幅広の足にあう初心者用マラソンシューズを見つけるために
ダイエットやストレス解消、健康維持など様々な理由で、マラソンを楽しむ人が増加しています。
マラソンシューズも、各メーカーから様々なものが出されています。
マラソン用のシューズ売り場に行くと、選り取り見取りといった風情で、色とりどりのシューズが並んでいます。
これからマラソンをやってみようという幅広の足の人が、これぞ私の一足!
というシューズを見つけることはできるでしょうか。
マラソンシューズはどれも同じ?
普段の靴が3Eという人の中には、おしゃれな靴を履きたくなった時に、選択肢が少ないことを嘆いたことのある人が多いのではないでしょうか。
それでも、普段履きのスニーカーとなれば、おしゃれな靴ほど選択肢の少なさを感じずに済むことも多いでしょう。
マラソンシューズも、スニーカーと同じで「おしゃれな靴」ではないのだから、どれも幅は同じだろうと思うと、これが大違いなのです。
もちろん足幅がどれくらい広いのかにもよりますが、マラソンシューズはある程度長い時間履き続けるうえ、足に負荷のかかった状態が続きます。
シューズがちゃんとあっているか否かは、最後まで怪我なく走れるか否かにかかわる、大切なポイントになるのです。
見た目には同じように見えるマラソンシューズも、一つ一つに個性や特徴があって、自分に合うシューズとなると、なかなか出会えないものなのです。
最初に履いてみるのはどれ?
アシックスGT-2000NEWYORK
マラソンを始めてみようという幅広の足を持つ人に、最初に試して損のない一足を挙げるとすれば、アシックスのGT-2000ではないでしょうか。
これはスリム、普通、ワイドと3タイプのモデルがでているので、幅広の足の人にもフィットしやすいシューズと言えます。
日本人の足に合うシューズを作り続けてきたアシックスの、マラソン入門者にも十分な機能を備えたシューズです。
ミズノWAⅤEライダー
こちらも、最初の一足を選ぶ際の候補に入れられるシューズと言えます。
フルマラソンの完走時間が4~5時間台以上の人には大会用に、サブ3.5ランナーになれば、ロング走やLSDの時に履くのにぴったりだと言われています。
こちらもスリム、普通、ワイドタイプと3種類のモデルが出ていますので、幅広の足の人はワイドをお試しください。
クッション性と安定性があるにも関わらず、重さを感じないシューズと言えます。
ニューバランス1040
ニューバランスはもともと、ボストンでアーチサポートインソールや矯正靴の製造をするメーカーとして誕生しています。
そのためか、シューズのサイズ構成が他社よりも細かく、縦の長さのサイズ以外に幅の選択肢が多いのが特徴です。
5段階の幅の選択肢があり、幅広の人なら4E、多少広めなら2Eサイズから試してみることができます。
1040はウルトラマラソンやLSDなどの長距離向けのサポート機能の付いたシューズですので、初心者で筋力等に不安な人が履くのにもぴったりです。
履いた感じとしては、GT-2000やWAⅤEライダーに比べると、多少重たい感じがします。
しかし、実際ハーフマラソンで履いてみたところ、その重さが負担になることはありませんでした。
ニューバランスRC1100
こちらは、初心者向けのシューズではありません。
サブ3.5を目指すスピードのあるランナーに向けて作られたシューズですから、走力や脚力のない初心者がフルマラソンの大会で履くシューズではありません。
では、なぜここに挙げたのかということですが、練習用の一足としてはおすすめできるからです。
幅広の足の私自身、1100の4Eタイプに足をいれた時は、嬉しくなるようなぴったり感でした。
そして、その軽さも魅力的でした。
クッション性は低いですが、その分足裏が地面をつかんでいる感じがしますし、短い距離の大会や練習用として愛用しています。
ただ、いきなりこのシューズで無理な走りをすると足を傷めかねませんので、その点はご注意ください。
シューズを買う時にすべきこと
マラソンの時に履く靴下を持っていこう
マラソンシューズを履くというのは、実に繊細な事柄です。
それは長時間負荷のかかった状態が続くなか、トラブルなく走ることと繋がっているからです。
走り続けると足は熱を持ってきます。
靴と靴下、靴下と素肌、それらの接している部分が走っているうちにこすれ合うと、まめや靴ずれができます。
靴下の生地一枚分のわずかな厚みでも、それがあるのとないのとでは、このこすれ合う力に差がでてきて、まめや靴ずれなどができるか否かの分かれ目になりえます。
つまり、ここで言いたいことは、シューズを買いに行く時には、マラソンの時に履く靴下を持っていくか、履いていくかして、マラソンの時の足の状態でシューズの試し履きをすべきだということです。
そうする方が、断然、シューズ選びに失敗が少なくなります。
例えば、普段は普通の靴下を履いているけれど、マラソンの時は5本指靴下を履くという人もいるでしょう。
5本指靴下を履いた場合、足の指の間それぞれに靴下の生地が余分にはさまっていることになり、普通の靴下を履いた時と比べると、足全体の幅はわずかですが変わってきます。
このわずかな差が、幅広の足の人にとっては大きな問題となるのです。
普通の靴下であれば履けていたシューズが、足の指4本分の靴下の生地の厚さが加わることで、履けなくなることだってあり得るのです。
そうなると、フルマラソン用の5本指靴下を断念して、普通の靴下で走るか、シューズ選びをしなおすかという事態になってしまいます。
靴下の形状が同じであっても、その厚みが普段履きの靴下と異なるのであれば、同様のことが起こりえます。
ですから、シューズ選びの際には、走る時に履く靴下を履いたうえで、試し履きをすることをおすすめします。
靴ひもの締め方を知っておこう
どんな靴でもそうですが、足の形が千差万別である以上、靴の購入に際しては試し履きが重要です。
マラソンシューズも同様で、まずは足を入れてみてください。
ひもを緩めた状態で足を入れてみた段階で、幅広の足の人であれば、細身のシューズは問題外であることが、明白になるでしょう。
そのような靴はたとえ性能やデザインが魅力的でも断念せざるをえません。
足幅のやや広めの人であれば、ワイドタイプのシューズにするのか、普通タイプのシューズにするのか、悩むところでしょう。
まず普通タイプのものに足を入れてみて、感覚をみてみましょう。
履けそうかなと感じれば、次は正しく靴ひもを締めてみましょう。
ここでは正しく締めるというのがポイントです。
マラソンシューズを履いたことのない人や、どうやって紐をしめるのがよいのかわからない人は、ぜひ、店員さんに締め方を聞いてみてください。
店員さんが正しく締めてくれると、そのシューズが足に合っていた場合、フィット感は驚くほどのものになります。
同じシューズであっても、自分流に紐を締めたときとの履き心地の差は明らかです。
ですから、シューズの試し履きの際は、正しくひもを締めて、足に合うかどうかを確認してください。
試し履きでは、店内を軽く走ったり歩いたりしてみよう
靴ひもを締めてみて、足に合っていると感じられたら、もう大丈夫でしょうか。
おそらく大丈夫なのかもしれません。
しかし、店内を軽く走ったり歩いたり、あるいは、可能であればある程度の時間履き続けてみる方が、より確かな選択ができます。
足には合っているみたいだけれど、走った時の感じがしっくりこない、ということもあります。
また、足自体にはあっていても、足首やアキレス腱のあたりが、歩いたり走ったりするとあたってしまうということもあります。
例えば足のサイズが25センチ以上の女性であれば、男性モデルの靴でもサイズ的には履けます。
シューズの形状によっては実際問題のないこともあります。
しかし、男性モデルはシューズのかかと部分がレディースモデルより大きめに作られていることがあります。
そうすると、足のサイズはよくても、履いた時にレディースのシューズよりハイカットなシューズを履いていることになり、かかとの違和感が発生することがあるのです。
イスに座ってシューズに足を入れただけではわかりにくい、微妙なハイカット加減のこともあります。
店内をある程度試し歩きや試し走りをしてみると、そのあたりのことも見抜ける確立が高くなります。
何足か履いて比べてみよう
できるだけ、複数のタイプのシューズに足を入れてみることをおすすめします。
メーカーによって同じワイドタイプと言っても、その幅に差があったり、サポート機能の違いから、履き心地も変わってきます。
足の形を機械で計測してくれる店や、走るフォームからその人にあったシューズを教えてくれる店などもあります。
初めての一足ということなら特に、一店舗だけで決めてしまわずに、複数のお店でアドバイスをもらうとよいでしょう。
また、アシックスやミズノなどメーカーの販売店に行った場合は、一つのメーカーのシューズしか履けないですから、即決は避けた方が、より自分の気に入った一足を手にできるのではないでしょうか。
シューズを買ったら
靴ひもの替わりにキャタピラン
これと思う一足が見つかって購入したら、まずは靴ひもを通していきましょう。
そして、面倒でも足の出し入れは、十分靴ひもを緩めた状態で行いましょう。
その都度正しく締めていくようにすると、足にも靴にも良い結果になります。
どうしても、その都度締めるのが面倒で、締め具合が変わってしまってストレスになるという人もいるでしょう。
そういう場合、伸縮性のあるゴムのような靴ひもが販売されていますので、それを試してみるのもよいかもしれません。
キャタピランという商品名で売られています。
これは締めない靴ひもといわれ、こぶ状のものが並んでいるため、結ぶ必要がありません。
伸縮性があるので、脱ぎ履きが楽ですし、足の形にフィットした状態を保ってくれます。
ただ、50センチと75センチの二種類の販売のため、75センチ以上欲しい場合は使用できません。
フルマラソン前に
足に合ったマラソンシューズを履いていても、フルマラソンの場合は長ければ5~6時間、人によってはそれ以上、同じシューズで走り続けることになりますから、靴ずれやまめはどうしてもできやすくなります。
これを予防するための方法として、相性のよいレース用靴下を見つけるということがあります。
靴下の生地の厚みは侮れません。
様々な機能を備えた靴下がありますから、色々試してみて、足との相性と、靴との相性を見極めてください。
ある程度長い時間をその靴下で走ってみて、問題なければ本番用の靴下にしてみると、足のトラブル予防につながります。
もう一つのおすすめの方法が、ワセリンを足裏や指の間にぬっておくということです。
これらは、あくまで予防のための策で、これをすれば万全というわけではないですが、しないよりはした方がよい策として、お試しください。
二足目を買う時に注意したいこと
練習や大会出場を重ねるとシューズもくたびれてきます。
底がすり減っていて、クッション性が低下してきたら、買い換えた方がよいでしょう。
今までのシューズが足にぴったりだったから、次も同じメーカーの同じシューズを買おうという人もいると思います。
マラソンシューズは、おおよそ一年ごとにモデルチェンジが行われているものが多いです。
同じタイプのシューズでも、それまでのものと基本的要素は同じでも、より走りやすくメーカーはモデルチェンジをします。
ここで、注意すべきところが、モデルチェンジは必ずしもすべての人にとって、より良くなっているわけではないということです。
例えばアシックスのGT-2000で言うと、ある年のモデルはワイドでちょうどよかったのに、モデルチェンジしたら、若干幅が狭くなり履けなくなったということがあります。
ユーザーからの足先が遊ぶ感じがするという声を受けて、より足にフィットするような形状へわずかに変えられたようで、幅広の足には、このわずかな変化により、GT-2000は足にぴったりではなくなってしまいました。
このようなこともありますから、例えお気に入りのシューズがあっても、モデルチェンジをしていた場合は、試し履きしてから購入することをおすすめします。
まとめ
ぴったりのマラソンシューズ探しは、なかなか難しいものです。
足を入れた時にはぴったりでも、走ってみると足に合わなかったということは、よくあります。
10キロまでなら大丈夫なのに、ハーフやフルになるとシューズがあわない感じがする、ということもよくあります。
シューズに原因があることもあれば、それ以外に原因があることもあります。
そもそもまめや靴ずれはできて当然という考えもあります。
それでも「このシューズは足にあっている」「次の大会はこのシューズで出よう」と思える一足に出会えると幸せです。
ぜひ、あきらめずに、根気よく、自分にとって一番のマラソンシューズを探してください。