ランニングタイツには本当に疲労軽減効果があるの? ランナーに支持されている5つの機能
近ごろは市民マラソンなどの大会でもランニングタイツを着用して出場するランナーの姿を多く見かけるようになりました。
ランニングタイツの利用はランニング中級者以上の人だけでなく、走り始めて間もない初心者にも及んでいます。
ランニングタイツには大きく分けて5つの機能があると言われていますが、その中でも特に疲労軽減の点にスポットを当てて効果を解説していきます。
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ランニングタイツが人気を集めている理由
ランニングタイツは機能性とファッション性を兼ね備えている点が評価され、市民ランナーの間で人気が高まっています。
特に冬用タイプの製品は保温効果に優れ、速乾機能を持つ素材であれば夏場に着用してもそれほどの暑さを感じないものです。
夏場は女性ランナーにとって紫外線対策が欠かせませんが、UVカット機能を備えた製品も少なくありません。
テーピング機能を売りにした製品も増えており、膝関節のサポート効果で脚の筋力が弱いランニング初心者でも長時間走り続けられるようになります。
そうした保温効果とUVカット機能・関節へのテーピング効果だけでなく、走るフォームを安定させて膝などの故障を防ぐ効果もランニングタイツの機能として見逃せません。
以上4つの機能に加え、5つ目の機能として疲労軽減効果が挙げられます。
ランニングタイツを着用しながら走ることで、着用しない場合よりも疲れにくいと言われているのです。
疲労軽減効果については否定的な実験結果も
ランニングの際には通常の歩行と比べて歩幅が大きくなる上に、ジャンプをして着地をするような動作を長時間繰り返すことになります。
その際には脚の筋肉が大きく振動し、無駄なエネルギーが消費されて筋肉の疲労につながりやすいと言われてきました。
ランニングタイツを着用することでそうした筋肉の無駄な揺れが抑えられるため、疲労軽減効果があるとされてきたのです。
ところがその効果については米オハイオ州立大学の研究チームが2017年に行った実験によって、否定的な結論が出されています。
ランニングタイツの効果で筋肉の振動は確かに抑えられましたが、実験者の筋肉に関するデータを測定しても疲労の軽減が認められなかったのです。
この実験にランニングタイツを提供したのは有名なスポーツウエアメーカーのナイキだっただけに、実験結果は大きな波紋を呼びました。
とは言えランニングタイツにもいろいろな製品が存在しますので、他のメーカーも含めたすべての製品で疲労軽減効果が否定されたわけではありません。
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ランニングで脚の筋肉が疲労する原因
筋肉の振動だけが原因で脚の筋肉が疲労するのであれば、ランニングタイツの疲労軽減効果にも疑問符がついてしまいます。
実際にはそれ以外にも筋肉疲労の原因が考えられることから、ランニングタイツの製品ごとに異なる機能性も考慮に入れなければなりません。
長時間走り続けるには脚の筋肉に新鮮な酸素と栄養素を絶えず供給すると同時に、筋肉から放出される二酸化炭素と老廃物を回収する必要があります。
酸素と栄養素は心臓がポンプとなって動脈から脚の筋肉へと供給されていますが、二酸化炭素と老廃物は重力に逆らって心臓へと送り返さなければなりません。
その際に静脈ポンプの役割を果たしているのが、心臓に代わって伸張と収縮を繰り返す脚の筋肉です。
長時間走り続けることで酷使された脚の筋肉が炎症を起こすと収縮力が弱まり、ポンプの役割を果たさなくなって筋肉に老廃物が溜まってきます。
その結果として筋肉が疲労に陥り、足が動かなくなって走り続けることが難しくなるのです。
ランニングタイツは筋肉をサポートする着圧が重要
特にランニング初心者は走り慣れた人と比べて脚の筋力が弱く静脈ポンプの力も強くないため、短距離を走っただけでも筋肉が疲労しやすいものです。
ランニングタイツの中には膝の関節だけでなく脚の筋肉にも着圧をかけ、サポーターの役割を果たすような製品も少なくありません。
そのようなタイプのランニングタイツを着用すれば走っている間じゅう脚の筋肉に一定の圧力が加わるため、筋肉の収縮力を補って静脈ポンプの役割を維持することができます。
二酸化炭素と老廃物を含む静脈の血流が心臓へと送り返しやすくなれば、脚の筋肉に疲労物質が蓄積されにくくなります。
結果的に脚の筋肉疲労が軽減されるため、長時間走り続けられる効果が得られるという仕組みです。
着圧が強すぎるランニングタイツは走りにくい
以上のような静脈ポンプ効果を考えると、着圧が強いランニングタイツほど疲労軽減効果が高いように思われがちです。
ランニング中級者以上になると初心者時代と比べて走るスピードもアップし、ピッチが広がったり脚の運びが速くなったりしてきます。
脚の筋肉もそれだけ多くの酸素を必要とするようになるため、静脈ポンプの力を強化しないと疲労物質が筋肉に溜まりやすくなってくるのです。
着圧が強すぎるランニングタイツは脚の動きが制限されて走りにくく、無理にスピードアップしようとすると余計な筋肉に力が入ったりして逆に疲れやすくなる可能性もあります。
脚に少しでも圧迫力がかかると走りにくいという理由で、ランニングタイツを着用しない上級者の人も少なくありません。
筋肉サポートと走りやすさの両立
脚の筋肉の血流を促して老廃物が溜まらないようにするには、ランニングタイツによる着圧だけでなくある程度の脚の動きも欠かせません。
着圧だけで静脈ポンプの役割を果たすのは難しいため、適度に脚の筋肉を動かすことによって静脈の血を心臓へと押し上げていく必要があるのです。
ランニングタイツはあくまでも脚の筋肉を補助するのが役目で、筋肉に適度な圧力をかけながら負担を軽減する働きをします。
着圧が強すぎないランニングタイツの方が脚の筋肉を動かしやすいため、筋肉疲労の軽減や炎症抑制効果が高いという研究報告もあります。
適度な着圧で筋肉をサポートする効果と走りやすさを両立させた製品が、疲れにくいランニングタイツに求められる理想像なのです。
疲労軽減効果を重視するなら段階着圧の採用された製品を
筋肉の疲労軽減という観点でランニングタイツを評価する場合でも、必要とする着圧は脚の各個所によって異なるものです。
一般的には心臓から最も遠い足首付近の筋肉に強めの着圧をかけ、太腿にかけて着圧を下げていくような構造が理想とされます。
中間に位置する膝関節付近はむしろ動かしやすさが重視されてくるため、足首や太腿付近よりも着圧を低くすることが必要です。
それぞれの個所に応じて着圧を細かく分けた段階着圧タイプのランニングタイツを選べば、走りやすさと静脈ポンプ効果が両立できます。
段階着圧の技術が採用された製品は価格帯も少々高くなりますが、何よりも疲労軽減効果を重視したいという人にはおすすめです。
SKINSのA400で採用された動的段階的着圧の技術
現在では多くのスポーツウエアメーカーから段階着圧タイプのランニングタイツが多く発売されている中でも、SKINSのA400シリーズには一歩先を行く最新技術が使われています。
前述の実験に協力したナイキと比べ、SKINSは筋肉サポート系の機能性タイツに強いメーカーです。
A400に採用された動的段階的着圧は高度な人間工学に基づく設計技術で、従来の段階着圧と比較して脚の筋肉や関節の動かしやすさにも配慮している点が大きな特徴です。
脚の静脈ポンプで最も大きな役割を果たしているふくらはぎの筋肉に最大の着圧をかけ、他の個所には段階的に細かい着圧設定が施されています。
マラソンや登山といった持久力が必要な場面だけでなく、瞬発力が求められるスポーツに取り組んでいる人にもA400はおすすめです。
上級者になるとランニングタイツから「卒業」するというのが一般的傾向ですが、A400はランニング上級者の使用にも耐え得る製品だと言えます。
まとめ
ランニングタイツは保温とUVカット・関節サポート・故障予防の各効果に加え、以上のような疲労軽減効果を兼ね備えているのが人気の一因です。
ランニングで疲れやすいと感じている人は、段階着圧が採用された筋肉サポートタイプのランニングタイツを試してみる価値があります。
健康のためにこれからランニングを始めようと考えている人でも、ランニングタイツを着用することで長続きやすくなるものです。