電子辞書の多数のメリットのご紹介―紙の辞書との比較・検討
これから辞書を買いたい・教養ブームに乗って自分も学んでみたいという人は、いずれ電子辞書にたどり着くのではないでしょうか。
初めて購入するとなると、決して安くはないお値段なので、二の足を踏んでしまいがちになりますよね。
そこで、電子辞書のメリットを列挙・どんな人に向いているかを考えるとともに、紙の辞書の再検討もしてみます。
電子辞書のメリット
家電の1コーナーを見に行ってみると、電子辞書はその種類の多さに圧倒されます。
大きいお店に行くと、市場も広がり需要が伸びていることを、肌で感じる事が出来ると思います。
電子辞書の魅力・こぞって買い求められる理由とはなんでしょうか?
まずはそこを掘り下げていきたいと思います。
辞書に特化した性能
文章を書く仕事のかた、あるいは編集者にとって、あらゆる種類の辞書を網羅することはまず必須と言っていいでしょう。
実際に、有名な職業作家さんのお宅取材などの写真を見ても、壁面一杯に辞書が並んでいることは少なくありません。
しかし、今やタブレット・スマートフォンなどでも「ライティング」のお仕事は十分に可能なので、辞書を外へ持ち運ばなければならないシーンも多くなりました。
そこで疑問に思うのが、「いや、それらの端末でも辞書アプリはあるのでは?」ということですよね。
確かに、例えば有名な広辞苑などを挙げてみると、iOS・androidにそれぞれ対応している電子版アプリがあります。
他にも、有名な和英・英和辞典も提供していますし、ただ調べるだけであればお持ちの端末で済むかもしれません。
これらの問題は、利便性とコストにあります。
第一に、こういったアプリは一冊(?)につきたいてい5000~6000円と高価。
文筆家が何冊も買うとなれば、費用はかさむ一方です。
第二に、アプリ同士の連携機能はほぼ皆無なので、辞書を横断して調べる・言葉を抜き出すという作業がほぼできません。
あとは、ガジェットを複数台もっているかたならばともかく、例えば一台のタブレットでライティング・調べものを一度に済ませてしまおうとすると、画面の切り替えなどが非常に煩雑であるということが考えられます。
こういった意味では、外で仕事をすることの多くなったライターや編集者さん、ブロガーやその他文章を書くことに親しんでおられるかたには、電子辞書は「辞書性能に特化したマシン」として大いに役に立つわけです。
一台に数十種類の辞書
少し触れましたが、10年ほど前の機種とは異なり、いま一般に流通している電子辞書は、一台に数十冊の収録をしているのもすくなくありません。
カシオの有名な電子辞書シリーズで挙げるのであれば、
- 国語辞書…3冊
- 和英英和辞書…5冊
- 百科事典…5冊
- その他外国語俳句歴史に関する資料…20冊程度
これでアマゾン価格2万円と、非常にお得なのが魅力的。
辞書を少しでも多く持ちたい・かつ便利に使いたいという人には、もってこいのマシンなのではないでしょうか。
また、こういった特徴から、学生さんにもおおいにおすすめできます。
皆さんも幼いころ、知的好奇心から辞書をまさぐった経験はないでしょうか。
コンパクトな一台で、何冊もの辞書を触れる…となると、お子様の楽しみも増えます。
スマートフォンやタブレットのお子様への影響がささやかれる中で、こういった「知的好奇心を満たすことだけに性能を限定したマシン」は、保護者のかたにとっても安心できるのはないでしょうか。
いずれにしても、紙の辞書よりも多くのメリットがあります。
最近はこんな機種が出ている
最近の電子辞書の事情はひと昔前と異なる、と前述しました。
今まさにお子様を持つ親世代のかたが想像する電子辞書と言えば、
- モノクロの液晶
- キーボードだけで操作する
- 辞書の種類も多くて3種類ほど
こういったものではないでしょうか。
しかし、近年の技術向上によってカラー/タッチ対応の画面になっているのは当たり前のことですし、キーボードの感触もよりパソコンに近く、誰でも扱いやすくなっています。
併せて言うと、収録している辞書の種類も増えているばかりか、「これ一台で学習になる」と思えるような教材の収録まであります。
リスニング教材つき辞書
特徴的なのが、リスニング教材を収録したものが今主流になっている、ということではないでしょうか。
NHKのラジオ英会話や進学校で使う副教材などを豊富に収録したものがどんどん出ており、通勤・通学中でも学習可能…というのが最近の売り文句です。
筆者も使っていますが、確かに、ちょっとした英語学習の場面であれば電子辞書一台で完結してしまいます。
決してお安くない買い物だけに、こういった機能がついているのは非常にうれしいことですね。
また、紙ではなく電子辞書を買う事の大きな理由にもなり得ます。
しかし、それでも「電子辞書では学習として完ぺきではない」という一部の意見もあります。
そちらの方も、探ってみましょう。
それでも紙の辞書を使う理由
ベテランの学者さんはともかくとして、近年になって出ている若者向けの学習指南書でも、「紙の辞書」を勧めているケースが多く散見されます。
その理由とはなんでしょうか?
紙の感触が脳を刺激する
学者さんたちがこぞって主張するのは一点です。
●紙をめくる感覚が脳を刺激して、記憶力を高める。
この点については、電子書籍反対派などからも多く上がっている声ですし、伝統的な職業作家さんのほとんどに異論がないそうです。
しかし、それはどこか凝り固まった考え方なのか?
という点については拭いきれません。
けれども、今から初めての辞書として自分へ・お子様へ買うというかた、特に学習意欲がたかく読書が好きなかたには、一度立ち止まって考えていただきたいとも思うのです。
一部のデータでは、紙の本と電子書籍をそれぞれ5分間読んでストレスチェックをそれぞれ行ったところ、概ね前者のほうがストレスは軽減され・集中できていたというものがあります。
特に幼児や学童にこの傾向が強くみられるそうで、非常に興味深いデータとなっています。
ある学者さんも言っているように、「紙をまさぐる感覚が脳の刺激になるので、電子辞書よりも紙の辞書にライン・マーカーをしたほうが覚えはよい」との具体的な指摘もあります。
一般的な電子辞書は2万円以上とたいてい高価ですが、本当に必要な一冊を絞って紙の辞書を買うなら、5~6000円ほど。
繰り返しになりますが、最初の一冊として辞書を検討中の方は、振り返ってみてもいいかもしれませんね。
電子辞書vs紙の辞書
電子辞書には持ち運びの利便性・紙では到底実現できないであろう五感を刺激する学習機能がありますが、紙の辞書というアプローチも、また学習にとっては効果があることです。
個人的には、ある程度の読書経験がある・文筆家として日常的に書くことの多い方には、断然電子辞書をおすすめします。
一方で、昨今の教養ブームで興味を持ちだした人や、お子様には、紙の辞書のほうが向いているのではないでしょうか。
まとめ
電子辞書・紙の辞書双方にメリットはあります。
「どんな用途で・どのレベルの学習深度で・どのくらいの年齢のかたが使うのか」をイメージしながら、その2択から選んでいくのがいいのではないでしょうか。
また、数々列挙してきたように、電子辞書の進化・発展はめざましいものがあり、初めての辞書でも自分に合うのならば、こちらのほうが断然おすすめです。
是非ご検討ください。