電子辞書の「百科事典」で情報の海を遊ぶ
あなたの家に百科事典はありますか?
分厚く、扱いづらいこの事典、あったとしても開くことは少ないのではないでしょうか。
本稿では、電子辞書に搭載されている百科事典を使って、さまざまな知識を楽しく吸収することができた経験についてお話しします。
特に、学生さんが、暇な休み時間を使って余分な知識に触れることを楽しむのに大変おすすめです。
本当はおもしろい百科事典
百科事典。
実物を目にしたことはあると思います。
ですが、手に取って使ったことは少ないのではないでしょうか。
しかも、この百科事典、紙媒体の更新はもうほとんど行われていないそうです。
レアですね。
よく、Wikipediaなどの知識まとめサイトと比較されますが、百科事典には3つの長所があります。
① Wikipediaと違い、編者の責任が明確で、大概専門家による承認を経ています。
② Wikipediaなどと異なり、事典のスペースに制限があるので、情報がコンパクトにまとまっていて一息で読んで理解できる内容になっています。
③ また、たいていの百科事典には豊富な図版、イラストが要点を踏まえて載っています。
こんな百科事典、楽しそうではあるのですが、重くて分厚く正直使いづらいこともおわかりいただけると思います。
百科事典も搭載している電子辞書
しかし、この百科事典、なんと搭載している電子辞書があるのです。
電子辞書を使えば、百科事典をコンパクトかつ索引の手間なく手軽に楽しむことができます。
紙媒体の百科事典は、高さ30 cm幅20 cm程度で、両手で持ってもまだ余るサイズですが、電子辞書だとほぼ手のひらサイズ。
しかも、電子辞書ですので、いちいちページをめくって単語を探すことなく、検索だけで見たい単語の情報を得ることができます。
相当便利ですよね。
遊び方① どんなときでも百科事典
遊び方は簡単です。
私が学生の頃は、すきま時間に電子辞書に載っている百科事典で遊んでいました。
10分休み、自習が終わった後、電車の待ち時間などに、遊ぶのが適していました。
長い時間の休みでもなく、友人とだべるにしてもあまり時間がないようなシーンで利用していました。
一番おすすめのシーンは、「勉強のやる気がでないとき」です。
勉強の意欲というのは、「やろう」「やろう」と思っていてわいてくるものではありません。
百科事典遊びでは、新しい情報をインプットする作業を手軽におこなうわけで、この行為がどうもそのあとに続く勉強への意欲を上げる効果があるように思います。
例えば、英単語あと30個覚えることがしんどいと感じるときに百科事典、数学の問題集2ページまるまる取り組む必要があるけどしんどいときに百科事典という感じです。
他にも、授業直後の休み時間に授業で出てきた単語に関して調べることもおすすめです。
授業で習った内容が定着するのもさることながら、化学事典や歴史事典ではなくあえて百科事典で調べることで、思わぬ知識を拾うことが多いです。
続いて、単語を調べるだけではない遊び方を紹介していきます。
遊び方② キーワードを手繰って遊ぶ
電子辞書に記載されている百科事典のメリットの一つは、「ジャンプ機能」です。
紙媒体の百科事典では、解説項目中の気になる単語の意味を確認するために、他の項目を索引するなんてことはほぼ不可能です。
この「ジャンプ機能」では、解説項目中の気になる単語にジャンプしてさまざまな説明を漁ることが可能です。
例えば、福島を表示すると、福島県の地理的位置の説明、福島市の地理的位置と歴史の軽い説明、長野県木曽町にも同じ地名の町があることが示されます。
次に、福島藩の藩主だったという板倉氏について調べてみます。
結果、日本史の授業で少し聞きおぼえがあるこの氏族、有名な板倉勝重のイメージだけだったのですが、なんと足利一族渋川氏の末裔であることが明らかとなりました。
こんな風にキーワードからキーワードを飛んであるくと自分がしらなかったトリビアを拾って歩くことができるのです。
遊び方③ つながりゲーム
しかし、無目的に調べ続けると、徐々に飽きがきます。
自分で勝手に思いつく最初の単語には結構偏りがあったのです。
そこで、ゲーム性をとりこんだ百科事典で遊ぶ方法を誰かが思いつきました。
それは、最初の語句解説にのっているキーワードからキーワードをジャンプして、まったく関係がなさそうな目的の語句に素早くたどり着くというゲームです。
例えば、誰かが、「AKB→正妻」とお題を出します。
その場で最短のジャンプ数で到達したものが勝者です。
(別に、賞金などがあるわけではありませんが。)私の場合は、AKB→秋葉原→北東部→北→北の方→正妻とつなげることができました。
このゲーム、お題を出す方も解く方もかなり厳しいですが、かならず何か発見があります。
一回遊んでみる価値はあると思います。
遊び方④ 百科事典で化学に親しむ
軽く前述しましたが、授業直後に授業にかかわる単語を調べて遊ぶのも効果的です。
しかし、化学事典、歴史事典など専門に特化したものは使いません。
専門に特化したものに載せられている事項というのは、大概授業で説明されていることが少なくないためです。
具体的に、アルミニウムの項目で考えてみたいと思います。
アルミニウムを化学事典で引くと、そこにはたいてい、教科書通りのことが記載されています。
他のイオンと結合して何色の沈殿ができるとか、基本的な性質についてです。
一方、百科事典はというと、基本的な性質がコンパクトに記載され、かつアルミの応用先と応用された理由が述べられています。
このような記述が意外と重要で、授業で習うような内容だけだといまいち身につかないのですが、身の回りの素材として言及されると、なんとなくアルミニウムというものを日常意識するようになるのです。
これを繰り返すと、化学ぎらいもすこしずつ治ること請け合いです。
遊び方⑤ 百科事典で歴史に親しむ
前項と同様、歴史の授業直後に百科事典で遊ぶことが、意外な効果をもたらします。
例えば、原敬は有名な大正時代、政党内閣の首相ですが、百科事典から彼が盛岡出身であることがわかります。
では、原敬の前の首相は、軍出身の寺内正毅で彼は長州出身でした。
この寺内の前の政党内閣の首相は、あの有名な大隈重信で彼は佐賀藩出身です。
大隈の前は山本権兵衛という海軍出身の首相で彼は薩摩出身でした。
ここから見えるのは、大正デモクラシーの中にもかかわらず、主要な登場人物は多少の身分上下はあるもののみな旧士族。
軍出身者は基本的に薩長中心で、政党政治の中心者は、明治維新で主導権を握り損ねた士族が多いことが注目されます。
これが見えてくると、この後の時代にくるむやみな藩閥否定と軍部の台頭というながれが展望できます。
百科事典で気軽に歴史事実をさらうだけで、教科書に出てこない時代の流れを感じ取る楽しみが味わえて、歴史への理解が深まります。
百科事典の先へ
もっともっと深い内容を知りたいと思ったときは、百科事典から電子辞書付属の専門事典に飛ぶことをおすすめします。
百科事典は、さわりとして新しい角度から知識を得たい時に便利なのです。
百科事典で知的冒険を楽しみましょう。
まとめ
電子辞書に載っている百科事典は大変おもしろい。
特に、学生がちょっとした休み時間に軽い調べものをして遊んだり、勉強へのモチベーションを上げるために利用するにはうってつけ。
特に、各項目についているジャンプ機能はとても便利で関連知識を取得するのに役立ちます。
このジャンプ機能を使って、学んだ内容を深く再構成したいときなんかに相当役立ちます。
電子辞書についている百科事典は本当におすすめです。