電子辞書を選ぶ際や使う際の注意点と便利な使い方
外国語学習にはもちろん、そのほか自分の知識を広げ、興味を深めるのに役に立つのが、電子辞書です。
紙の辞書にも良い点がありますが、電子辞書はすでに紙の辞書の地位を凌駕してしまったと言ってもいいでしょう。
電子辞書には辞書のほか、動画や音声などを用いた多彩なコンテンツを利用することができます。
ここでは電子辞書を選ぶ際や使用する際の注意点、便利な使い方についてご紹介したいと思います。
電子辞書メーカーと価格帯
電子辞書業界をリードするのはカシオで、全体の売上の約8割を占めています。
次に売れているのはシャープで、全体の約2割です。
カシオは「EX-word」シリーズという操作性や検索性に優れ、上級者から初級者までに対応するラインナップを販売しています。
受験英単語に特化した3000円台のものから、医学専門向けの8万円近くするものまであります。
最も人気のあるのは、受験生や英会話学習者におすすめの2万から3万円台の価格帯のものです。
一方、シャープは専用のライブラリーでアプリや動画などをダウンロードできる「Brain」シリーズを販売しています。
「Brain」シリーズは「EX-word」シリーズよりは低価格となっており、1万から2万円台が中心となっています。
「EX-word」シリーズ同様、2万円ほどの英語など語学学習者向けのものが人気となっています。
またシャープは1万円台中心のより低価格の「Papyrus」シリーズも販売しています。
「Papyrus」シリーズは画面はモノクロで、コンテンツ数は限られてますが、主要なコンテンツはしっかり収録されており、コンパクトで実用的なものとなっています。
電子辞書の必要な機能を見定めよう
「電子辞書なんて最低限の機能が付いていればいいんじゃない?」という声もあります。
メーカーや小売店が売りたいものはおそらく高機能のものでしょうが、そのような機能が本当に必要かどうか、よく考えてみる必要はあるでしょう。
高機能のものは一見華やかでお得なように見えますが、実際のところは必要がないことが多く、必要最低限の機能やコンテンツしか使わない人にとっては、使わない機能やコンテンツが多く入っているものは、コストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
ですので、経済的に余裕がありすぎる人は別として、いろいろな機能を使わない人は、必要最低限の機能のもので価格を抑え、必要が生じたら追加コンテンツを検討してみるというのもいいのではないでしょうか。
必要に応じてコンテンツを追加しよう
電子辞書の特徴としてコンテンツを追加できるという点があります。
自分のライフスタイルの変化などに合わせて、必要なコンテンツを追加できますので、長く使うことにもつながります。
機種によっては電子書籍を追加することもできますので、読書のスタイルの幅も大きく拡がります。
追加コンテンツの形式としては、データカード版とCD-ROM版があります。
データカード版は、電子辞書本体に差し込むことですぐに使うことができます。
しかしそのデータカード以外の追加コンテンツを同時に使うことはできません。
一方、CD-ROM版はパソコンを利用してmicroSD内にダウンロードして使います。
ですので、microSDに入る限り、追加コンテンツを同時に使用することができます。
便利な使い方ワイルドカード検索・ブランクワード検索
電子辞書の便利な使い方の一つにワイルドカード検索があります。
ワイルドカード検索とは、英和辞典などで、ある単語の文字数がわかっているのに綴りが不確かなときに使います。
例えば、「island」という単語が「i〇〇and」のように不確かにしか思い出せないとき、「?」(カシオの電子辞書では「SHIFT」を一度押して離してから「K」を押す)を使い、「i??and」のように入力します。
すると、その条件に合ういくつかの単語が表示され、「island」を見つけることができます。
国語辞典で日本語の単語を調べるときも使うことができます。
一方、綴りも文字数もわからない場合は、「~」(機種によっては「*」)を使って、ブランクワード検索を行います。
先の例で言えば、「i~nd」のように入力すると、候補のなかに「island」が出てきます。
便利な使い方ジャンプサーチ
また便利な使い方の一つにジャンプサーチがあります。
これは電子辞書の検索スピードを存分に生かした便利な機能です。
辞書の解説文やコンテンツを読んでいて、その中に新たに調べたい言葉が出てきたときに便利なのが、ジャンプサーチです。
ジャンプサーチモードを選び、タッチペンで新たに調べたい言葉を選択すれば、ほかの辞書コンテンツの候補から辞書を選び(使用頻度の高い辞書を選んでおけば、次回自動でその辞書を選択することもできます)、その解説へとジャンプすることができます。
そこから初めの単語の解説に戻るのも良し、さらにジャンプを繰り返し、知識を拡げていくことも可能です。
また機種によっては、サブパネルに解説を表示できるミニ辞書機能があり、いちいち別の辞書に移らずに意味を知ることができます。
便利な使い方マーカー機能
また便利な使い方が、マーカー機能です。
紙の辞書や本と同じように、大事な部分や覚えるべき部分にタッチペンでマーカーを引くことができます。
機種によっては、マーカーを引いた部分をタッチすることで隠したり、表示させたりすることによって、テスト形式で内容を覚えることもできます。
マーカーは色分けができるので、自分で色のルールを決めておけば、暗記の際に便利です。
こうしてマーカーを引いた単語は、単語帳に登録され、自分だけの単語帳が出来上がります。
電子辞書をケースに入れよう
電子辞書はもちろんケース無しでも使えますが、ケースがあったほうが落としたときなどの衝撃を和らげたり、傷をつくことを防ぐことができます。
特にお子さんが使用する場合は、カバンの中に無造作に入れて、あまり注意しないで持ち歩くことも多く見受けられますので、ケースがあったほうがいいかもしれません。
ケースに入れたまま、使用できるデザインのものもあります。
しかしメーカー専用のケースは、どうしても色やデザインが限られてしまいます。
そこでメーカー専用のケースに満足できない人のために、さまざまな色やカラーバリエーションをもったケースが、メーカー以外の会社から販売されています。
ケースの質などにそれほどこだわりがなければ、電子辞書専用ではありませんが、100均でも電子辞書ケースとして使えるケースが販売されていますので、それを利用するのも一つの手です。
電子辞書とスマホ・タブレットはどちらがいいか
先に普及したのは電子辞書ですが、近年ではスマホ・タブレットの技術革新がものすごく、便利なアプリも急速に増えています。
技術的な面で言えば、手書き認識は電子辞書のほうが使いやすいと言えるでしょう。
電子辞書に入っている辞書は、スマホやタブレット用のアプリとしても販売されていますが、全部そろえるとなると、アプリのほうはどうしても価格的に高くなってしまいます。
また中にはまだアプリが出来ていないものもあります。
しかし実際の使用を考えた場合、全部の辞書が必要なわけではないでしょう。
そこで、価格面を重視する場合は、実際に使うもので両者の価格を比較してみるのがいいでしょう。
まとめ
以上、電子辞書を選ぶ際や使用する際の注意点、便利な使い方についてご紹介してきました。
電子辞書は国語辞典や英和辞典のほか、さまざまなジャンルの多種多様なコンテンツを収録しています。
使いこなせないほどのコンテンツが入っているとも言え、自己流に狭い範囲の機能しか使っていないということがあるかもしれません。
決して安価なものではありませんので、賢く機種を選んで、しっかり使いこなし、知識を広げて豊かな知的生活を送りましょう。