電子辞書をフル活用しよう!「使える英語」の速学ルール
近年の電子辞書は、紙ベースの和英・英和辞書のみならず、学習用のテキストを豊富に収録したものが多く発売されています。
独学用のツールとして購入する人も少なくないようで、年代問わず人気の陰りはありません。
ここでは、教養ブームのなかで議論される「知的な英語力の身につけかた」について、少しお話をしたいと思います。
英会話と英語力の違い
義務教育での英語学習指針が変わるようで、「話せる」「伝える」能力を鍛えようという意識が高まってきています。
そんななかで、大学英語や社会人向けの英語教師が出版する書籍を開くと、ある一貫した異論が見られます。
英語で淀みなくコミュニケーションを取る方法とは、どんなものでしょうか。
また、電子辞書はどのように役に立つのでしょうか。
自分の求める英語力を見極める
今は観光バブル真っ只中、都心にいけばアジア系観光客にあふれています。
彼らは世界標準語として英語を使用することが多く、ちょっとしたことを英語で尋ねられたりすることも、多くの方が経験しているのではないでしょうか。
そんなときにあたふたして、なんとなく「英語を話せたらいいな」と思う、ひとつのきっかけになると思います。
語学を専門的に研究している人によると、個人がもとめる語学力には段階があるのだとか。
- 簡単な単語で道案内ができるレベル
- 標準的な言葉で日常会話ができるレベル
- 英語圏の人と、引用やスラングを使って話せるレベル
上2つに関しては非常に簡単で、辞書と首っぴきになる必要性はあまりないでしょう。
筆者の体験ベースで語るとしても、中〜高向けのラジオ教材に載っている基本的な単語さえあれば、十分にこなし得ます。
極論を言ってしまえば、せっかく買った高価な辞書が「宝の持ち腐れ」になってしまうことも。
「英語がよくお出来になる」という評価にとどまらないレベルにいたるには、学生のそれではない勉強法についての発想の転換が必要になります。
実際に英語圏の人と会話するためには
英語圏の人と会話するときに必要なのは、
- 単語力
- 熟語/現地の人に合わせた感覚の表現
これらが必要になります。
古風な考え方の専門家は「紙の辞書から地道に語彙力を伸ばす」ことを強く勧めますが、現在流通しているモデルの電子辞書であれば、十分に代用品になります。
ビジネスタイプのものは特に機能が高く、和英・英和・文法書・熟語一覧などの様々な書籍を集めるよりもコストが安くつく場合もあり、努力家のみなさんのモチベーション維持にもつながるのではないかと筆者は考えます。
電子辞書に収録されているテキストの有用性
とりあえず基礎の基礎から学びたい・英語を苦手とする理由を自分で掴めないという皆さんには、辞書を活用した速学法があります。
これについて、具体的に述べていきます。
基本的な文法を学ぶ
多くの英語教師や言語研究家が指摘するところによると、「英語の文法そのものはきわめて簡単」とのことです。
筆者もかつてTOEICスコア800以上を目指す必要性がでてきたとき、文法書にも触れましたが…読み込んだのは「ラジオ基礎英語」の教本でした。
電子辞書市場のトップシェアメーカー・カシオから出ている機種であれば、ほとんどが収録しているものです。
ちなみに紙ベースで買うとなると、3〜6年分になるので、家で保管するには無理な量になります。
英語をアウトプットする・読み込む・文脈を掴むときに1番役にたつのは、学校で習ったレベルの文法というのが、結論として言えるでしょう。
電子辞書の多くが採用している「基礎英語」の優秀なところは、文法の難しい用語を網羅するのではなく、語順を感覚的に習得できるという点です。
ちなみに、中高生モデルのものでも収録されているので、ご予算に限りがある場合でもご安心ください。
じっくりと何度も読み返す・見返すのがポイントになってきます。
発音の規則を学ぶ
近年強調されている「会話力」でキモとなるのは、発音の規則です。
中高生のころに「発音記号」を習った記憶があるかたもいらっしゃることでしょう。
現実に、学術論文で使われるような難しい単語ですら、一定の発音規則に従って発声します。
ルールさえ覚えてしまえば、「記憶にある単語の綴り」と「正確な伝え方」はきちんとリンクします。
電子辞書の強みは、聴覚からでも学べることにあります。
ごく単純な単語から発音の仕組みを繰り返し理解することで、聞き取ること、さらに理解するという段階へと昇華することができます。
これは、スマートフォンのアプリや紙ベースの辞書にはない絶対有利な点なので、ぜひ電子辞書を活用していきましょう
教養ある英語を話せるための勉強法
以前の項でも述べた「英語がお上手ですね」と褒められるレベルのことを考えて見ましょう。
私たちが「日本語がお上手ですね」と言っているイメージをすると、印象がつかめると思います。
会話するときの英文を簡単に作れるだけでは、英語圏の人と膝を突き合わせてじっくりと話す…というのは難しいことになります。
そこでおすすめしたいのが、
- 洋書や海外の新聞+電子辞書
という組み合わせの勉強方法です。
英語で書かれた読み物の選び方についてですが、小説・詩集などの類から入ると、挫折率が上がります。
あくまでもクリエイティブなものなので、辞書にない文法や言い回しがジャンジャン出てきます。
読書といえば小説や詩集…というかたは、一旦はぐっと堪えて、新聞や児童向けの書籍を選びましょう。
モチベーションの関係でどうしても文学から入りたい!
というかたには、邦訳版が豊富に出回っている本がおすすめです。
筆者が個人的にすすめたいのは、「白鯨」や「ブリジット・ジョーンズの日記」、「ハリーポッターシリーズ」ですね。
辞書と首っぴきになって読むとき、気をつけたいのは
- 無理に読破を目指さないこと
- 難しい単語や熟語に当たったら、辞書通りにノートをとること
この2点です。
電子辞書のなかには、マーカーや単語帳機能も付随しているものがあるので、ノートをとるのが苦手なかたにはぴったりかもしれませんね。
継続していくうちに、英語圏的な考え方や言い回し、ウィットに富んだ表現などが身についていくので、実践の場でも役に立つ豊かな教養が育ちます。
どうしてもわからない表現は、電子辞書から国語辞典を引っ張り出してきて、似たような表現や熟語に当たってみるのもよいでしょう。
興味の幅が広がり、「勉強」という頑なな意識が解けていきます。
辞書と合わせて楽しみたいおすすめの作品
上にもちらっと紹介しましたが、辞書と合わせて楽しみたい作品を紹介します。
ホラーやサスペンスがお好きなかたなら、かの有名な「羊たちの沈黙」や「シャイニング」の原作がおすすめ。
多くの読者を意識したストーリーや言語表現が使われているので、映画版・原作小説・電子辞書と横断しながら楽しめば、確実に力になります。
ちょっと難しいものにもチャレンジしたいというみなさんは、シェイクスピアやシェリーの詩集もおすすめ。
英語でちょっと引用してみせるだけで、知的な会話ができます。
まとめ
電子辞書そのものというよりも、より高い語学力・教養を求めて英語学習に踏み切るかたを意識してみました。
現在出回っている電子辞書の万能さには目を見張るところがあり、「試験でよいスコアをとる」ことだけに使うには、ちょっと勿体ない気もします。
生活を少し豊かにしてみたい、海外の価値観と繋がってみたいという人は、電子辞書を通じて新しい体験をしてみてはいかがでしょうか。