高校生と大学生における電子辞書の使用頻度の違いとそこから分かる事
電子辞書は非常に便利な検索ツールと言えます。
複数の辞書がその1台にまとめられているので、効率よく調べものが出来ます。
では電子辞書を多用する世代である高校生と大学生ではどういった違いがあるのでしょうか。
今回は具体的に教科別の使用頻度の違いを簡単にではありますが紹介します。
また、それらの違いから分かる事実も併せて紹介します。
高校生と大学生では電子辞書に対する接し方は変わるのか
電子辞書は今や高校生以上の年代では必需品ともなっていますが、ではその具体的な使い方は年代的にはそれほど離れていない高校生と大学生の間で変わるのでしょうか。
結論から言えば意外なことに大きく異なります。
では一体どういった点で異なるのかについて今回は紹介したいと思います。
使用頻度について
高校生と大学生の違いとして挙げられるのが使用頻度です。
電子辞書に含まれる機能としては学校で学習する国数理英社の5教科についての辞書や用語集などが挙げられますが、大学での学問内容は上記のような教科からは多かれ少なかれ逸脱したより高度なものとなるので大学生の使用頻度は大幅に減ります。
しかし、高校ではまさに上記の教科は大学受験に出される範囲そのものである為に自ずと使用頻度は高くなります。
それでは具体的に教科別の使用頻度について簡単にではありますが紹介します。
英語の使用頻度
英語はどちらかと言えば国数理英社の5教科の中で、高校生と大学生の間で最も使用頻度の差が少ない教科と言えますが、それでもやはり高校生の方が圧倒的に使用頻度は高いです。
というのも高校生の場合は毎日の英語の授業で出される課題で、英文和訳などがどの学校でもかなりの量を出される為に、どうしても本文中に含まれる単語や熟語などの意味を調べる為に電子辞書が必要不可欠となります。
出される課題の英文レベルにもよりますが、電子辞書で調べなくても全て自己解決できるという人はほとんど居ないのではないでしょうか。
課題で出される教科書の英文和訳などは基本的にその後の授業中に教師が生徒を1人ずつ指名して発表させる形態を取っている学校が多いので、生徒からすれば何としても期限までに仕上げなければならない事からますます辞書への依存度は高まります。
一方で大学の場合は高校までの文法や和訳中心の授業と異なり、実際に会話を行ったり自分の意見を英語で発表する活動的な講義内容が中心となってくる事に加えて課題も一部の英語系の学部を除いて高校時のように毎日出題される事は減ってくるので依存度もそれほど高くありません。
英会話を行っていて自分が言いたい単語が思うように出てこなかった際に調べるといった程度です。
大学で文学部の場合は例外
高校生の方が英語においても使用頻度が高いとは言っても、大学の文学部で外国文学を専攻としている人は少々事情が異なります。
そうした学部の講義で日常的に扱う文学書は構文や語彙などが非常に複雑かつハイレベルで高校時代に読んでいた論説文や物語文とは全くレベルが違うので常に電子辞書を片手に読み進めるという事になります。
結果的に大学に入学後の方が圧倒的に使用頻度は高くなると言えます。
国語について
高校生の場合は現代文の語彙や漢字の他にも、古文単語辞書を使用する機会が多いです。
英語と同様に古文はどの学力レベルの高校であっても本文和訳は必須と言えるので使用頻度は高くなっていきます。
本文和訳の答えもまずは生徒に答えさせてから教師が訂正していく場合がほとんどなので、生徒としては恥ずかしい思いをしないように必死で調べようとします。
大学生の場合は古文は一般的な学部の場合は学習することはありませんので上記のような用途で電子辞書を使用する事はまずありません。
国語関連で使用する事があるとすればそれはレポートなどを書いていて分からない漢字などがあれば調べるといった形でしょうが、大学でのレポートを手書きでレポート用紙に書くというケースはほとんど無く、そのほとんどがパソコン上でワードを使用して書くので例え分からない漢字があっても予測変換機能で候補が自動的に出てきます。
よって、ほとんど使用しないと考えて良いです。
文学部の古典文学を専攻している場合は例外
大学入学後に文学部の日本古典文学を専攻している人は高校時代とは大きく状況が異なります。
高校の場合は基本的に年間を通して進める教科書が決まっているのでどの生徒も学習する内容は同じです。
つまり古文が得意な人も苦手な人もある程度その内容が授業を受ける中で理解できる範疇のものと言えます。
しかしながら、日本文学専攻となると大変高度な文章を読んでいく必要があるので語彙力に関しても相当に高いレベルが求められます。
電子辞書を常に携帯して調べつつ進めて行くというスタイルが主流となるので、自ずと高校時代よりも使用頻度は圧倒的に高まります。
国語関連で大学時代の方が使用頻度が高くなる唯一の例外と言えます。
数学と理科について
こちらの2教科については正直な所、高校でも大学でも日常的に電子辞書を参照するような事はほとんどありません。
というのも、数学や理科の問題を解いたり実験から生じた課題を解決するといった過程で必要となる情報は電子辞書を参照しなくても手元の教科書を見ればすぐに分かる場合が多いからです。
特に大学の理系となると学習内容も非常に専門的となるので、内容自体が辞書内に収録されていないという事もあります。
むしろ、電子辞書を参照にしない方が効率よく進められるとさえ言えます。
社会について
社会には地理歴史公民の3つがありますが、普段から意識的に辞書に含まれている歴史や公民の語句テストを活用して学習しない限り、こちらお数学や理科と同様に使う機会はほとんど無いと考えて良いです。
むしろ上記のような各科目のテスト機能が存在していることを知らないという人も多いのではないかと思います。
大学では例えば文系学部で例えば福祉や公共事業などの社会性の高いテーマを学習する際に登場してくる一連の関連語句に馴染みが無くてどういったものかを調べるという事はるかもしれませんが、それ以外の用途で使用することは無いと見て良いです。
大学では辞書などの検索ツールでは簡単に解決出来ない問題に立ち向かう能力が必要
これまでの使用頻度(使用できる範囲)から比較した内容をまとめるとタイトルのような事実が見えてきます。
結局の所、高校までの学習内容と社会人一歩手前である大学での学習内容とではそもそもの求められるベクトルが大きく変わってくるのです。
高校までは難しい問題であっても答えは必ず出てくるものばかりなので、自ずと調べれば分かるものも多くなります。
しかし、大学の学習では社会人になってからもそうであるように、単純にネットや辞書で調べても一向に答えの見えない問題に食らいついて自分なりに考えていく能力が強く求められるのです。
では、高校までの答えのある問題を解決する能力は不要だったのかと言えば決してそうではありませんし、むしろ逆だと言えます。
答えのある問題を解決することが出来て初めて答えの無い問題に対する思考能力が養われるのです。
ある意味、大学入学後に電子辞書への依存を減らすというのは、思考力を高めたい人にとってはおすすめです。
まとめ
今回は高校生と大学生における電子辞書の使用頻度の違いについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
年代的にはそれほど変わらなくても学習する環境や内容が異なれば大きな差が生まれてくる事に意外な印象を受けた人もいると思います。
ただ闇雲に頼るのでは無くて、その環境に応じてしっかりと考えて使っていけば、非常に強力な武器となることは間違いありません。