マザーボードを換えるべき?パソコンからの異音の原因と対策方法
仕事や趣味で使っているパソコンから、突然変な音が聞こえるようになった。
こんな経験をしたことがある方が多いのではないでしょうか?
なぜ、今まで普通に使えていたパソコンから突然異音が聞こえるようになったのか?
その原因と対策方法をしっかりと熟知すれば、マザーボードやHDDなどパーツの不要な交換を防げるほか、より快適にパソコンを使う事ができるようになるんです。
ガラガラという異音が聞こえた時の原因
PC内に溜まったホコリが主原因
パソコンに対して適切なメンテナンスを行わず長期間にわたって使用し続けたり、布団がある寝室や狭い部屋など埃が舞いやすい環境で使用し続けていると、突然パソコンから「ガラガラ」といった感じの異音が聞こえる事があります。
この音が聞こえたら、まずはパソコン内にホコリが溜まっているかも?
という点を疑うようにしましょう。
パソコン内部には、マザーボードやビデオカード、CPUなど熱を発するパーツを中心に、放熱の目的からファンが取り付けられていることが多く、このファンはパソコンの使用中、常時回転してその役割を果たしてくれています。
台所の換気扇や扇風機などを連想すると分かりやすいのですが、ファン状の機械を常時稼働させていると、空気を常に巻き込む為、時間と共に空気中のホコリなどを吸い込み絡め取ってしまいます。
パソコン内部のファンも同様で、ファンに絡まったホコリを清掃せずそのまま放置して使い続けてしまうと、最終的に沢山のホコリがファンに絡まってしまい、ガラガラという異音を発する原因となってしまいます。
特に、回転数の高いファンを使用しているゲーミングPCや排熱性能を謳ったタイプのパソコンほど外部からホコリを吸い取りやすいので注意しましょう。
掃除のしすぎはパーツを傷める可能性アリ
パソコンを常に快適な状態に保つため、また持ち前の性能を常フルの状態に保つためにも、パソコン内部に対する定期的な清掃が欠かせません。
パソコン内部を清掃する際には、原則として堪ったホコリを取り除くことだけに注力した清掃を心がけましょう。
必要以上に力を入れたり過剰な清掃を行うと、ただでさえデリケートなマザーボードなど基板とそこに搭載されている精密機器を傷めてしまう可能性が十分に考えられます。
また、ホコリを取る場合も、部屋の掃除などで使うようなモップやティッシュなどを使用してはいけません。
こういった道具を使って清掃すると、静電気によってパーツを傷めてしまいパソコンが不動となる危険性もあるので注意すると共に、清掃を行う際にはエアダスターのような専用の道具を使って清掃するようにします。
ブーンという異音が聞こえた時の原因
パーツの振動による低周波が原因
パソコンの電源をオフにしている状態では一切聞こえない一方、電源をオン状態にした途端に聞こえる異音として「ブーン」といった感じの音があります。
このタイプの異音が聞こえるようになったら、パソコン全体やパソコン内部のパーツに対して振動が発生している事を疑いましょう。
パソコンは、電源を投入することで初めて稼働し始めますが、稼働と同時に電源や空冷用のファン、マザーボードなどに広く使用されているコイルなどのパーツからは常に一定の振動が発生するため、これが異音の原因となるケースが多々あります。
ブーンという振動に由来した異音が聞こえるようであれば、まずはパソコンの筐体が振動で揺れないように対策を行います。
脚部にゴム脚など振動に強いパーツを用いたり、パーツを取り付けるネジが緩んでいて振動を誘発する原因となっているケースもあるので、ネジなど固定部の緩みを再チェックし、必要に応じて固定し直すといった方法が有効です。
最悪の場合はパーツ交換も必要に
特定のパーツ全体から発せられている振動であれば再固定などの方法で対策を行う事ができる一方、例えばコイルなどパーツで固着使用されている特定の部品が振動することによって異音が発せられている場合、パーツ自体を固定したりしても異音に対する対策としては不十分であるばかりか、全く効果が見られないことが大半です。
こういった理由から異音が出てしまっている時には、最悪、その異音を発しているパーツ自体を別のモノに交換するしかありません。
ただし、異音を発するパーツ自体を別のものに交換することによって異音自体をゼロの状態にすることができるので、たとえ小さな雑音であったとしてもどうしても気になってしまうという繊細な方には、特におすすめの方法といえるでしょう。
キーンという異音が聞こえたときの原因
極稀なケースとして、パソコン内部から「キーン」といった感じの異音が聞こえるケースがあります。
これは、パソコン内部の特定のパーツから発せられている高周波音で、音自体は決して大きくない一方で、一度気になると常に気になってしまうなど大変不快な音の1つにも当たります。
なぜ、こういった不快な高周波音がパソコンの中から聞こえるようになるのか?
その原因に当たるのが、いわゆる「コイル鳴き」と呼ばれる現象にあります。
パソコン内部には、電力を増幅し安定させる目的から、基板上に細い銅線などを円柱状に巻いたコイルと呼ばれるパーツが複数使用されています。
特に、コンセントと繋ぎパソコンに必要な電力を作り出す電源をはじめ、ビデオカードやマザーボードの電源部にも使用されているなど、パソコンにとって欠かせないパーツの1つといっても過言ではありません。
しかし、使用されているコイルの設置が不十分であったりコイル自体が低品質な場合、経年劣化によるコイルの品質低下など様々な要因から、このコイルに電気が流れることでコイル自体が微弱な振動を起こすことがあり、これが「キーン」という不快な高周波音の原因となります。
このコイル鳴きという現象がパソコン内部で発生してしまうと、直ちに故障するというわけではありませんが素人が行える対策では異音の発生自体を防ぐことが非常に困難であるため、異音を無くす為にはパーツ交換しか方法がありません。
コイルを多数使用しているマザーボードからこの異音が聞こえ始めたら、新しい物に交換するしか具体的な解決方法が見つからないので留意しておきましょう。
また、コイル鳴きが発生し始めた時点で既にパーツの劣化の合図の可能性もあるので、これを機にパーツやパソコンを新しい物へと交換するのもおすすめです。
ピーという異音が聞こえたときの原因
前日までは普通にパソコンを使う事ができていたにもかかわらず、当日になってパソコンを使用するために電源を入れた途端、パソコン内部から「ピー」というけたたましい異音が聞こえる事が稀にあります。
これは、マザーボード上に搭載されているスピーカーから発せられている警告音で、ビープ音といいます。
ビープ音は、パソコンが正常な状態であれば基本的には聞くことがまずない音で、パソコンに対して何らかの異常が発生している場合に限り、マザーボードが警告を行う目的でこの音を発するようになります。
マザーボードがビープ音を発する原因は実に様々で、最もメジャーなケースとしては、パソコンにセットアップされているOSなどに何らかのエラーが発生しシステムを立ち上げることができない場合です。
この場合は、OSの再セットアップやセーフモードでの起動を行うことで解決の可能性が見いだせるでしょう。
また、別の理由として、マザーボードを正しく動かすために用いられているBIOS(バイオス)という部品に何らかのエラーが発生しているケースが挙げられます。
BIOSは非常にデリケートなICパーツで、故障した電源由来の過剰な電流が流れる現象で故障したり、落雷時などに発生する雷サージによって故障する可能性があります。
OSに異常がある場合には通常のBIOS起動画面が表示される一方、BIOS自体が故障している場合にはBIOS起動画面自体が起動直後に表示されないので、この違いでビープ音の主要因を把握する事ができます。
まとめ
精密な部品を多数使用しているマザーボードやPCパーツからは、実に様々な種類に異音が発せられる事があり、それぞれの異音毎にその原因や対策法も様々です。
これらの違いや対策をしっかりと理解しておくことができれば、愛機から突然異音が響き渡ったとしても無駄のない正しい対策を行えます。
また、こうしたトラブルの要因でもある異音を防ぐため日頃からの定期的なメンテナンスを行っておくことも、重要な解決法になることを覚えておくと良いでしょう。