腰痛の原因とそれに対する対応

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腰痛治療

腰痛を症状として訴える方は多くみられます。

たいしたことはないと判断して、自己流の治療方法で経過を見る方も多いようですが、腰痛の原因によってその治療法は異なるため、まずは原因が何であるかをはっきりさせることが大切になってきます。

ここでは、腰痛が起こる原因とその症状に対する対応について述べさせていただきたいと思います。



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大きく2つに分類される腰痛の原因

脊椎の腰部には5つの「腰椎」があり、腰椎の前側の部分である「椎体」はそれぞれの間に「椎間板」と呼ばれるクッションの役目を果たす組織をはさんでいる状態で成り立っています。

また椎体の後ろ側には神経が通っており、脊柱はこの神経を守る働きもしています。

腰痛が起こる原因としては、この「腰椎が直接障害される場合」と「腰椎以外に原因がある場合」の2つに分けられます。

それぞれについて詳しくみていきましょう。



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腰椎が直接障害される場合

日常生活において、体を動かしたり、いろいろな姿勢をとったりすることで、腰には大きな負担がかかります。

2足歩行の人類にとって、腰痛はもはや避けて通れない病気だといっても過言ではありません。

このことにより、椎骨や筋肉、椎間板などが障害されて起こるのが以下にあげるような病気です。

圧迫骨折

垂直方向の外力により椎体がつぶれた状態をいいます。

交通事故のような大きな外力の場合もあれば、尻餅をつく、重い物を運ぶなどのちょっとしたことで発生する場合もあります。

もともと骨粗しょう症があれば、とくに原因がなくても発生する場合も多く、たかが腰痛だとタカをくくっていたら我慢しきれなくなり、病院にいったらこの病気だと診断されて即入院というケースもめずらしくない病気です。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板の周囲を構成する繊維輪に亀裂が入り、、中心部にある髄核がそこから飛び出した状態をいいます。

腰椎にかかる負担や、重い物を持ち上げた際の荷重、繰り返される腰の負担などで起こります。

10代から高齢者まであらゆる年齢層にみられる病態で、男女均等にみられる傾向があります。

椎間板の破綻が原因で起こるため、強い腰痛が特徴的で、数日から2週間ぐらいの間に疼痛は徐々に臀部から大腿部、さらには下腿へと放散してくのが特徴的です。

座位にて症状が強くなるという特徴があります。

脊柱管狭窄症

腰椎の加齢変性により椎間関節や椎間板が変性し、不安定性や脊柱管の狭窄を引き起こして、神経の刺激症状や麻痺を引き起こす疾患群です。

腰椎の変性は徐々に起こるため、激しい腰痛を訴えることは少なく、腰の重だるさや鈍痛などがほとんどです。

「間欠的跛行」という特有な症状があり、これは座位ではまったく無症状であっても、立位や歩行時に下肢の疼痛やしびれ、脱力などで歩けなくなってくる症状で、少しの安静や座位により回復するのが特徴です。

腰椎分離症・分離すべり症

椎弓の根元の骨折です。

一般的には10代前半の成長期に起こる疲労骨折であるといわれ、まれに成人にも新たにみられる場合があります。

背筋を使うアスリートに多いとされており、骨折部分の骨癒合がみられないまま成長すると、分離が起こり、この分離部がつねに不安定であることにより慢性的な腰痛を招きます。

また分離部の下位の椎間板が年齢により変性してくると、すべりを生じることがあり、坐骨神経痛の原因となることもあります。

急性腰痛症

いわゆる「ぎっくり腰」と言われるものです。

ほとんどの場合原因がわからず、楽な姿勢をとって安静にすることが基本ですが、じっとしていても痛んだり、日に日に痛みが強くなってきたりする場合、「脚のしびれ」や「排尿障害」などを伴うような場合には、ほかの病気による可能性もありますので、受診をして原因を確かめることが大切になります。

その他の原因

腰部にがんや細菌感染などが起こっていることが考えられます。

細菌感染は、通常では考えにくいのですが、高齢者や糖尿病などの持病で免疫力が低下している場合などには起こり得る可能性があります。

腰痛の中でも「夜間など安静にしているときにも痛む」「日に日に痛みが強くなる」「発熱を伴う」などと言う場合には、すぐに受診して原因を確認する必要があります。

腰椎以外に原因がある場合

① 臓器や血管の病気
腰椎に異常がなくても、消化器系、泌尿器科系、婦人科系などの病気が原因で、臓器の周辺の神経が刺激され、腰痛を起こす場合があります。

また腰部付近の血管の障害でも強い腰痛が起こる場合があります。

② 精神的ストレス
精神的ストレスでも腰痛を起こすことがあるとわかってきました。

脳には痛みを抑制するシステムがあるのですが、精神的ストレスが続くとそのシステムがうまく作用せずに、弱い痛みを強く感じるようになります。

さらに、腰痛によって体を動かさなくなることにより、ストレスが大きくなるという悪循環を起こすのです。

受診して他に原因が見当たらない場合、精神的なものが原因だと考えてみることも必要です。

まとめ

腰痛の原因は「様子をみて安静にしていれば治まるもの」から「受診して入院をするべきもの」までさまざまです。

事態によっては「一刻も早く受診するべき」状態であることもあります。

痛みの程度に比例するのが一般的ですが、早めに受診して、事前にその理由を取り除くことが本人にとって最適な対処法であるとも言えます。

「このくらいで受診するなんて」と考えず、検診のつもりで、整形外科を受診してみることが腰痛で苦しまないためのポイントなのではないでしょうか。





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