カシオの電子辞書ってどんなもの?
諸兄姉に伺えば、多くの人がカシオの製品と聞かれて思い浮かぶ物は、デジタルカメラや腕時計、過去には携帯電話と答えられます。
しかし同じ質問を高校生や受験生にしたときの答えは違います。
現在に至るまで類型販売数2000万台を超え、ジャパネットに取り上げられ今年も売れ続けているのがカシオの電子辞書「エクスワード」シリーズです。
不況にも強い根強い必需品
学校からペーパーの辞書の指定があるか、もしくは各社の辞書を「読み物」として購入される方以外には学習の必需品となる電子辞書。
子供からすると勉強のためという錦の御旗があり、親としても、”未来への投資”として明確な理由付けがある教育関連の出費はサンクチュアリであり、節約という対象にはならない。
知人や親戚からの入学祝としても、高校生からはほぼ全ての学生にとって必要になる製品の性質上、送って嫌がられることもありません。
15年以上のナンバリング「エクスワード」シリーズ
カシオは電子辞書を用途に分けて種類を増やす新製品導入型ではなく、顧客のニーズに合わせて1つの商品を進化させる戦略を取りました。
2000年代モノクロ液晶でタッチパネルがなかったエクスワードは、2011年全てのモデルにタッチパネル付きカラーインパネル液晶を搭載しました。
メインパネルがワイドになり一度に表示できる情報量が増えたため、高解像度のカラー液晶となったことで文字の判別が行いやすく売り場の試用での購入がとても伸びました。
企業イメージとして同社はG-SHOCKブランドのイメージを巧みに運用し、ユーザーに期待される耐衝撃性能も高く製品に採用します。
発売当時からエクスワードは強度を持たせたつくりになっていて、液晶画面が守りやすい折りたたみの筐体デザインの採用もあって十分と見込んでいました。
しかしそれでも報告される故障が発生したため、学生ユーザーの徹底した使用状況調査を実地しました。
そして生まれたTAFCOT(タフコット)と呼ばれる堅牢設計は、カバンの中で教科書にぶつかりながら自転車カゴでがたがた揺らしたり、満員電車やバスでの使用や押しつぶしにも対応出来なくてはならなかったのです。
厳選に厳選を重ねる内部コンテンツ
電子書籍を選ぶ際の要素としてとても大きい物が、用途に応じた内部のコンテンツの充実です。
多くを求められる英語辞書コンテンツは、高校生向けモデルでは、「ジーニアス英和辞典」「プログレッシブ和英中辞典」を必須で搭載、加えて教育の現場で評価が高まっている「オーレックス英和辞典」「オーレックス和英辞典」を収録しています。
そして英語に関しては辞書だけでなく、英単語、英熟語集の「キクタン」「キクジュク」なども付け加えられています。
生活・教養・外国語・専門と、用途に分かれて収録内容を吟味し、知識と学習を望む人に答えるためにきちんと内容を検討しています。
電子手帳を安価に走らせないカシオの理由
比較的標準価格である高校生向けモデル、その実売価格2万円台という金額は一見すると決して安い買い物ではありません。
購入のため来店した実売店の試用モデル前で、その価格に驚く父親とその傍らで申し訳なさそうにしているお子さんという光景はよく見られるといいます。
しかし、メーカーも決して安い製品ではないと認識しながら、コンテンツを削ったり設計を落として値段を下げることは考えていません。
それは長年にわたるアンケートはがきから届くユーザーの声が、決してそれを望んでいないと分析しているからなんです。
その年の新モデル開発をする際にも、価格は据え置きながらコンテンツを”厳選”、そして充実させることに要旨をまとめています。
最初こそ価格に驚かれても、収録コンテンツは利用者によって磨き上げられた厳選の内容、リーズナブルでコストパフォーマンスが高いことに気付いてもらうという計らいなんです。
設計に頼らないデザイン
貴重なアンケートデータを参考に、「毎日使う製品を好みのデザインとカラー」であって欲しいとの願いから、改良を重ねています。
エクスワードでも重要な大学教員や翻訳者、プロフェッショナルへ向けられた最上級モデル、また社会人向けビジネスモデルには黒の落ち着いたカラーを基調に。
学生向けモデルには、落ち着いた配色にプラスしてピンク形のカラーを用意するなど、日々使用するユーザーに応える展開を考えています。
まとめ
電子辞書はアイフォンの登場からもその歩みは止まりません。
特に最初に電子辞書を手に取る学生の環境は、学習以外にも使用できるアイフォンを常に使える環境では今のところないからです。
カシオの電子辞書の最大の強みは、長年の愛用者の声を拾い上げ続けていること。
電子辞書には何が求められているのかと言うことをぶれさせず、これからも学習を求める人たちの手助けを目指して作られ続けます