GTX1080とGTX1080Tiお買い得なのはどっち?
値段が下がり気味で買いやすくなってきているGTX1080と、1080を超えるスペックを持つ代わりにまだ少し価格が高めなGTX1080Ti、どちらにしようか迷うという方も多いかと思います。
今回は、この2つのグラボについて個人的に感じた事、どちらがどういう人にとってお買い得かについてまとめました。
参考にしていただければ幸いです。
目次
2つのグラボの違いはどこにある?
名前の最後にTiが付いただけにも思えるこの2つのグラボは、仕様に関してはかなりの変更が加えられています。
まず、使用されているアーキテクチャ自体はどちらもGTX1000シリーズで使用されているPascalですが、GTX1080ではGP104を使っているのに対してTiではGP102というコアを使用しています。
このコアの差というのはかなり大きく、GTX1080に採用されているGP104は大衆向けのハイエンドクラスに使用されるものであるのに対して、GTX1080Tiに採用されているGP102はTITAN Xに使用されているものとほぼ同等の、かなりパフォーマンス重視のものとなっています。
そういった点を踏まえると、GTX1080はあくまでも大衆向けの最上位クラスのグラボであるのに対して、GTX1080Tiは1080の強化版のような名前とは裏腹にどちらかというと性能最優先かつ価格度外視だったTITAN Xの量産性を向上させて大衆向けに変更したもの、といった方が近い部分があります。
性能の差はおよそ30%前後?
GTX1080とGTX1080Tiの性能差はおよそ30%です。
カタログスペックに関してはクロックだけはGTX1080のほうが高いのですが、それ以外の面ではパフォーマンス重視のGP102を使用しているGTX1080Tiのほうがはるかに充実しているため、最終的な処理能力に関しては、クロックの低さに関係なくGTX1080Tiのほうが25~35%程度高い結果になる事が殆どとなっています。
一方で、処理能力が30%近く上がった事で、CPUをはじめとする他のパーツの性能が低い事によるボトルネックの発生もし安くなっているため、GTX1080Tiのほうが他のパーツの性能にされやすい部分もあります。
また、GTX1080の消費電力が最大で180W前後とされていたのに対して、GTX1080Tiでは最大で4割増しに近い250Wとなっているため、GTX1080の持つ大きなメリットの1つであった省エネな面については若干抑え気味になってしまっています。
性能だけで選ぶならGTX1080Tiが圧勝!でも……
以上のように性能に関してはGTX1080Tiが圧倒的です。
事実としてGTX1080Tiは今現在買う事が出来る「現実的な価格のグラボ」として見た場合にはシングルGPUでは最速と言える実力を持ったグラボです。
ですが、必ずしもGTX1080Tiのほうが優秀とは言い切れません。
中でも特に大きいウィークポイントになるのが消費電力の多さです。
本来発揮できる1.3倍近い処理能力を完全に発揮できている場合には、GTX1080比で4割増しの消費電力にも目を瞑る事が出来なくもありませんが、グラボの性能が頭打ちになる環境では性能を発揮できないまま消費電力だけは通常通り食う、という事態が起きる可能性があります。
流石に過去存在した300Wクラスのグラボと比べるとGTX1080Tiも可愛らしいレベルの消費電力ではありますが、だからといって省エネかつハイスペックを両立させたい、という人には必ずしもGTX1080Tiのほうが良いという事はなく、むしろGTX1080のほうが用途に合っているという事も珍しくありません。
GTX1080でも十分実用的と言える?
実用レベルにおいては、GTX1080で困る事はほぼ無いと思います。
仮に普通にゲームをしたい、という程度であればGTX1080でも十分実用的を通り越してかなりのオーバースペックになります。
また、どれくらいの期間使えるのかという点に関しても、今後、何か大きなブレイクスルーが起きて、グラボの処理に革新が起きない限りはGTX1080で数年間は安定して使っていける性能があるため、陳腐化を気にしてGTX1080Tiを選ぶというのもあまりおすすめではありません(実際、1世代前のグラボであるGTX980もまだまだ実用的と言えるレベルの性能です)。
また、実際に買う場合にはGTX1080と比べて、GTX1080Tiは2~3万円程度割高になるため、性能の差に対してこの価格を払えるか、という点もどちらを買うか考える上では重要なポイントになると思います。
どっちがお買い得?
現時点では、GTX1080のほうがお買い得だと思います。
GTX1080をおすすめする理由としては、単純に実用レベルとして最高峰である事と、省エネ設計ゆえに使いやすい事、単純に安い事があります。
GTX1080Tiが持つ「シングルGPU最高クラスの性能」というのも聞こえはいいのですが、それを上手く活用できる環境が非常に限られている事を考えると、必ずしも現実的とは言えない部分が強く、そのスペックの高さに合わせて価格が高目な所が気になるポイントです。
ただし、ハイエンド帯のグラボであるGTX1080や1080Tiは「安かろう悪かろう」という傾向が少なくどこのベンダーの物も一定水準以上の品質を持つため、価格が高めな傾向があるベンダーのGTX1080を奮発して買う気でいる場合はいっその事、他ベンダー製のGTX1080Tiを選んでしまった方が安く済む事もあるため、そこは好みで良いかと思います。
GTX1080/GTX1080Tiを買う上でおすすめのメーカーはどこ?
どちらを買うにしてもおすすめしたいのは、次のメーカーのグラボです。
- 安く買いたいなら玄人志向
- 価格と品質のバランス重視ならASUS
- 長く安定したものが欲しいならELSA
辺りがおすすめです。
特に玄人志向の新ブランド「GALAKUROシリーズ」は、かなり価格が抑えられていて、GTX1080Tiでありながら一部のGTX1080よりも安いなど中々狙い目のシリーズになっています。
ただし、玄人志向の常としてメーカーサポートなどは無くトラブル時は自力解決、不良品は購入店舗との交渉などが必要になるため、不慣れな人にはおすすめしません。
また、玄人志向のサポート関係が不安という人にはASUSなどがおすすめです。
少し価格が高いですが、その分だけサポートなども平均的に用意されています。
逆に、どれだけ価格が高くても良いから安定したものを長く使いたいという人には、ELSAがおすすめです。
クロックは定格なため性能は並ですが、外装はシンプルながら考えられた作りになっています。
他のメーカーよりも長めの保証期間も特徴の1つです。
安く欲しいなら「玄人志向 GALAKURO GK-GTX1080-E8GB/WHITE」がおすすめ
GTX1080を安く手に入れたい、という人には玄人志向とGALAXYが共同した新ブランド、GALAKUROの「GK-GTX1080-E8GB/WHITE」がおすすめです。
玄人志向の製品はグラボに限らず価格が安めですが、これはメーカーサポートをしないなど、種々の保証の一部を停止する事で実現したもので、安いからといって品質が極端に悪いという事は無いため、品質が気になる人も心配は要りません。
ただし、初期不良品の対応などはメーカーではなく、購入店舗になるため、ある程度の慣れが必要なのも事実です。
また、かなり珍しい白いカバーを付けたGPUクーラーを搭載しているため、PC内のカラーリングをこだわりたい人にもおすすめです。
長く使いたいなら「ELSA GeForce GTX1080 8GB GLADIAC」がおすすめ
多少価格が張ってもいいから、良いものを長く、安定して使いたいという人にはELSAの大衆向けブランドの中でも最上位であるGLADIACシリーズのGTX1080がおすすめです。
ELSAはスタンスとして、定格クロックでの安定動作を念頭に置いた作りをしているため、単純な性能に関しては他メーカーのゲーミング向けブランドに劣りますが、その分安定性が高く堅牢な作りになっているのが特徴です。
その中でもGLADIACシリーズは価格は若干高いブランドですが、その分保証期間は3年と長めなため、安心して使う事が出来るようになっています。
「どうせ、高価な買い物なのだから安心して使いたい」という人に是非おすすめしたいグラボです。
まとめ
GTX1080とGTX1080Tiで比べるとどうしても性能が高いGTX1080Tiに目が行きがちですが、GTX1080も省エネでありながら高性能かつ価格もハイエンドにしては手頃とかなりの優等生で、お買い得かつおすすめのグラボです。
実用面では余程高負荷な作業をしない限り差が出ることは少ないため、カタログスペック上の差で迷っているのであれば、安いGTX1080を選ぶのは必ずしも間違いではないと言っていいと思います。