電子辞書と一緒に歩いたオーストラリア(口コミ・体験談)

電子辞書

生まれて初めて電子辞書を購入しました。

ワーキングホリデーに行く決意をして貯めたお金の中から、奮発して買いました。

最初は普通に紙の英語の辞書と、英語の本を持っていこうと思っていましたが、姉からの勧めで本を持ち歩くよりももっと軽くて楽な物があるから、それを買うようにと言われたのが電子辞書でした。

こういった物は項目がたくさんあって、使いこなせる自信がなくてあまり気乗りせずに買いました。

慣れるまでが大変でした

私はあまり機械系の物が得意ではなかったので、姉のおすすめで電子辞書を購入したもののもてあましていました。

ワーキングホリデーに行く前に色々触って見て勉強をしてみたものの、一体どこが便利で楽なのかさっぱりわからないくらい、使うのが億劫でこのままワーキングホリデーに持って行っても、自分が使いこなせるのかとても不安でした。

しかし、まだまだ私が甘かった事を、日本を出てから実感する事になるのです。

慣れざるを得ない環境

そしてワーキングホリデーに出発しました。

最初に「あれ?」と思ったのは、日本で空港に向かうバスの中です。

バスの中でたまたま隣に座ったのが外人さんだったので、ちょっと英語で話しかけてみようと思ったのです。

そう、電子辞書は使い勝手が不安だったので、英会話の本を見ながらです。

しかし、返事ひとつひとつを返す為に本をめくっていたら、外人さんがしびれをきらして、本を覗き込んでくれました。

そしてお別れする時に言われたのが「僕なら、この本を全て暗記してから海外に行くよ。後は電子辞書を使うと便利だよ。」と言われてしまいました。

全然知らない外人さんにまで、電子辞書をおすすめされているのに使いこなせず、へこんでいる自分がなんだか情けなくてしょんぼりした出発となってしまいました。

電子辞書の便利さを実感

外国に入ってからは、会話らしい会話も出来ない私にとって分厚い本を持って歩く事がどれだけ困難な事か、嫌と言うほどわかりました。

何しろ貧乏生活だから、タクシーなんて使えないし、電車やバス路線もわからないからほとんど歩きなので、重い荷物を持っての移動がとても大変でした。

わからないからと投げていた電子辞書がこれほど有能だと言う事は、別の国に実際に入って初めてわかりました。

何しろ使い方さえわかれば、何を調べるにも早いのです。

しかもコンパクトで軽い。

使い勝手がわからないと逃げていた自分を反省しました。

まず使い方を熟知して、外人さんと会話しないと生活が出来ないので、必死になりました。

英語の機能だけではなくて、日本語の辞書としての機能もついていたので、友人に手紙を書く時などにも重宝していました。

そしてパソコンも持ち歩いていなかったので、長い一人の夜の時間は辞書で単語を淡々と調べて、眠くなるまで時間をつぶした事もありました。

知らなかった機能も沢山あったのですが、日本人はもちろん中国人や台湾人やブラジル人もみんな英語の辞書を持ってきていたので、みんな文章の使い方などを、電子辞書を片手に教えてくれました。

交流する材料としても電子辞書が活躍してくれました。

そうこうしているうちに、すっかり辞書の使い方にもなれて、常にウエストポーチに入れて一緒にお出かけするようになりました。

いつの間にか、電子辞書は私の相方のような存在になっていました。

電子辞書の無い生活なんて、ワーキングホリデーでは考えられないほど、依存していたと思います。

まとめ

気が付くと電子辞書は私の大切なパートナーとなっていました。

外人さんと会話するにしても、これが無いと単語がわかりません。

そして自分の言いたい事を伝える為にも、電子辞書が大活躍しました。

イタリア語やドイツ語、中国語まで入っていて「こんなの何時使うんだろう?」と思っていた私が馬鹿でした。

実際にその国の人に出会う機会は、ガンガンあったからです。

ドイツ人に会った時や中国人に会った時には、会話のきっかけに調べて、お話をしてみたりした事もあったのです。

やはり自分の国の言葉を外国人から聞くと誰もがうれしいようで、なんとなくマネしてしゃべってって見たりして、相手の人から笑顔が出ると通じたようでとても嬉しかったです。

「いらない機能」と決めつけて自分がとても情けなくなるくらいに、この辞書のいらない機能のおかげで沢山の国の人の笑顔を見る事が出来ました。

今では姉のおすすめ通りに持ってきてよかったと、本当に心から思っています。

古い型だった為に最近とうとう壊れてしまいました。

まるで長旅を一緒に経験した伴侶を亡くしたような気になってしまうくらい、悲しかったです。