ゲーム用PCを組む時に使うマザーボードを選ぶときのポイントは?
ゲームで遊ぶことをメインにしたPCを組みたいけど、マザーボードにはゲーミングマザーをはじめとして様々な種類があり、具体的にどんなマザーボードを選べばいいのか分からない、という方も居るかと思います。
今回はそういったゲーム用のPCを組む場合のマザーボード選ぶときのポイントとおすすめのマザーボードについてまとめました。
目次
ゲーム向けのPCに最低限欲しい機能は?
ゲーム用のPCに使うマザーボードに欲しい機能としては次のようなものが挙げられます。
- PCIeのx16スロットが1基以上
- SATAポートが2~3基以上
- メモリが16GB以上搭載可能
などの点を押さえているマザーボードが望ましいです。
ですが、これらの機能は自作PC向けに市販されているマザーボードにおいてはまず間違いなく搭載されている機能なので、基本的には困る事はないと思っていいです。
また、ゲーム用のPCに使うマザーボードだからと言って、高価なゲーミングマザーをわざわざ用意する必要性はほぼ無いと言っていいです(もちろん利点はあります)。
そのため、基本的にはこれら以外のポイントでマザーボードを選んでいくことになりますが、先に書いた通り最低限必要な物に関しては搭載されているため、極論「外見に一目ぼれした」や「条件を満たすものの中で一番安かったから」といった理由でも全然問題ありません。
ゲーミングマザーの選ぶ場合の利点
高価なゲーミングマザーを購入する場合の利点としては次のようなものが挙げられます。
- 重いパーツを使いやすいよう各部の補強がされている
- オンボード機能が高品質なものが多い
- メーカーごとの独自機能
- SATAポートなどが通常の製品よりも充実している
等の利点があります。
最近増えているパターンとしては、PCIeスロットを金属カバーで補強することで重さのあるグラフィックボードを使っても破損し難くなっている、などがあります。
その他、オンボードのLANやオーディオなどに下位モデルのマザーボードに搭載されているものよりも高品質なものを採用しているものもあります。
また、メーカーによっては独自機能を搭載しているものも多く、マザーボード側でサポートすることで通常使用できる数以上のSATAポートを持つ製品などもあります。
迷ったらミドルクラスのマザーボードがおすすめ
どのマザーボードにするか迷ってしまった時は、実売価格で10,000~15,000円前後のミドルクラスのマザーボードの中から選ぶのがおすすめです。
ミドルクラスのマザーボードは手に取りやすい価格でありながら、チップセットはバランス重視のミドルクラスからパフォーマンス重視のハイエンドまで多様なものが揃っており、ゲームに欲しいレベルの拡張性+α程度の拡張性になっている事が多いため、組んで少し経ってからストレージを増設したい、という時にも対応できるなど、比較的長い間使う事が出来るのがメリットです。
また、この価格帯は通常のマザーボードの他に低価格路線向けのゲーミングマザー(独自機能などは無く、高品質のパーツのみ使用したマザー等)なども多く発売されているため、予算に余裕があるのならそちらを使ってみるのもおすすめです。
SLIやCrossFireへの対応は気にしなくていい
マザーボードの中には、グラフィックボードを複数枚搭載する事でグラフィック処理能力を向上させるSLIやCrossFireといった機能が使えるものがあります。
一見するとグラフィック処理機能を向上させてくれるため、ゲームをメインとしている場合には効果的に見える機能ですが、実際にはおすすめの機能とは言えないため、この機能を使うためにわざわざ対応しているマザーボードを選ぶ必要性は薄いです。
これらの機能がおすすめされない主な理由としては効果そのものが限定的であること、対応しているタイトル自体が少ないこと、これらの機能を活かせる状況そのものが少ないこと、導入するためのコストが非常に高いことといったデメリットが大きな理由です。
そのため、無理にこれらの機能を搭載した高価なマザーボードを選ぶよりも、その分のコストでグラフィックボードのランクを上げたほうが効率的な事が多いです。
おすすめのメーカーは?
ありません。
マザーボードに限らず、PCパーツ選びでは大抵話題に挙がるのが「どこのメーカーのものを選ぶか」ですが、マザーボードの場合にはメーカーによってわざわざおすすめするほどの差はないと言っていいです。
とはいえ、これは決してネガティブな意味ではなく「××製のはダメで、○○製のは良い」といった明確な差が殆ど無く、有名どころのメーカー(ASUS,ASRock,GIGABYTE,MSI等)が作っているマザーボードであれば大抵は使えるからです。
そのため、マザーボードを選ぶ際は性能や仕様、価格を優先して対象を絞っていき、メーカーに関してはそれでも絞れなくなった時の最後の判断基準程度で良いです。
そういった中で、敢えて人に勧めるという意味ではド定番のASUS製のマザーボードやコストパフォーマンスに優れるASRock製のマザーボードあたりが安心して使えるのでおすすめかなと思います。
おすすめのマザーボード「ASRock H170 Pro4」
ゲーム用のPCに使用するマザーボードにおすすめなのが、ASRockのミドル帯のマザーボード「H170 Pro4」です。
グラフィックボードのシングル運用、M.2の使用、USBデバイスの利用可能数といったゲーム用途のPCに必要な条件をしっかり満たしつつ、かつゲーミングマザーに多い「使う事が少なく持て余しやすい余計な機能」が排除されているのが特徴のマザーボードです。
また、価格も抑えめになっているため、グラフィックボードなど他の重要なパーツにコストをかけられるようになる点も魅力の1つです。
PCIeスロットは普通の樹脂製の物が使用されていて金属カバーによる補強などがされていないため、重いグラフィックボードを長い間使う予定ならつっかえ棒などの対策をする必要があります。
同シリーズの他の製品もおすすめ
ちなみにこのASRockのPro4と付くシリーズのマザーボードはH170に限らず、最近のミドル帯のチップセットを使用したものであれば大抵は作られているため、自分の使いたいCPUに合わせて選ぶことが出来ます。
例えば、Intelの第七世代CPUに対応したH270を搭載したモデルや、AMDの新しいCPU「Ryzen」に対応したチップセット、B350を搭載したモデル(商品名は「AB350」)などより新しい世代に対応したマザーボードもあります。
いずれもゲーム用としても使いやすい過不足の無い作りや、比較的手に取りやすい価格帯などが共通しているため、ゲーム用PCに使用するマザーボードに迷ったらこのシリーズをおすすめします。
ただし、完全に同じ仕様ではなくチップセットによって背面パネルの配置やUSBポートの数に違いがあるため、実際に購入する前には必要な物がしっかり搭載されているかチェックした方が良いです。
おすすめのマザーボード「MSI B350 PC MATE」
重いグラフィックボードを安定して使いつつ、価格も抑えたいという人にはMSIから発売されているマザーボード「B350 PC MATE」がおすすめです。
1万円前後の価格帯のマザーボードにしては珍しい、PCIe x16スロットに補強が施されているモデルで、重いグラフィックボードを使う場合でも破損する可能性を大きく減らすことが出来るのが特徴です。
難点として、USBポートやSATAスロットが少ないため、拡張性は高いとは言えません。
特にSATAスロットに関しては数が少ない上に使い辛い配置になっているため、初回の取り付け時には少し苦労するかもしれません。
対応しているCPUのRyzenも安いため、最小限のパーツを用いる事で価格を抑えたゲーム用PCを作りたい場合におすすめのマザーボードの1つです。
まとめ
マザーボードは種類が沢山ある割に差が解りづらいパーツですが、そもそも普通に使う分には本当に差が殆ど無いため、自分の好みや価格で選んでしまっても全然問題ありません。
ちなみに、筆者が今使っているPCに使っているマザーボードも「なんとなく気に入ったから」というかなり曖昧な理由で選びましたが、特に大きなトラブルもなく5年近く使えているため、それほど心配しなくて良いと思います。