PCを自作するなら知っておきたいマザーボードのメンテナンスに必要な道具と方法
年末の大掃除シーズン、いつもは触らないようなところを掃除する。
という人も多いかと思います。
ですが、PCの中まで掃除する。
という人はあまり多くないのではないでしょうか。
PC内部のハードウェアやマザーボードの掃除をしないと中に熱が籠り故障の原因にもなります。
こまめな掃除はPCを長持ちさせることにつながるため、自作やBTOのPCを使っている人はこれを機にチャレンジしてみてもいいかもしれません。
目次
マザーボード周辺の掃除が出来るのタワーPCだけ
基本的にマザーボード周辺をいじりやすいのは自作やBTOのタワー型PCのみです。
ノートPCなどそれ以外のPCも掃除ができない訳ではありませんが、分解防止措置が講じられていたり、そもそもネジが一般的な物では無かったりするため、特殊な工具と知識が必要になります。
タワー型PCの場合、ケースを正面から見て左側のパネルを外すことで内部の状態を見ることができます。
大抵のPCケースはプラスネジが使用されているためサイズの合ったプラスドライバーでネジを外せばサイドパネルを外すことができます。
PC内の掃除の頻度が多く毎回ドライバーを使うのが面倒、という人は手で回すことができるローレットというタイプのネジに変更してしまうのがおすすめです。
ローレットは手で回せるように頭の部分が大きくなっています。
マザーボードの掃除はなぜ必要?
まず、前提条件としてマザーボードをはじめとしたPC内部に配置されているパーツ群は基本的に熱に対して強くありません。
そのため、空気を循環させ熱を排出するためのファンが無数に搭載されているのですが、PC内部に埃が溜まってしまうとこの排熱が上手くいかなくなる事があります。
そうなってしまうと熱の排出が上手くいかなくなり、PCのパフォーマンスは大きく下がることになります。
また、埃が溜まった状態で使い続けると埃が水分を吸ってしまったり、固まった埃はファンに絡みついてファンの故障の原因にもなります。
また、起動しなくなった場合にも埃を除去してしっかりメンテナンスをすることで再び動くようになることもあるため、故障の原因が分からない時はとりあえず掃除してみる、というのもおすすめです。
マザーボード周りの掃除に関しての注意点
マザーボード周辺を掃除する場合、当然ですが水気に注意が必要です。
埃が付いたマザーボードはどうしても湿った綿棒あたりで拭いてしまいたくなりますが、絶対にやらないようにしましょう。
また、人によっては静電気対策をしっかりするにと言う人も居ますが、最近のパーツは静電気対策がされているものが多いため、比較的静電気による破壊トラブルは起きづらくなっています。
とはいえ、100%安全というわけではないため、掃除の前には電源プラグを抜き、電源ボタンを数度押して電気を完全に抜くなどの簡単な対策をしておくのがおすすめです。
また、マザーボードやグラフィックボードなどの基盤系のパーツを掃除する時、コンデンサや回路は強く押すと壊れる原因になるので気を付けましょう。
掃除の頻度はどのくらい?
PCの使い方や設置場所にもよりますが、最低でも1年に一度程度は掃除をしておくのがおすすめです。
ゲーミングPCなどで使用頻度も高く、発熱も強いPCの場合には3ヶ月に一度程度の頻度で掃除するのがおすすめです。
また、ワンルームなどで布団やベッドといった埃の原因になるものと同じ部屋に置いている場合には埃が溜まりやすくなります。
また、PCのファン部分に埃を入りにくくするメッシュタイプのパーツなども市販されているため、そういったパーツを使う事でそもそも埃が中に入りにくくする事も出来るため、頻繁に掃除ができない人はそういった対策をするのもおすすめです(メッシュ部分の掃除だけは必要になります)。
マザーボードの掃除に必要な物
基本的な範囲であれば、エアダスターのみで十分です。
エアダスターは空気を噴き出し埃などを飛ばす道具で、ホームセンターなどでも缶スプレータイプの物が市販されています。
ちなみに、エアダスターが無いからと口で息を吹いて埃を飛ばすのは控えた方が無難です。
人間の呼気には水分が含まれているため、電子部品に対して吹きかけるとショートの原因にもなります。
これ以外では、ウェットティッシュや無水エタノールなどもあると便利です。
また、エアダスターは1本を使い続けていると噴射用のガスが冷えて出が悪くなったり缶が結露するため、予め数本用意して特定の1本が冷えすぎないように使うのがおすすめです。
PC内部全体を掃除する場合は大抵1本では足りない上、使用しなかった分はそのまましっかりと保管しておけば殆ど損失することなく次回以降に使用できるため気にしなくても問題ありません。
掃除の方法
PC内部の掃除はサイドパネルを外して内部の埃をエアダスターで噴き出すのが基本です。
マザーボード上の掃除も、大半はエアダスターで吹いて埃を飛ばす事になります。
先に大きな埃が目立つところから噴いていき、細かい所へ移っていく、という順序がおすすめです。
また、端子などをエアダスターで吹く際は、マザーボードに対して垂直方向から噴くと逆に埃を奥に押し込んでしまう事になります。
角度を付けて内側に入り込まないように吹くのがマザーボード上を掃除する際のコツです。
また、ファンやケース内部の基盤以外のところはウェットティッシュで拭きとってしまうのが手っ取り速い上にきれいになるためおすすめです。
ですが、ウェットティッシュは揮発性の高いアルコールが使用されている事が大半ですが、渇き残りがないように注意が必要です。
特にしっかり掃除しておきたいポイントは?
PC内でも特に熱に弱いのは、CPU、メモリ、電源ユニット、グラフィックボードです。
特にCPUはファンの下のヒートシンクをよく掃除するようにします。
ファンの掃除も重要ですが、ヒートシンクはたくさんの狭い隙間があるため、埃が入りやすく熱が逃げにくくなるため、熱暴走や故障の原因になります。
ヒートシンクの掃除は指や割りばしなどでファンを抑えた状態でエアダスターを噴くと内側の埃が上手く取れます。
また、あまりにも酷い場合にはCPUクーラーごと一度取り外してしまうのも方法の一つです。
この場合は、分解することでヒートシンクを水で丸洗いできる他、CPUとクーラーの隙間の掃除をすることができます。
CPUからクーラーを取り外した場合には、再度取り付ける際にCPUグリスを塗り直す必要があるため、事前にグリスの準備をしておきましょう。
メモリは複数枚が並行して差さっている事が多いため、隙間が埃が溜まりやすいです。
エアダスターなどで一気に吹いて埃を取ってしまいましょう。
また、端子部分が汚れている場合には無水エタノールをしみこませた綿棒などで丁寧に噴くときれいに汚れが取れますが、乾燥には十分注意が必要です。
煙草を吸う人は普通以上に注意が必要です
PCの周辺で煙草を吸う人は、吸わない人よりも掃除の頻度を上げた方がいいです。
というのも煙草を吸う人の場合、PC内部にヤニが溜まるため吸わない人のPCと比べて影響が出やすくなります。
長期間掃除せずに放置すると、エアダスターで噴いても取れないほどこびり付いてしまうため、タバコを吸わない人以上に定期的なメンテナンスが必要になります。
もし、長期間掃除せずに放置してしまっている場合は、マザーボード表面にヤニが付いている事が多いため、全てのメンテナンスにはかなり時間がかかります。
丸一日以上かかることが普通にあるため、ある程度時間がある時に行うようにしましょう。
マザーボード上やメモリ表面のヤニ汚れに関しては、無水エタノールをしみこませた綿棒で少しづつ擦って落とすなどの方法で取ることができます。
この際、あまり強くやると回路などに良くないため、丁寧に時間をかけて行うのがおすすめです。
ファンなどの直に拭ける物はボロ布のようなものでしっかりと拭き、取り外せるヒートシンクなどは粗方ヤニと埃を取り、それでも酷いようならヤニ取り用のクリーナーを買ってきて長時間漬けたまま放置し、ヤニが取れるようなら取り出して水洗い後しっかりと乾燥させてから元に戻す。
といった対応が必要になります。
まとめ
3ヶ月に一度掃除をする、というのは中々難しいかもしれませんが頻繁に掃除をした方が埃も溜まらないため一回当たりの掃除の時間は確実に短くなります。
また、マザーボードの掃除は全てを綺麗にするのではなく、埃を飛ばす程度の簡単な掃除でもかなり効果があり、動作しないPCが動作するようになったり、動作音が小さくなるなど目に見えて変化します。
自作やBTOのPCなら丁寧にやれば失敗する事はほぼないため、メンテナンスはしたことがないという人も一度挑戦してみてはいかがでしょうか。