOSが起動する前に何らかのボタンを押すことが条件になっています)。

BIOS上のどこかに「Primary Graphics Adapter」などの記載がされている項目があるため、そこから優先したいデバイスを選択しましょう(大抵はAdvancedカテゴリにあります)。

グラボを優先する場合には「PCIE」や「PCI-Expresse」などと記載されているものが該当する選択肢です。

CMOSクリアは最近は殆ど必要ない?

ハードウェアを変更したときにトラブルが起きた場合、CMOSクリアを行って一度BIOSの情報を初期化することで解決できることがあります。

CMOSクリアは、マザーボード上に用意されたジャンパピンに専用の端子を挿し込んだり、ボタン電池を取り外した状態で特定の端子をショートさせる事で行う事が出来ます。

ですが、最近のマザーボードの多くはグラボが使用可能になったことを自動で認識するため、これらの操作の必要が無かったり、あるいは先述したようにBIOS上から優先順位を設定するだけ十分な事が殆どになっています。

上記の設定の時に間違えて、他の設定をいじってしまい動作がおかしくなった時などには効果的なのでCMOSクリアの方法も知っておくと便利です。

まとめ

グラボを取り付けた後に上手く動作しない場合、以上のようなことが原因になっている事が多いです。

特に電源周りのトラブルは起きやすいのでグラボを購入する前に、手持ちの電源の状態をよく考えてから選ぶのがおすすめです。

また、これらの点をチェック・対処しても動作しない場合には、グラボ自体が何らかの不具合を抱えている可能性があります。

新品の場合には初期不良品という事になるため、購入したショップで相談してみましょう。

大抵は別の新品と交換対応してくれるため、一度事情を説明してみるのがおすすめです。