重要なのは速さではありません。ミニベロでブルべに参加してみよう。
自転車で走る事が楽しくなってくると、レースやツアーに参加してみたくなるのではないでしょうか。
しかし愛車がミニベロの場合、速さではロードバイクには勝てないし、不利…。
そんな方におすすめしたいのがブルべ。
これはレースではなく「ランドネ(長距離サイクリング)」と呼ばれるもので、自転車版検定試験のようなものです。
ミニベロで挑戦している人も多いとか。
どんなものなのでしょうか。
目次
ブルべってどういう意味?
ブルべとはフランス語で、「認定(Brevet)」を意味します。
ロングライドのサイクリングイベントで、順位やタイムにはこだわりません。
イギリスやオーストラリアでは「オダックス(Audax)」とも呼ばれています。
目標は指定されたコースを規定時間内に完走すること。
自転車の走行性能よりもペース配分や事前準備がものをいうのです。
大切なのは自分の体力と自転車の性能を考慮しながら、いかに目標タイムをクリアするかということなのです。
ブルべにはどのように行われるの?
競争やタイムではなく、決められたタイムに自力で完走することが求められるブルべ。
参加者はまず、事前に公表されているルートに沿って走行します。
そして途中いくつかあるチェックポイント(フランス語で「Point de Controle」、略してPC)を通過して制限時間内にゴールを目指すのです。
ブルべ中のタイムは測定されますが、順位は公表されません。
決められた時間にPCを通過すれば良いので、途中寄り道や休憩・観光をすることも可能です。
しかし、とにかくポイントは定められたPC通過時間を守る事。
通過が早すぎても遅すぎてもいけません。
PCを通過した証明として利用されるのはコンビニのレシートや地名が記された看板。
これらはレース後の検証に必要とされるので、きちんと保管して紛失したりしないようにしましょう。
もしも紛失してしまったら、せっかく完走しても不合格となってしまいます。
公道を走るので注意!
ブルべはレースではないので、一般の公道を走ります。
そのため、道路交通法を遵守するのは絶対条件。
さらにブルべ中の事故やケガなどは全て自己責任となります。
一般人にケガをさせてしまっても同様です。
規定の保険にも必ず加入しておきましょう。
ブルべ中のあらゆる危険を避けるためにも、必ず交通ルールを守るのは大切です。
交通ルール違反は即座に失格となります。
とにかく自己責任!
悪天候でもブルべは行われます。
競技を継続するかしないかは自分の判断にゆだねられています。
急用ができた、故障、体調不良などはすべて自己責任。
棄権の場合は責任をもって主催者側に連絡し、自分で帰宅しなければなりません。
どんな車種でも楽しめる!
ブルべはレースではありません。
ポイントとなるのは目標時間内に走行できたか、できなかったか。
ただそれだけなのです。
比較的マイペースに楽しめるので、ミニベロで走っても十分楽しめます。
PCを回って証拠のレシートや写真を集めて回るというのは、オリエンテーリングのようでもあり、気楽ですね。
日本におけるブルべは…
近年、日本でもブルべの人気は高まっています。
2013年には世界一のブルべ開催国となったほど。
そんな日本のブルべを取り仕切っているのは、パリ本部から委託を受けた「オダックス・ジャパン(Audax Japan)」です。
日本のブルべは「BRM(Brevets de Randonneurs Mondiaux)」(ブルベ・ド・ランドヌール・モンディオ)と呼ばれ、 「ACP(Audax Club Parisien)」(オダックス・クラブ・パリジャン)が1921年に作ったブルべがもとになっています。
BRMで認定されるには?
日本のブルべ、BRMで認定を受けるには当然それぞれのコースをクリアする必要がありますが、目標となる制限時間が公表されています。
200km…13.5時間
300km…20時間
400km…27時間
600km…40時間
1000km…75時間
1200km…90時間
400km以上になると、日を跨いでしまいますね。
ブルべで認定されるとどうなるの?
それぞれの距離を無事完走すると、認定メダルを購入することが出来ます。
さらに同じシーズン中に200km、300km、400km、600kmのコースを全て完走すると、「シュペールランドヌール」(女性はランドヌーズ)となり、その認定メダルも購入することが出来るようになるのです。
この「シュペール」の認定を受けていれば、本場フランスで行われるブルべの最高峰「パリ・ブレスト・パリ」に参加することができます。
「パリ・ブレスト・パリ」は1200kmのブルべで、1891年から行われている世界最古のイベントです。
この大会に参加する事は多くのサイクリストの目標となっており、大会に参加することは大変な栄誉です。
ブルべに必要な準備って?
初心者ならまず200kmのブルべから挑戦するのがおすすめ。
ブルべとしては最短距離だとしても、200kmというと大変なものです。
生半可な装備では途中棄権ということになってしまうでしょう。
どんなことに気をつければいいのでしょうか。
ルートをきちんと把握しておく
まずは自分の走るルートを確認しておきましょう。
PCはどこか、どのあたりがきつそうかなど、チェックするポイントはたくさんあります。
一般道ですから道の込み具合や大きさ、路面の状況なども気になりますね。
出来る限り情報を集めて、ブルべ当日の「想定外」を減らしておきましょう。
不要なものは持たない
もしものことを考えると、装備はたくさんあった方が心強い気がしますね。
しかし長距離を走る上で、重量はとても大切です。
走り始めは軽快に飛ばせても、最後の方はペダルのも緩慢になってくるでしょう。
このように重量という点から考えてみると、ミニベロのペダリングの軽さは大きなメリットとなりますね。
ブルべの装備は?
BRMのレギュレーションによって必要とされている装備もあります。
漏れのないよう確認しておくことも大切ですね。
●ベル
●前照灯、尾灯
●反射ベスト
●ヘルメット
●ヘルメット尾灯
以上は必須装備ですが、快適に走るためには以下のようなものを準備しておくことをおすすめします。
●パンクなどに対応できるツール一式
●雨用の軽い羽織
●自転車が走れなくなった時の準備(折りたたみ自転車なら収納袋、そうではないなら駐輪金具など)
●できればGPS(初心者なら特におすすめです)
ブルべにおすすめのミニベロ!
ブルべの最中に休憩を取りたくなったり、駐輪スペースが見当たらないところで止まりたくなったりしたとき、コンパクトなミニベロはとてもおすすめ。
スピードを競う競技ではないので、気軽に楽しんで走りましょう。
そんなブルべにぴったりのミニベロはどんなものがあるでしょうか。
BIKE FRIDAY Pocket Rocket Pro
世界中にファンの多い「BIKE FRIDAY」のモデルです。
ロードバイクのように安定した走行性能が期待できます。
ドロップハンドル仕様で、ミニベロ本体も軽く、頑丈に造られています。
悪路や悪天候にも安定した走りが期待でき、輪行したい場合はコンパクトにたたんで収納することも可能。
オーダー方式なので、自分好みに完璧なカスタマイズができますよ。
GIOS FELUSA
イタリアの「GIOS(ジオス)」社のミニベロです。
メインコンポーネントにSHIMANO NEW SORAを搭載し、18段変速を実現。
快適な操作性を楽しめます。
スポーティなルックスだけではなく、素晴らしいのはなんといってもロードバイクにも匹敵する走行性能。
出足も良く、コンパクトな足回りでミニベロならではの良さも生きています。
衝撃吸収力も高く、長距離でも快適・安定した走りを実感しながら走ることが出来ますよ。
おすすめカラーは「ジオスブルー」と言われる深いブルー。
とても人気の高いミニベロです。
まとめ
ミニベロでスピード競争に参加しようという方はあまりいないでしょう。
しかし、ブルべのような認定大会ならちょっと興味がわきませんか?
タイムの規定さえ守れば、途中どこで休憩を取ろうが観光しようが問題ないという、とても自由な大会です。
車種にも決まりがないので、ママチャリで参加する方もおられるとか。
普段楽しんでいるミニベロでまずは200km走破を目指してみてはいかがでしょうか。