AMDのCPU「Ryzen3」発売記念!対応マザーボード特集
AMDが2017年7月27日に低価格帯のCPUである「Ryzen3」を発表しました。
「Ryzen3」は1万円代後半で購入可能なので、自作PC初心者の方を含め幅広い層にアピールできるCPUだと言えるでしょう。
そこで今回はAMDのエントリーモデルCPU「Ryzen3」を搭載できるマザーボード製品群を特集します。
Ryzen3について
「Ryzen3」はNVIDIAとのライバル関係で有名なPCメーカーAMDが発表した4コア4スレッドのCPUで、「Ryzen」シリーズでは下位モデルに相当します。
今回「Ryzen3 1200」と「Ryzen3 1300X」の2種類が発表されましたが、どちらも2万円を切る上に最新規格メモリDDR4に対応しているコスパに優れた製品です。
ただし両製品共に内臓GPUが搭載されていないので、新規で組み立てる場合は別途グラボを用意する必要があります。
「Ryzen3 1200」を上回るベースクロック性能を持っているのが「Ryzen3 1300X」になりますが、TDPはどちらも同じ65Wとなっています。
「Ryzen3」の対応ソケット規格は「Socket AM4」となり、チップセットはハイエンドから順に「X370」「B350」「A320」「X300」「A300」という区分けが行われています。
それでは各社のAM4対応マザーボードを見ていきましょう。
ASUSのマザーボード
ROG CROSSHAIR VI HERO
「ROG CROSSHAIR VI HERO」はASUSがPCゲーマーに向けて開発したエントリークラスのマザーボードで、「European Hardware Awards 2017」において「ベストATXマザーボード」に選ばれた優秀な製品です。
チップセットはX370で、「Ryzen」シリーズ以外にも第7世代「A/Athlon」の各APUをサポートします。
DDR4のメモリを4枚、最大64GBまで搭載可能で、M.2ソケットやUSB3.1コネクタ搭載など、最新規格への対応も完璧です。
上位のチップセットを使用しているのでマルチGPU環境に対応する事も可能で、さらにマザーボード本体上部には水冷システム用の温度監視センサーが搭載されているため、PC本体の熱対策も万全です。
そしてAM4用だけではなく、AM3ソケット用CPUクーラーの取り付けにも対応しているので、前モデルの流用を含めたCPUクーラー選択肢のバリエーションが増えます。
また、ASUSは「Aura」というLEDコントロールシステムを開発しているので、本製品をマウスやキーボードなど他のLED搭載デバイスとシンクロして同時に発光させることも出来ます。
「ROG CROSSHAIR VI HERO」はエントリーモデルという位置付けながら、ハイエンドなグラボも安心して導入できる環境が整った非常に拡張性の高いマザーボードなので、購入後にパーツの買い替えや買い増しで着実なグレードアップを図りたいユーザーにも安心しておすすめ出来る良質な製品だと言えるでしょう。
ASRockのマザーボード
Fatal1ty AB350 Gaming-ITX/ac
ASRockからはMini-ITX規格の小柄なマザーボード「Fatal1ty AB350 Gaming-ITX/ac」が登場しています。
チップセットと筐体のサイズの関係上マルチGPU環境構築は不可能ですが、ハイエンドなマザーボードにも引けを取らない品質やパーツの堅牢さが魅力です。
チップセットはB350で、「Ryzen」以外にも第7世代AシリーズAPUが搭載可能です。
DDR4メモリをサポートし、最大搭載数は32GBまでとなっています。
ウルトラM.2インターフェースを備えているので、NVMe SSDを起動ディスクに使用する事も可能です。
本製品はパーツの品質にこだわりを持っており、寿命が長い事で知られるニチコン製12Kコンデンサを搭載する他にも、PCI-Eスロットは堅牢なスチール製で、オーディオ端子は金で仕上げられています。
さらにマザーボード上部にはLEDヘッダーと呼ばれるピンがあるので、AMDのLEDファンやLED発光タイプのストリップを接続してイルミネーションのように発光させる事が出来るようになっています。
ちなみに発光のタイミングや色を自由に変化させるカスタマイズ用ユーティリティはASRockの公式ホームページから直接ダウンロードする事が可能です。
最近ではLED装飾を楽しむヘビーユーザーに向けた「覗き窓」搭載で中が視認できるPCケースが数多く出回っていますが、「Fatal1ty AB350 Gaming-ITX/ac」はそういった「見て楽しむ」タイプのPCケースで最も映えるマザーボードだと言えるでしょう。
価格帯も15000円台から16000円台前後と、マザーボードでは標準的な価格なのも魅力です。
MSIのマザーボード
B350M PRO-VDH
MSIが今年の6月に発表したMicro-ATX規格のマザーボードです。
長寿命とビジネス向けが売りの「PRO」シリーズなのでゲーマーに向けに特化した機能はありませんが、汎用性が高く丈夫であるという点がセールスポイントです。
チップセットはB350、メモリスロット数は4で、DDR4のメモリを64GBまで搭載する事が出来ます。
M.2インターフェースを備え、NVMe SSDにも対応可能です。
またMSI独自の「X-BOOST」機能を利用すれば、SSDを使用した際の起動速度や転送速度が最大で10%ほど上昇します。
本製品の最大の特徴はDVIとVGAビデオ出力端子を搭載している点です。
PCの世界ではすでに「レガシー」と呼ばれるこの端子をサポートする事でビジネスシーンにおける活用法が広がっていくという発想でしょう。
「B350M PRO-VDH」はMSI独自の「過電圧防御」や「Military Class 4」という高品質部品基準に守られた堅牢なマザーボードです。
ビジネス用途ありきで設計されているのでLED装飾などの派手な要素は一切ありませんが、コンパクトで高性能、頑丈なマザーボードを好むのであれば有力な選択肢となるでしょう。
おすすめマザーボードは
「Ryzen3」は4コア4スレッドの下位CPUなので、3月頃に発売された上位モデル向けのマザーボードでは少々不釣り合いになってしまう可能性があります。
全体の予算の調和という面を考慮して組み上げるのであれば低価格帯であるMSIの「B350M PRO-VDH」が丁度良いマザーボードだと言えるでしょう。
一方で将来的にCPUやグラボ、各種パーツのバージョンアップを考えている場合は、今回紹介した中では最も高価な製品ながら抜群の拡張性を持つASUSの「ROG CROSSHAIR VI HERO」がおすすめのマザーボードになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
Intelが一大勢力を誇ってきたCPU市場に新たな風を送り込む存在となるかもしれない「Ryzen3」の魅力はやはりその価格です。
自作PC製作にハードルを感じていたような「予備軍」の人も、これで足を踏み入れるチャンスが広がったのではないでしょうか。
入門に最適な「Ryzen3」をマザーボードに組み込んで、初めての1台を完成させましょう!