窓際の「広辞苑」がいらなくなる時代!? 電子辞書が広げる「可能性」
学校や職場の窓際に必ずある日本一の国語辞典「広辞苑」漢字辞書「漢字林」。
分厚くて重くて字が小さくて……一方、先生や同僚、上司が使っているのはみんな「電子辞書」。
スマホを持っている人は「辞書アプリ」や「翻訳アプリ」を使いこなしています。
英語以外の百科事典や単語帳、ゲームまで搭載された「オプション機能」はたしかに魅力ですが、なぜこんなに人々は「電子辞書」を選ぶのでしょう?
実は電子辞書、辞書アプリには、紙の辞書では検索しきれない可能性の「広がり」が存在するのです。
電子辞書が選ばれる理由【端末型電子辞書編】
【たとえばこんなシーン……】
ある家のおばあちゃんと孫のワンシーン「ねえお前、『夜半』って『ヤハン』かい?
『ヨワ』かい?」「辞書調べればいいじゃないか」「重くてね、本棚のやつとってくれるかい」「うおっ、マジ重い。
ほら辞書」「ああだめ、こんな米粒みたいな字。
眼が痛くなっちまって読めないよ」「そんな漢字、読めなくたって別にいいじゃん」「だめなんだよ、カラオケ教室の宿題の歌詞にあるんだ。
みんなに訊くなんて恥ずかしくてできないよ。
お前学生だろう?
知ってるんじゃないかい」「ええっ……ええと。
ええと」
電子辞書は、「ナマケモノ」な人間の味方
これは実際にあったワンシーンです。
紙の辞書の欠点それは「重い」「大きい」「字が小さい」。
この三点がそろうと、人間は本性がナマケモノだから「ま、いいや死ぬわけじゃないし」と「知識欲」を放棄してしまいます。
なんてもったいない!
そこに颯爽と登場したのが、端末型の電子辞書。
手のひらサイズで「コンパクト」「軽い」そしてお年寄りに嬉しいのは「字が大きくできる」機能。
あの字の小ささで辞書を敬遠する人も多いのです。
漢字辞典だって……
「ねえ、『齧』って読み方調べたいんだけど、画数もへんもつくりもわかんないよう」こんなときにはタッチパネル式の電子辞書が便利です。
タッチペンで見よう見まねにその漢字を書くと「これですか?」と答えを出してくれます。
最近はなかなか精度が上がっていて、すぐに答えを出してくれるのが嬉しいですね。
「ああ、『げっしるい』の『げっ』かあ!
『かじる』もコレなんだね!」わかったときは、なかなかに爽快です!
端末型電子辞書をおすすめしたい方
学生、デスクワーカー、高齢者の方
電子辞書が選ばれる理由辞書アプリ、辞書サイト、翻訳アプリ編
【時代はこんな風に変わった……】
「あれ、深更って『フカサラ』?
『シンコウ』?」十年前まで「なんだろうねえ」「『シンコウ』だったと思うよ」「え、ほんと?
どんな時に使うの?」「いや……家で調べてみるよ」「(家に帰れば忘れちゃうんだろうけどね……)」「(今知りたいんだけどなあ……)」現代はこんな風になっている。
「(三十秒後)『シンコウ』だよ。
『会議が深更にまで及ぶ』とか使うみたい」「あ、スマホで調べたんだ」「『深夜、夜更けのこと』だって」「すぐ調べちゃうんだ、かっこいー!」「フフン」
スマホの辞書アプリが変える「知識欲」
現代はスマホがかたわらにあって、電源が入ってインターネットがつながる状況にあれば、なんでも調べられます(インターネット接続がなくても辞書機能が使えるアプリもあります)。
つまり、知識欲をいくらでも成長させることができるのです。
なんせ「その気になれば、なんでもわかる」のですから。
実際、東大生や京大生など日本でもトップクラスの頭脳を持つ学生たちの特徴として「わからないことはすぐスマホで調べる」ことが挙げられます。
「白い羽根の鳥がいるよ。
カモみたいだけど、何だろうねえ」という雑談をしているそばから「カモ羽根白い」で検索する……こうして知識は脳に吸収され、さらに頭がよくなるという好循環なのです。
電子辞書「手軽さ」「気軽さ」の勝利
話が少々逸れてしまいました。
辞書アプリや辞書サイトはなんといっても「気軽」「手軽」です。
その「気軽さ」「手軽さ」が、ヒトを伸ばします。
わざわざ家に帰って紙の辞書をひもとく労力と、どちらを選びますか?
辞書アプリ、辞書サイトをおすすめしたい方
スマートフォンやタブレットを持っている人全般
紙の辞書は「いらない」!?
実際のところ、あの分厚くて大きくて字の小さな「広辞苑」はじめとした「紙の辞書」は去りつつある書物なのです。
辞書の目的は「言葉の意味を調べること」。
それが手軽な「電子辞書」というものが普及し、そちらのほうが優秀な機能をそなえはじめたその時から、紙の辞書は消える、あるいは衰退する運命となりました。
さらに紙の辞書には圧倒的に不利な弱点があります。
「高価」なのだ。
国語辞典は平均して五千円。
ときに一万円近くする辞書も存在します。
辞書アプリや辞書サイトは無料。
端末型電子辞書も、たしかに一万円以上する場合が多いですが、その中に少なくとも国語辞典、漢字辞典、英和辞典、和英辞典と少なくともこの四種類の辞書が入っています。
費用対効果は断然「電子辞書」のほうが上なのです。
大切なのは「使いたいときに、使える場所にある」こと
辞書に必要不可欠なこと。
それは「使いたいときに、使える場所にあること」。
そう、これに尽きるのです。
なぜなら、言葉を調べるためにあるのですから。
言葉は私たちの回りを一瞬で流れていってしまう、疑問に思うのもある一瞬間です。
それを調べるために、わざわざ大きくて重くて字の小さい「不自由」な紙の辞書を選ぶのは、英語や国語の語彙を増やすことが重要な学生くらいでしょう(実際、紙の辞書の長所としては、他の単語も眼に入って同時に覚えられるという強い学習効果を持ちます)。
検索すれば一発で必要な言葉が出てきて、大きな文字でお年寄りにも子供にもやさしい。
電子辞書は、便利。
だから普及する、愛される。
気軽に利用されて、利用者の知識をのばす役に立つ。
コンパクトで身近な存在となっているのです。
子供に買い与えるなら、おすすめは?
「子供に買い与えるなら、紙の辞書?
電子辞書?」私は断然「電子辞書。
ただし、必ず自分で調べるクセをつけて」と答えます。
調べなければ辞書の意味がありません。
スマホを持たせているのなら、辞書アプリをダウンロードさせましょう。
日本語でも外国語でも、なんでも調べるクセをつけさせれば、必ず自分から世界の知識に眼を向ける力が出てくるはずです。
ちなみに高齢者にプレゼントするのは断然、電子辞書に限ります。
老眼の進んだ高齢者にとって「字が大きい」というのはすばらしい利点です。
読み上げ機能がついていると、なお良いですね。
序盤にあげた、おばあちゃんと孫も、困ることはなくなるでしょう。
窓際に紙の「広辞苑」がある意味とは
作家の愛読書が国語辞典だった時代は遠く過ぎ去りました。
すべてが検索でまかなえる現代。
電子辞書に対して「便利ではない」という大きなハンデを受けてしまった紙の辞書は、やがて「電子辞書の出典」としてしか存在意義のないモノになるかもしれません。
時代は変わっていく。
私たちは一つの端末を通して、多くの知識を得ることが可能になりました。
紙の辞書では、その限界が見えたのです。
窓際に「紙の辞書」たる分厚くて重い「広辞苑」がある意味、それはきっと「俺たちこんなに勉強がんばってるんだぜ!」と、そんな空気を演出する、お飾りなのかもしれません。
まとめ
以上、いかがでしたか?
電子辞書が紙の辞書よりも優れており、また人々の可能性を広げるというのは、もはや疑いようもない事実でしょう。
おじいちゃんもおばあちゃんも、子供も社会人も学生も、みんな電子辞書、辞書アプリの時代が到来したのです。
しかし、学校や会社の窓際の「広辞苑」。
あれはホント、誰も使わないじゃん……虫が食ったりしないのかなあ……そんなことを想像するのは、私だけでしょうか?